茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

秘すれば花

2014-09-02 11:24:57 | 日常

たまたま耳にした

秘すれば花

という言葉に、昨日はしんみり。

世阿弥の書き残した『風姿花伝』を読んでみようという気持ちになった。

余り語らず、相手に想像の余白を与える詫び寂びの美とその謙虚さ。

花器いっぱいに立派なお花を生けるより、

小さく咲いた、たった一輪の草花が美しい。

わびさびは、芸術や文学の世界ばかりではなく、日本の人々の心にもきっと生きている。

その空気感が大好きだ。

シンプルに生けた花、洗練された茶席、日本語らしい日本語の伝え方。

そこには、共通した美学が生きているに違いない。

ずっと突破口の見つからなかった壁に、

昨日は、大きなヒントを得た気がした。

今は形のあるものばかりでいい。

いつか、そこにそっと心が入れられたら嬉しい。

先日の三寶物語の席で、自分にとって一番の宝物はなーに、と聞かれた時、

マジメに「日本へ留学に来たこと」と答えた。

真っ先に頭に浮かんだのは、「留学」の二文字に他ならなかった。

海を渡って、日本へ留学に来たのは、二十年以上前に遡る。

しかし、こんにちの日々も、ある意味で留学が現在進行中。

些細なことで十分、いつまでも、昨日のような小さな発見がありますように。

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