仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

The third words of "I tried to realize these events in my words."

2015年08月31日 11時36分23秒 | Weblog
時折聞える車の金切声。

アパートの下は幹線道路に抜ける裏道の交差点になっていて先を急ぐ車が急ブレーキをかけるのが常だった。

軋む音。

二階にはバンドマンが住んでいて、週末になると、いや、週末とは限らないか、二人分の大きすぎる声と部屋の軋みが気になった。

サンダル。

革が二重貼りになった部分さえ、親指と中足のところから自動車のタイヤをリサイクルした靴底が見えていた。

ピー・ピー・ピー

検査結果からですね。

心神喪失状態ではないと判断します。

つまり、目的意識を持っていたと考えるのが適当かと。

ですから、虚言癖はすべての対象者に現れていますからそれを理由に喪失状態とは言えません。

妄想性パーソナリティ障害の考え方もありますが・・・。

確認が難しいと思われます。

この状態からですね、はっきり言って、我々はなにもできないのが現状です。

会期中でもあるわけですから。

彼自身の意志で、退任するよう説得するとして、誰を選ぶか・・・。

この先、この状態が継続しますと我々が多大な損害を被ることは疑いの余地がありません。

はい、そうですね。

説得という言葉は適切ではありませんでした。

行動に置き換えます。

誰が防衛的行動に出るかということです。

選択肢としては、現在待機中の被験者を当てることを提案致します。

同程度の意識障害と我々への忠誠が認められる人物を選出するというので、どうでしょう。

我々の抱えるほとんどの被験者が、目的意識を失っていますが・・・。

目的を与えることで彼らは、充実を得れるものと思われます。

誰でもいいって・・・。

そうはいかないでしょう。