舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

エキストラ・フラの顛末

2006-09-28 02:14:40 | ダンス話&スタジオM
こないだはアドゴニーさんご登場にすっかり魂消てしまい、映画宣伝スペシャルステージの模様をお伝えするのをすっかり失念してしまいましたので、ハワイアンズネタ最後にその顛末をご紹介しましょう。

日曜日の夜ショーの開演10分前、「ただいまより『フラガールズ』によるミニステージを行います」みたいなアナウンスがありまして、タファファイに合わせて10人ちょっとのエキストラさんがあの衣装にウリウリを持って入場してきました。

おお、踊りながら出てくるとは偉い。難しいだろうけど、こういう入退場が丸見えの舞台ではやっぱりそうでなくっちゃ...と感心したのも束の間、登場2秒後に私は腹の底から叫びました。
き、君たち、力みすぎじゃァァァァ!!!!

そう、「フラガール」たちは凱旋公演に必要以上に鼻息を荒くしてしまったのか、それとも大きく踊ろうとするが故の悲劇か、ガッチガチに力んだ状態で舞台に駆け込んできたのです。
もちろんハワイの風にそよぐ椰子の如く優雅にスウェイ(揺れる)する腰なんて望むべくもありません。
フラの腰はあくまでも自然にステップのあとからついてくるものですからね。なのに力んでいては、腰の動きがギクシャクするだけでなく、上半身にも深刻な影響を及ぼしてしまいます。
そういえば映像資料を見た時「なんだかボリウッドみたく肩が動いてるなあ」と感じていたのですが、ガチガチに力が入っていたために動いていたんですね。

フラで上半身が動いてしまう人の場合、原因は大きく分けて二つ考えられます(両方起きているケースもあります)。
すなわち、このエキストラさんたちのように「力が入り過ぎている状態」と、逆に「身体の芯を消失した状態」です。
フラは、本当は頭上から身体の中心を通って大地に根ざしている一本の「芯」がある状態で踊るべきものなのですが、パッと見クネクネしているような印象を受けやすい踊りです。
本当は腰や手がユラユラ動いているからこそ芯をしっかり持たないといけないところですが、目に見えて動いている部分だけを真似しようとすると、芯が消失してしまうのですね。

力が入り過ぎているケースとは、力でもって腰を動かしたりウリウリを振ろうとしたりした結果、動かなくていい部分まで連動している状態です。
ものすごく重要なことですが、力の入った踊りと、大きな踊り・迫力ある踊りは違います。
むしろ、無駄な力を抜いた方がのびのびと動けて踊りに迫力が出ますヨ。たとえばカヒコなどで一見力強く踊っているように見えても、うまい人はその実ムダなところには力を入れていないのです。

芯のないフラはキモいし、力み過ぎのフラは踊ってても見てても疲れるので、どちらもお勧めできませんが、力み過ぎのフラにはさらに物理的害を引き起こす恐れがあることに注意せねばなりません。
例えば、無茶な力ずくの腰振りによって足腰を痛めるのもそのひとつです。また、力んで上半身がブレるあまり、しっかり付けたはずの髪飾りがボロボロ取れてきたケースもありました。そしてさらに.....

すこぉーーーーーん!!!!!

あわわ、忠告する前にやってしまいました。
最前列中央の人が、ウリウリを遠方まですっ飛ばしたのです....!!

踊ってる最中に道具を落とした経験のある方は多いと思います(というか私もそうです...ぐっすん)。
しかし普通に踊っていれば、そして舞台が急斜面とか突風が吹いたとかよほどの不運が重ならない限り、モノは足下に落ちるはずですから、パッとしゃがんで(せいぜいわずかな移動だけで)すぐ拾って立ち直れます。落とした本人が思ってるほど目立たないものです。
なのにこの人のウリウリは彼方まで飛んでった、すなわち、必要以上の力でもってウリウリをぶん回していたからにほかなりません。

そんなことを思いつつ先ほどハワイの人のウリウリのカヒコを見たら、案の定腕をぶん回したりは全くしてません。
しかしウリウリはしっかり大きく振られているし、ステップにあわせて腰もゆったりスウェイしてます。
それでも一本の芯が頭から地面までまっすぐ通っており、上半身がムダにぶれていないので、ウリウリや腰の動きが際立って見えるわけですね。

結論。人の振り見て我が振り直せ。
今回の場合、「やっぱりフラで力んじゃダメなんだなあ」ということを改めて痛感させられた私でございました。
あ、それでは「人のフラ見て我がフラ直せ」ってところですかね。
おあとがよろしいようで。(※よろしくないって)

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