⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

企業年金の積み立て前倒し 解禁 確定給付型で厚労省検討 運用環境の悪化に備え

2015年07月02日 | 政治
企業年金の積み立て前倒し 解禁
確定給付型で厚労省検討 運用環境の悪化に備え
2015/7/2 3:30 日経朝刊(トップ)

 厚生労働省は企業が確定給付年金を維持しやすいよう規制を緩める検討に入った。企業が翌年以降の掛け金を前もって積むことを解禁し、最大5割多く出せるようにする方針だ。今は決められた単年度の所要額しか拠出できない。景気の悪化時に積み立て不足が起きやすく、穴埋め負担の重さから確定給付年金をやめる企業が増えている。規制緩和で公的年金を補う私的年金を下支えする。

 厚労省が今夏の税制改正で要望する。早ければ2016年度にも実施する方針だ。確定給付企業年金は、企業が従業員のため任意で用意する私的年金の一つ。企業が年2~5%程度の利回りで掛け金を運用すると約束し、年金を支給する。運用がうまくいかず積み立てが不足すると、企業が穴埋めしなければならない。制度を設けるのは大企業が多く、800万人弱が加入する。
 企業は年金給付に必要な額を計算し、それに見合う掛け金を毎年積み立てている。年100億円必要なら、掛け金も年100億円になる。例えば運用不振などで掛け金の積み立てが20億円不足すると、企業は一定の年数をかけて穴埋めする。追加負担が重く、賃金や設備投資の抑制など企業活動に影響が出ていた。
 厚労省の検討案では、将来の運用悪化に備え、景気が良い年に企業が必要額以上の掛け金を積むことを認める。例えば、必要な積立金が年100億円の場合、120億円を拠出できる仕組み。翌年に運用環境が悪化しても、積み立て不足が起きるリスクは小さくなる。
 今は企業年金の運用益が膨らんだ結果、積立金が年金支給に必要な額を5割上回るのは容認している。この5割を上限に企業が前倒しで積める掛け金額を調整する。
 企業が拠出する確定給付年金の掛け金は損金扱いで非課税となる。無制限に掛け金の前倒しで積み立てを認めると、企業が法人課税を逃れる狙いで剰余金を企業年金の積み立てに回す可能性もある。税逃れを招かないよう歯止めをかける。
 今は財務負担が重くなるリスクを避けるため、確定給付年金をやめる企業が増えている。加入者が運用の責任を負う確定拠出年金に移行するケースが増え、導入企業は2万社を超えた。