1938(昭和13)年6月発刊の「福岡市郷土写真帖(福岡市教育会発行・非売品)」美本をようやく入手しました。ネットで検索すると国立国会図書館(関西、デジタル化済)と九州大学附属図書館には蔵書があるようですが、福岡市の各施設には無いのでしょうか(福岡市博物館「福岡近代絵巻」展示図録等にも記載や使用写真なし)。非売品で形状から発行部数は100部以下、関係者配布物のため戦災を逃れたものは少ないと思われます。
黒田公爵筆の題字にはじまり、戦前の福岡市の様子がわかる初観写真も多数。1枚目は平尾文化村・大濠文化村。
以下の4枚目は昭和13年当時の福岡市域図、周辺町村の合併時期明記。この頃、東区の大半や博多区南部(現在のJR博多駅の南)は福岡市ではありません。ちなみに、博多駅の「筑紫口」の名称は旧筑紫郡側だった事に由来(名称は公募)。博多駅が現在地へ移転したのが昭和38年、博多駅南から竹下や東那珂などの合併は昭和30年(旧那珂町の合併時記録写真集も所有)。
5枚目は初めてみた「福岡市公設市場(因幡町、現天神コア付近)」。
6枚目は「博多駅築港線道路(現在の大博通り)や赤坂大通(現在の大正通り)、飛石橋(唐津街道、藤崎ー室見間)」。
7枚目は九州鉄道、福博電車、博多湾鉄道。
8枚目は博多築港の諸施設。掲載写真には第一期築港工事の終了後という事もあって、博多港や博多湾の港湾施設の写真多し。戦後の昭和44年発行「博多港の歩み」他掲載の写真は写真が粗く使い物にならないので、これも貴重です。
9枚目は招魂祭(博多松囃子、博多どんたく)。これも昭和13年が戦前の最後なので写真群は貴重。招魂祭の写真は別途で生写真群を収集しているので、照合もやりやすくなります。
10枚目は筥崎宮放生会…。
その他、教育会発行なので学校などの当時の教育機関の多くが写真掲載されています。また、戦災前の豊国神社ほか初見写真多し。写真は計90ページ・種別ごとに300点強掲載されてます。