これまで百年以上にわたって破壊と建築を繰り返してきた博多の町だが、
ここに来てようやく旧来の木造建築や時代を重ねた古い家屋、歴史を感じ
ることのできる古い町並みに対する考え方に変化が見える。博多の古刹・
承天禅寺に隣接してマンション計画が持ち上がるなど、旧博多部にも再開
発の波が否応なしに訪れる。
今回は承天禅寺に隣接するマンション計画に対し、地元住民が明確に反
対を打ち出した。過去に2度、同寺は博多の発展のために、まさに身を削
って広大だった敷地を明け渡した歴史がある。1度目は明治22年、九州初
の鉄道が博多~久留米間に敷設される際である。敷地を削られて博多駅は
完成した。
2度目は現在の地に博多駅が新築移転した昭和38年。すぐ横にあった駅
が600mも南東に離れたことから、地域の衰退を懸念した地元の要望で
寺を二分する道路が中央を横切ることとなった。古刹の敷地を横切って道
路を通すなど、京都や鎌倉であれば考えられないことかもしれないが、当
時の博多には都市発展を優先する空気が満ちていたのだろう。
地元にとって承天禅寺は、博多祗園山笠の発祥地であり聖地である。ま
た博多織発祥やうどん・そば製法の伝来地であり、ようやくその存在を改
めて見直す機会が訪れたように思う。かの新派演劇の祖・川上音二郎の墓
もまた承天禅寺にある。私の家では毎年、山笠のクライマックス「追い山」
は同寺の正門前で観るなど、個人的にも印象深い地である。
西日本新聞では今週、承天禅寺を巡る景観問題・まちづくり問題がクロ
ーズアップされ連載が続く。先年新設された「博多まちなか支局」が博多
のために頑張ってくれているのが嬉しい。さすが福岡で40%以上の部数
を誇る地元紙である。旧来は16年前に廃刊となった同紙から分離独立し
ていたフクニチ新聞が担当していた分野。
夕刊フクニチは「サザエさん」が最初に連載された新聞。それを意識し
てか、7月1日からはサザエさんに匹敵する平成の人気者「ちびまる子ち
ゃん」が、西日本新聞紙上に四コマ漫画として連載されるという。さすが
創刊130周年!この勢いで??昭和初期、同紙の前身・福岡日日新聞に
4回も長期連載を行って九州観光の発展のための論説を繰り広げた吉田初
三郎のことを改めて取り上げてもらえたらと期待している。
17日、冷泉公園のワークショップ(第2回)が開催され、山笠期間中
にも関わらず30数名の熱心な地元の方々が参加。行政との意見交換、各
町ごとのアイデア出しが活発に行われた。
駐輪場の設置問題から端を発したワークショップだが、公園の問題はす
でに30年も前から自治会等で様々な問題を陳情してきたもの。徘徊し住
み着いたホームレスの問題も含め、今後の町の発展にとって都心の一等地
にある広大な公園の問題の影響は大きいのだ。
今日の写真は昭和初期、博多祗園山笠の追い山の光景。
場所は旧博多駅前(承天禅寺前)か?
ここに来てようやく旧来の木造建築や時代を重ねた古い家屋、歴史を感じ
ることのできる古い町並みに対する考え方に変化が見える。博多の古刹・
承天禅寺に隣接してマンション計画が持ち上がるなど、旧博多部にも再開
発の波が否応なしに訪れる。
今回は承天禅寺に隣接するマンション計画に対し、地元住民が明確に反
対を打ち出した。過去に2度、同寺は博多の発展のために、まさに身を削
って広大だった敷地を明け渡した歴史がある。1度目は明治22年、九州初
の鉄道が博多~久留米間に敷設される際である。敷地を削られて博多駅は
完成した。
2度目は現在の地に博多駅が新築移転した昭和38年。すぐ横にあった駅
が600mも南東に離れたことから、地域の衰退を懸念した地元の要望で
寺を二分する道路が中央を横切ることとなった。古刹の敷地を横切って道
路を通すなど、京都や鎌倉であれば考えられないことかもしれないが、当
時の博多には都市発展を優先する空気が満ちていたのだろう。
地元にとって承天禅寺は、博多祗園山笠の発祥地であり聖地である。ま
た博多織発祥やうどん・そば製法の伝来地であり、ようやくその存在を改
めて見直す機会が訪れたように思う。かの新派演劇の祖・川上音二郎の墓
もまた承天禅寺にある。私の家では毎年、山笠のクライマックス「追い山」
は同寺の正門前で観るなど、個人的にも印象深い地である。
西日本新聞では今週、承天禅寺を巡る景観問題・まちづくり問題がクロ
ーズアップされ連載が続く。先年新設された「博多まちなか支局」が博多
のために頑張ってくれているのが嬉しい。さすが福岡で40%以上の部数
を誇る地元紙である。旧来は16年前に廃刊となった同紙から分離独立し
ていたフクニチ新聞が担当していた分野。
夕刊フクニチは「サザエさん」が最初に連載された新聞。それを意識し
てか、7月1日からはサザエさんに匹敵する平成の人気者「ちびまる子ち
ゃん」が、西日本新聞紙上に四コマ漫画として連載されるという。さすが
創刊130周年!この勢いで??昭和初期、同紙の前身・福岡日日新聞に
4回も長期連載を行って九州観光の発展のための論説を繰り広げた吉田初
三郎のことを改めて取り上げてもらえたらと期待している。
17日、冷泉公園のワークショップ(第2回)が開催され、山笠期間中
にも関わらず30数名の熱心な地元の方々が参加。行政との意見交換、各
町ごとのアイデア出しが活発に行われた。
駐輪場の設置問題から端を発したワークショップだが、公園の問題はす
でに30年も前から自治会等で様々な問題を陳情してきたもの。徘徊し住
み着いたホームレスの問題も含め、今後の町の発展にとって都心の一等地
にある広大な公園の問題の影響は大きいのだ。
今日の写真は昭和初期、博多祗園山笠の追い山の光景。
場所は旧博多駅前(承天禅寺前)か?