イタリアのエミリアロマーニャ州の造り手イル・マイオーロの驚異的な棚ぼたワインです。
イル・マイオーロの当主フランチェスコさんは本職が弁護士の為、
ワインのセールスに費やせる時間がもともと少なかったのですが
ここ3~4年はお母様の介護でますます時間が取れなかった等の様々な事情が重なって
手塩にかけて造ったワインを積極的に販売をすることはなく、地元での販売に留まっていました。
ワイン自体も本来の美味しさを発揮するのに永年寝かせておかないといけないタイプのワインでしたので
そのため、生産量の多くをストックすることになり、10年以上も静かに眠っていたワイン達。
時を重ねて、より美味しさを増していきました。
しかし、あまりにストックが増えたため、次回のボトリングの費用を捻出せねばならなくなった
フランチェスコさんは、投げ売りに近い価格でフランスのインポーターに売ろうとしたらしいです。
フランチェスコさんが苦労しながら美味しいワインを造っているのを知っている、
彼の友人でワインの造り手アルベルト・アングイッソラさんがその状況を知り
自分自身が取引をしている信頼のおける日本の輸入元さんに、イル・マイオーロの上質なワインが
考えられない低価格でフランスに売られるのはどうしても避けたい。
もう少し高い金額でのオファーになるが何とか購入してくれないか?と相談。
以前からイル・マイオーロのワインの美味しさを知っていた日本のインポーターさんでしたが
今回のサンプルを試飲してオファーの金額に全く見合わない超上質の味わいだったため
すべての在庫を引き受けることとなり、2004年、2005年、2006年の物が日本に届きました。
今回、両者の仲を取り持ったアルベルト アングイッソラさんですが、
彼の造るワインも真価を発揮するのに相当に時間を要するタイプのワインでしたので
彼いわく「数年後に美味しくなるのは分かっているが、今時点で味わいの閉じているワインを
積極的に売る気にはなれなかった」というポリシーの人ですので一時苦境の時期があったそうです。
アルベルトさんの場合は、味がはっきりしたこってり系の食事を好む地元の食の好みに着目して
2007年と2008年はこってり系の食事によく合う微発泡のワインを造る事にやむをえず方向転換、
秋に収穫したブドウを翌春には瓶詰め、自然な瓶内2次発酵で微発泡になるワインの為
6月~7月くらいから販売できるので、コストの回収も早くできるというメリットもありました。
そしたらこのワインが、ワイナリーから最も近いトラットリア(食堂です)で大ブレイク!
生産量のほとんどを一軒のトラットリアが消費してしまいました。
この2年間を乗り切ったことで余裕が出てきて、本来の自分がやりたかったワイン造りに戻したそうです。
そのような経験をしてきたアルベルトさんでしたので、
同じようなタイプのワインを造るフランチェスコさんをどうしても助けたかったそうです!
イル マイオーロ 2004年 ¥4900-
2006年 ¥4900-