以前は大変な作業だった国土地理院発行の地形図を張り合わせて目的エリアの基地図を作る作業ですが、Googleマップのおかげで距離計測など簡単な検証ならすぐ自力で調べられて便利です。
思い立って、以前から気になっている「北部九州(筑紫)の古代測量」、騙されたと思いつつ確認してみました。「志賀海神社」(以下いずれも本殿)を起点にして、博多湾沿岸の「香椎宮」と「住吉神社」はたしかにほぼ同じ距離(約13.01キロ)となり、誤差わずか10m以内で二等辺三角形になります。※リンクはGoogleマップの各神社位置へ
これ、古巣のゼンリンが以前発行していた地図マガジン「ラパン」(1997年9月号)の「国土地理院の地図を使って歴史の謎を捜査せよ!(第8回)~北九州の古代測量(多田克己著)」で紹介されているもので、連載では全国各地の古社の配置を「三角測量」の視点から同様に調べ紹介しています。
実際に測ってみると、これが偶然ではなく必然な「結界」だと考えたり、ブラタモリ視点MAXでワクワクに(笑)。志賀海神社と住吉神社(筑前国一ノ宮)は平安初期に集成された「延喜式」神名帳に掲載された宮社2861所中で最も社格の高い「名神大社」だそうです。神功皇后伝説など北部九州に集中する神話の世界で関係の深い三社の関係性にも興味津々。
考古学の世界ではあり得ないことでしょうが、地図と測量(および方位学・風水)の視点からみるとけっこう興味深い内容かもしれません。偶然ではなくそれぞれ計画的に、意識的に配置されている気がして来ます。
さらに「竈門神社上宮」を起点に「宮地嶽神社」と「志賀海神社」もほぼ同じ距離(約27.75キロ)。
志賀海神社と竈門神社上宮を結ぶ直線上には「筥崎宮」があります。
さらに、英彦山神宮を起点に宗像大社辺津宮を結ぶと、延長戦線上に中津宮(大島)が来てさらにびっくり。当然、その延長線上に沖ノ島があったりします。
これはあくまで地図上で結んだだけですが、九州各地の関係深い古社や国分寺跡の多くが二等辺三角形で繋がるというのは、地図好きにとってはたまりません。古代史の謎が結界で封印されているのかも(笑)。
これを書いた多田克己さん、たぶん作家・グラフィックデザイナー・妖怪研究家で知られる多田さんだと思うのですが…学会等では発表したり著書化はしてないみたいですね。機会があればお話を伺ってみたいと思ってます。
最近は地図といえばネットで検索するだけですが、久しぶりに2万5千分の1や5万分の1地形図の最新版を買って遊んでみようという気がしてきました(笑)。