10月31日、巷はハロウィン仮装で盛り上がっているらしい。日本にハロウィンがいつ頃、何きっかけで齎されたのかは調べてないが、博多には仮装してお祭り騒ぎをする風習は「どんたく」として明治後期には根付いていたようで、100年前の絵葉書にもたくさん仮装写真がある。
その時代の流行を取り入れた仮装写真の絵葉書もたくさんあって、時系列で並べると博多の世相流行もなんとなく伝わってくる。それにしても、博多どんたくと博多松囃子の区別がないものが大半で、郷土史を齧っている者としては少々複雑な気持ちもあったり(笑)。
仮装の定番といえば、意外に多いのが女装した男性(笑)。これは絵葉書ではなく写真館で撮影された記念写真だけど、相当に気合が入っている。まさに「芸どころ博多」を語る記録かもしれない。
100年以上前のどんたくの絵葉書で楽しいのは、この時代も性別大人子供関係なく無礼講で皆が楽しんでいたのが伝わってくること。この気質はハロウィンにも引き継がれている気がする。
1枚目の絵葉書に少し写っているが、どんたくが博多に根付いた頃にもうひとつ進化したのが「博多にわか(博多仁和加)」。にわか面とぼてかづら(鬘)を身につけ、博多弁の会話の最後に面白いオチをつけて話をまとめるユーモア即興笑劇だが、寸劇的な短編の「ひと口仁和加」に対して、芝居形式で演じられる長編は「段物仁和加」と呼ばれ、これは大坂仁和加から発展した「新喜劇」に近い内容。明治後期から人気の仁和加劇団による絵葉書はたくさん発行されていて、少しずつ資料を収集し整理を始めている。機会があれば、こちらもブログや書籍化で紹介したいと思っている。
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