⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

米国で金融における新しい流れが加速

2015年07月16日 | 経済
新・金融立国アメリカ(2)新興勢「いいね」に信用
頭脳と資金で次代の覇権
2015/7/16 3:30 日経朝刊


 「21世紀の銀行」をめざす社員80人あまりの会社が、金融の常識に挑戦し始めた。



 決済大手ペイパルの共同創業者で技術者のマックス・レブチン氏(40)が2012年にシリコンバレーで立ち上げたアファーム。1回500ドル(約6万円)程度の融資を手がける。「若者は金融に不満を感じている」というのが創業の理由だ。
 「フェイスブックで『友人』は多いか」「リンクトインで『推薦』を集めているか」。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用状況など独自の基準で借り手を多角的に審査し、10~30%の利息で貸す。例えば、SNSに「友人」がたくさんいたり、細かい融資規定を画面できちんと読んだりしていれば信用力は高いとみる。
 融資の額や条件は、主に借り手の職業や収入でじっくり判断するのが金融の常識。アファームはそれ以外の様々な情報も集め、借り手を見極める。伝統的な金融が冷遇する外国人や一時的に無職の人、破産経験者らも「優良顧客」とみなす。将来性を買われて約340億円の成長資金を手にし、自動車や住宅のローンへの進出ももくろむ。
 「若者の証券会社」。スタンフォード大で数学や物理学を学んだ若者が中心となったロビンフッド。創業の理由は「満足できる金融サービスがない」。先物取引や信用取引の利息・手数料で稼ぎ、利用者が多い株の売買は手数料ゼロ。口座管理も無料だ。先端技術でシステム投資・維持費をぎりぎりに抑えた。
 3月のサービス開始前には70万人以上が待機リストに登録した。顧客の平均年齢は26歳で9割超が40歳以下。大半は証券取引に縁がなかった。
 「シリコンバレーがすごいことになっている。ベンチャーが頭脳と資金を集め、伝統的な銀行に取って代わるつもりだ」。ウォール街の重鎮、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO、59)は4月、新興金融の勢いを認めた。
 大手投資銀行のゴールドマン・サックスも15年の調査に「既存の金融が持つ60兆円規模の利益が脅かされている」と明記した。米六大金融グループが1年間に稼ぐ純利益の7倍近い金額だ。
 人工知能による運用助言、ビッグデータを駆使した金融不正の発見、個人間融資のネット仲介、スマートフォン(スマホ)を使った資金決済……。
 シリコンバレーから次々と現れる新興金融は、頭脳と資金力で急成長を遂げつつある。アップルがスマホ決済の「黒子」として頼るストライプは、創業5年で企業価値が6000億円を超えた。
 いまや「西のウォール街」の様相を見せるシリコンバレー。アイデアや資金の出し手として街を引っ張るのは「ペイパルマフィア」と呼ばれるエリートたちだ。1998年にペイパルを設立し、世界規模のネット決済業に成長させた3人の創業者を軸にした一大勢力をさす。電気自動車のテスラモーターズを経営するイーロン・マスク氏(44)はその1人。
 「金融がネットの世界に流れるのは自然。『お金』はデジタルになじみやすい概念だからね」。同マフィアの中心で著名投資家のピーター・ティール氏(47)は2月、金融と技術の融合が加速すると予言した。西のウォール街は次世代の金融覇権を握ろうとしている。

医出づる国 揺らぐ信頼(5)最先端なら治るのか 進歩する技術、安全が死角に

2015年07月16日 | 医薬
医出づる国 揺らぐ信頼(5)最先端なら治るのか
進歩する技術、安全が死角に
2015/7/16 3:30 日経朝刊

 「(医師は)未確立な治療の危険性をわかりやすく説明していない」



 5月半ば、東京地裁は兵庫県の女性(71)が都内のクリニックを相手取って起こした訴訟で、損害賠償請求の一部を認める判決を言い渡した。
 原因不明の手足のしびれに長年苦しんでいた女性が受けた治療は、新たな技術として期待が高まる「再生医療」の一種。3年前、様々な細胞の元になる幹細胞を第三者の脂肪から取り出して培養、それを点滴で投与された。費用は100万円超。ところが、その後、症状は悪化してしまった。
効果ばかり強調
 治療前、女性は車いすを使っていた男性が歩けるようになったビデオを見せられた。特別な危険はないとも聞いた。
 iPS細胞の登場でがぜん注目を集める再生医療だが、「これからつくりあげていく技術」(厚生労働省研究開発振興課)でもある。にもかかわらず、健康保険が利かない自由診療として患者に実施するクリニックなどが珍しくない。女性の代理人を務めた田口明弁護士は「どんな治療にもリスクがあるのに、光が当たる面ばかり強調する医療機関がある」と指摘する。
 国は再生医療振興に旗を振る一方、患者を守るために昨秋、再生医療等安全性確保法を施行。再生医療を実施するには、専門家による審査と国への届け出が必要とした。ただ、国には自由診療を把握する手立てがなく、法がどこまで有効かは不透明だ。
 大きな病院で受ける新たな治療法や、国の制度にのっとる先進技術なら安心かというと、必ずしもそうとは言い切れない。
 金沢大学病院で2010年3月、骨肉腫を治療していた当時16歳の少女が急性心不全のため死亡した。国の先進医療制度で認められた「カフェイン併用化学療法」の実施中だった。
 カフェインを併せて投与することで抗がん剤の効果が高まるという同療法も安全性・有効性を調べる臨床試験の段階。正確な試験結果を得るためには一定条件を満たした患者にしか実施できないはずだったが、これが守られていない中で事故が起きた。

看板と中身ズレ

 厚生労働省は昨秋、同療法を先進医療制度から外した。安全性や有効性はわからないままだ。
 少女の死亡を知り、13年に厚労省に告発した金沢大の小川和宏准教授は「『先進』と看板を掲げた治療法だったが、病院や医師がまったく逆の古い体質だった」と批判する。
 未承認の技術などを伴う臨床試験・研究は「すべて国に届け出る仕組みにすべきだ」(日本医科大の勝俣範之教授)との声もある。病院任せは危険との考えだ。
 既存の治療法で効果が出ない患者が先端技術にかける思いは強い。だからこそ、「医師は既存の医療行為よりも丁寧に説明する義務がある」(田口弁護士)。患者も納得したうえで合意することが欠かせない。医師と患者の信頼関係なくしては医療の発展もあり得ないはずだ。

三菱商事・日本郵船、シェルと海底油田開発 2社で700億円投資

2015年07月16日 | 資源・エネルギー
三菱商事・日本郵船、シェルと海底油田開発
2社で700億円投資
2015/7/16 3:30 日経朝刊

 三菱商事と日本郵船は、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが米国のメキシコ湾で進めている海底油田の開発に参画する。2社で約700億円を投資し、海上の生産設備の運営に加わる。2社は初めてシェルと組み、従来より油田開発の地域やパートナーを広げることで投資リスクを分散する。
 海に浮かぶ大型の石油設備の建設・運営に参画する。「FPSO」と呼ばれ、深海の海底にある油田から原油を掘り出して、タンカーに積み出す役割を担う。
 2社はシェルから設備利用料を安定的に年間数十億円受け取る見通しだ。原油の販売価格の変動リスクはシェルが負う仕組みで、資源関連ビジネスのなかでも安定した収益を見込める。
 石油設備はシェルグループが権益を持つメキシコ湾の「ストーンズ油田」の採掘に使う。FPSO大手のオランダSBMオフショアが55%の持ち分を保有し、三菱商事と郵船の2社が合計で45%を取得する。2社は設備資金など合計で約700億円を投資する。
 これまで海底油田の開発はブラジル沖が多く、原油安の影響で新規案件のペースが落ちていた。