たまたま耳にした
秘すれば花
という言葉に、昨日はしんみり。
世阿弥の書き残した『風姿花伝』を読んでみようという気持ちになった。
余り語らず、相手に想像の余白を与える詫び寂びの美とその謙虚さ。
花器いっぱいに立派なお花を生けるより、
小さく咲いた、たった一輪の草花が美しい。
わびさびは、芸術や文学の世界ばかりではなく、日本の人々の心にもきっと生きている。
その空気感が大好きだ。
シンプルに生けた花、洗練された茶席、日本語らしい日本語の伝え方。
そこには、共通した美学が生きているに違いない。
ずっと突破口の見つからなかった壁に、
昨日は、大きなヒントを得た気がした。
今は形のあるものばかりでいい。
いつか、そこにそっと心が入れられたら嬉しい。
先日の「三寶物語」の席で、自分にとって一番の宝物はなーに、と聞かれた時、
マジメに「日本へ留学に来たこと」と答えた。
真っ先に頭に浮かんだのは、「留学」の二文字に他ならなかった。
海を渡って、日本へ留学に来たのは、二十年以上前に遡る。
しかし、こんにちの日々も、ある意味で留学が現在進行中。
些細なことで十分、いつまでも、昨日のような小さな発見がありますように。