さて。 前回は氷池に張った氷を四角く切って、氷室に入れるため、池から「よいしょっ!」と上げる所までをお伝えしました。 今回はその後の氷です。
池から二人掛かりで氷を持ち上げています。 その後氷は右の写真のようなレールへ流され、その先の氷室まで行きます。 このレールは木材と竹で作られていますが、傾斜が付けられ氷が滑る部分に細い竹が張られていて、とても上手く氷が流れてゆきます。 何気なく氷が流れてゆく様を見ていましたが、こうするのも一苦労だと思います。
あまり速度が速すぎると40キロの氷が流れてくるわけですから大変危険です。 途中で人が立ち、速度を調整しています。
右写真の奥に見えるのが氷室です。
氷室の前まで流れ着いた氷はここで氷室へ入れられます。 氷室へ掛けられたレール部分が上向きになっていますので「えいっ!」と押し上げなくてはなりません。 この若いお兄さんでも上げるのに苦労していました。
このレール、最初から上向きという訳ではありません。 最初に氷を切り出し入れる時には、氷は氷室の下の方から積むわけですから、このレールが掛けられている壁の部分の板がもっと下の方で止まっており、レールは下り方向に掛けられていました。 しかし今回は2回目の切り出しですから、氷室は既に半分くらいの高さまで氷が詰められているので、氷室の上の方へ氷を押し上げなくてはならないのです。
驚くことには、この写真で空いている入口の上の部分も開けられるようになっており、最終的にレールはその段に掛けられ、天井いっぱいになるまで氷が入れられるそうです。 押し上げるのが大変でしょうね。
氷室に入った氷は更に流され、きっちりと並べられてゆきます。 縦方向に本当にきっちりと入っているんですよ。 すごいです!
この氷室の天井いっぱいまで氷が積まれるのです。 先ほど氷は縦方向にきっちりと並べられると言いましたが、部屋の隅の氷は横方向に並んでいますね。 これは商品となる氷ではなく、氷を冷やしておくための氷なのです。 そして更にそのまわり、そして氷にはさらさらとしたものがついていますが、これは日光杉のおがくずです。 氷におがくずをかけることによって、おがくずが水分を吸い取り、氷が溶けるのを防ぐのだそうです。 確かテレビの取材で4代目徳次郎さんが、「おがくずとは呼べません。 おが、と呼びます。」とおっしゃっていました。
このような方法で氷は夏を越し、秋まで商品として保たれます。 電気を一切使わない、本物の天然氷です。
最後に、屋外の山の中で作られた天然氷は放射線の影響を受けていないのだろうか、と心配な方もいらっしゃるでしょう。 氷屋徳次郎では放射線量の検査を行っています。
その結果がこちらです。 → 『日光天然氷 氷屋徳次郎の放射能検査結果 』(ふぃふぁさんのブログより)
今年の夏も安心して天然氷のかき氷をいただきに参りますよー!!
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