記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

100年前、鉄道50年の際に「鉄道旅行案内」が刊行されて旅行ブームが起こる

2022年10月14日 22時25分14秒 | 吉田初三郎

今から150年前の1872年10月14日、東京・新橋〜横浜間で日本初の鉄道が開業した記念日ということで、100年前の「鉄道50年」を迎える際に鉄道省から刊行されて「鉄道旅行ブーム」のきっかけとなった「鉄道旅行案内」の1921年版と1924年版(改訂版)を少しだけご紹介。

表紙や本文挿絵・路線鳥瞰図は、私がライフワークで研究を続けている鳥瞰図絵師・吉田初三郎が担当しています。

当時の鉄道省線を網羅していますが、路線図を鳥瞰図にしたことで地図に馴染みが薄い人々にもイメージが湧きやすくなったのでしょうね。当時はまだカラーの写真印刷技術も未完成で、沿線風景や名所旧蹟がわかりやすくカラーで描かれたこの旅行案内はあっという間にベストセラーとなったそうです。

鳥瞰図だけでなく、随所に挿入された初三郎が描いた絵物語も、旅への誘いに役立ったのかもしれません。

この鉄道旅行案内は携帯に便利なサイズでした。本に加えて旅情を掻き立てる「旅のお供」になったのが、全国各地で続々と誕生した「駅弁」でした。昨年、東筑軒さんが100周年を迎えたように、鉄道50周年の頃に誕生した駅弁も多かったようです。

吉田初三郎は、鉄道省「鉄道旅行案内」以外にも多くの私鉄の沿線鳥瞰図を描いています。今回の鉄道150年の記念日には間に合いませんでしたが、膨大な初三郎作品群の中から、鉄道沿線図に絞って紹介する本やサイトの制作を少しずつ進めています。

 

にしてつWebミュージアム(企画構成を担当)

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