KYOKUKENZO'S WORKSHOP 2025

「道」は自ら切り開くもの。
他人の後追いは「道」にあらず。

いまも、君を想う。

2013年01月19日 | 歳時記
新年会の前半に
昨年、功労のあった方々を
表彰する習わしになっています。

新年会の前日、
その記念品を用意するのに
近くのショッピングセンターへ
出向きました。

賞品をセレクトし終えて
ラッピングしてもらうとき
「30分ほどかかります。」と。

それは
前もって予想していたことなので
私はセンター奥手にある書店へ
向かいました。

本の立読みに、30分はちょうど良い。


いまも、君を想う
一冊の文庫本がすぐ目に留まりました。

映画評論家の川本三郎さんが
2年前に57歳で他界した奥さまを
追想するエッセィ集です。

「これは立読みではいけない。」と
すぐに購入し、読み始めました。

その時の。その気持ち。
的確に文章で表現されていて
本当に感心しました。なるほど
書くことを仕事にしている人です。

家族構成や職業や宗教のことなど
私と違うところはあるにせよ
とても共感できるといいますか
気持ちがわかる部分が多く
その心情描写にうなずきながら
読み進み、私はボロボロ泣きました。

人はみな、他人にはわからない
哀しみを抱えていて
それを心の中に受け止めて
生き続けている。

あの時、ああしてあげればよかった。
といった後悔の念。

あの人の苦しみ
哀しみを分かってあげられたのか。
といった自責の念。

今も自分だけが生き続けている。
といった贖罪の念。

幸せだった思い出を語るのが
亡くなった人にとって一番うれしいこと。
その気持ち、よくわかる。

この本を一気に読み終えて、
私も、これまで表現できなかった
その時の。その気持ち。
少し整理できたような気がします。

君を想う。いまも。
そして。これからも。2013年1月19日 曲 健三
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