茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

台北国立故宮博物館展

2014-07-09 15:02:22 | 展示会・イベント

大好きな台北国立故宮博物館、東京国立博物館での開催に足を運びました。

台北故宮博物館に行く度に、新しい発見があって新鮮です。まさに、「一期一会」の世界です。

今回の特別展は、古代青銅器から歴代書画、そして明清時代超絶技巧の工芸に及び、多彩な186件が鑑賞できます。


7月7日までに、「翠玉白菜」を一目見ようとする方々が長蛇な列でした。私も覚悟の上、並びました。文庫本を持参していたから、苦にはならなかったのです。

今回、一番引き付けられたのは、北宋時代の書を中心に、書の作品の数々です。
創作背景などの詳しい説明が添えられている作品が多いので、大変ありがたいのです。

書の神様の王羲之の作品をはじめ、蘇軾をはじめとする北宋四大書家【注1】の作品も数多く展示されています。
蔵硯家から立派な硯を頂いた北宋の書家蔡襄(さいじょう)が出したお礼のお手紙、達筆な行書や、かろうじて読めたあの時代の文字に、書家の文才に敬服します。
それにしても、同時代の文人の間では、実に、文房四宝の贈呈が行われていることがよく分りました。
もう一つは、北宋の黄庭堅(こうていけん)が残した苦筍の味わいを伝える書も内容も印象的でした。

清の時代のエリアで、奇麗な正楷をなさる雍正帝【注2】の朱批を観て、冷酷と寛大を併せもつ皇帝だと改めて感じました。

戦や紛乱の多い時代を通り抜け、このような文物が本当によく残されてきたなーと思います。目がうるうるしてしまいます。

台北国立故宮博物館
2014年6月24日―9月15日
東京国立博物館にて

【注1】北宋四大書家ー蘇軾(そてつ)・米ふつ・蔡襄(さいじょう)・黄庭堅(こうていけん)

【注2】雍正帝ー清五代目の皇帝、乾龍帝の父。歴史上、ヒステリックな性格として知られており、人には厳しいけれど、自分にも非常に厳しい人物です。一方、先代の康熙帝が残した財政赤字を黒字に転換させた清廉な皇帝でもあります。就寝時間を削り、毎晩夜更かしをし、地方官僚から届けられてきた膨大な上奏書に目を通し指示を書き下ろす逸話も残されています。赤筆で書くことが多いので、「朱批」と言います。

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