先日、福岡市役所前の大通り「天神通線」を昭和通りまで延伸する計画がニュースになりました。この通りが最初に造られたのは、今から110年前の1910(明治43)年に天神一帯で開催され、天神発展の起点となった「第13回九州沖縄八県連合共進会」の時です。当初は会場正門への取付道路。共進会場の建設中、通りが完成した頃の絵葉書も所有していますが、道幅をみると今とほぼ同じであることが判ります。
当時の地図を観察すると、共進会に合わせて開業した福博電気軌道の路面電車に「共進会前」仮電停も交差点に設置されたようです。
2枚目の写真はそれから20年ほどのち、1930(昭和5)年頃の空撮絵葉書です。画像中央に市役所前の通りが見え、途中で突き当たっているのが判ります。この道が国体道路まで延伸したのも平成になってからです。また、画像右手前には、戦後の「国体道路」整備で姿を消した幻の「薬院川」も見えます。
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3枚目の写真は、現在の明治通り「市役所入口」交差点。現在アクロス福岡がある場所は福岡県庁でした。ひとつ気になっている事があります。この通りが昭和通りまで拡幅延伸されると、交差点の歩道上にある「初代福岡市役所」記念碑はどうなるのかということ。開発で記念碑が撤去や移転にあうことは多々ありますが、できれば西側の歩道上に移設して遺してほしいです。
天神は明治通り沿いのビル建替を中心にした天神ビッグバンにより、「100年に一度の大転換期」だと言われますが、「天神通線」は誕生から110年を経て新たな役割ができたという事で、いわば天神発展史における第4の象徴道路ですね。
第1が明治通り(明治42年開通)、第2が渡辺通り(明治44年開通)、第3が国体道路(昭和23年開通)…。詳細は、私が執筆を担当しているにしてつWEBミュージアムの「天神明治通りの景観変遷」を参照ください。
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