東日本大震災から5年、当時お手伝いしていた仕事のひとつが新潮社「日本鉄道旅行歴史地図帳」。九州新幹線の全線開通に合わせて前年春からシリーズ発刊され、最終12号(九州沖縄編)の発行直前のことでした。
このシリーズは過去に存在した軌道鉄道(ケーブルカー等含む)が掲載されていますが、北部九州の鉄軌網の細かさをみるだけで福岡県が日本の近代化で果たした役割の大きさと当時の活気がわかりますね。
路線の変遷や乗降客数データ、幻の列車(或る列車)写真、駅弁やお土産の変遷まで掲載され、改めて読んでも面白し。
前シリーズ(鉄道旅行地図帳シリーズ)後半から、表紙の鳥瞰図や本文の資料探し等でお手伝いさせていただき、各巻末にも掲載いただいてます。
これまで学研や朝日新聞出版、JTBパブリッシングなど多くの鉄道歴史モノに企画協力や執筆をさせていただきましたが、コレが一番楽しい仕事だった気がします。
表紙用の鳥瞰図選びは編集長がわが家へ来られて対応、その夜は「鉄道」繋がり(時刻表推理「点と線」)という事で、作家・松本清張ゆかりの「千里十里亭」にご案内し名物スープ炊き鍋をつつきました。このお店、以前は歓楽街・東中洲にあって作家・五木寛之や檀一雄、夢野久作、火野葦平らが作品に登場させて度々来店した老舗です(平成6年に現在地へ移転)。
松本清張は博多で修行時代によく立ち寄ったとか(本当はすぐ近くにあったカフェ・ブラジレイロに入りたかったが、敷居が高く千里十里食堂での食事が最高の贅沢だったと記しています。当時のブラジレイロは数多くの地元作家やマスコミ関係者が集う名店)。
「日本鉄道旅行歴史地図帳」はカバンに入れて持ち歩くことが前提の、コンパクトで薄い書籍体裁、今も書店で手にいると思いますので、ご興味ある方はぜひ本を手に鉄道旅をしてみてください。