記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

直方で前田虹映の長男・稀氏、郷土史家・鴻江氏と会う。

2007年05月06日 18時44分23秒 | 吉田初三郎
 今日も一日雨である。昨日は午後から二日市温泉に行った。天拝山
の中腹にある天然温泉「天拝の郷」のパノラマ風呂を目当てに行った
のだが、雨天にも関わらずとにかく人が多かった。ここから太宰府や
筑紫野を見下ろす眺めは最高である。

 今日は直方へ行った。小牧市から田川の友人宅へ遊びに来ている、
前田稀さんと落ち合うためである。稀さんは、鳥瞰図絵師・前田虹映
のご長男。初三郎の妻と虹映の妻は姉妹なので、大正の広重こと吉田
初三郎は伯父にあたる。稀さんの希望で、直方郷土史会の鴻江会長を
誘って市立図書館で落ち合った。私の住む博多からは県道を一直線で
45分ほどで到着する。

 ここには郷土資料室に初三郎「直方市鳥瞰図(昭和8年)」絹本原
画がある。図書館長の能間さんを紹介され、好意で会議室を使わせて
もらい、持参した戦後の「直方市鳥瞰図(昭和35年)」直筆トレース
図などの資料を広げ観てもらった。

 今日の画像はその印刷版の部分である。これは初三郎没後の作品で
あるが、晩年から二代目を継いでいた吉田朝太郎の作品である。印刷
物はカラー版とモノクロ線画版の2種が図書館所蔵で、絹本原画は初
三郎の観光社を継いだ阿瀬家に残っている。

 戦前の作品をベースに昭和30年代の直方市の町並みが克明に記録
されているが、最大の特長は「筑豊電鉄」の直方までの開通である。
筑豊電鉄は西日本鉄道の子会社として、北九州市八幡西区(当時は八
幡市)黒崎から分岐して中間を経て直方へ至る区間を第一期として昭
和34年に開通させた。この図にはその筑鉄直方駅と路線が記されて
いる。開通記念に作成された1作と言って良いだろう。

 筑豊電鉄はその後、当初計画の「直方-飯塚、飯塚-福岡」間の工事
に着工できず、未成線となっている。私は妻の実家が沿線の八幡西区
永犬丸駅そばにあるので、筑豊電鉄は今も良く利用する。廃止された
北九州市内線(路面電車)の車両が今も走る、鉄道ファンにはお馴染
みの郊外電車として生き残っている。

 JR九州はここ数年の間に博多駅をはじめ折尾駅、そして直方駅な
ど老朽化の進む駅の再開発を進めている。直方駅の駅舎正面の木製柱
や門構えは、聞くところによると初代・博多駅(明治42年建て替え)
の駅舎の木材等を移築して建てたものである。旧吉塚駅もそうであっ
た。地元では保存嘆願運動も行われているようだが、保存の受け入れ
先の目処が立たず苦戦しているようだ。

 初三郎の図を観ると、直方駅にある機関庫などもちゃんと描かれて
いる。現在は第三セクターとなった平成筑豊鉄道の直方駅も併設する。
鴻江氏は新日鐵八幡の出身、持参した初三郎「八幡市」鳥瞰図も熱心
に観ておられた。阿瀬家に残る「直方市」原画の1/2複製プリント
を以前、鴻江氏に譲ったが大切にしていただいているようだ。

 前田稀氏とは今年1月以来の再開である。4日は英彦山修験道館に
ある初三郎「英彦霊山鳥瞰図」絹本原画を観に行ったそうだ。GW前
には同じく原画のある北九州市立いのちのたび博物館や下関市立長府
博物館を訪ね、原画を見せてもらったそうだ。両館とも学芸員さんは
私と同世代で、初三郎に興味を持ってくれているため、対応が良かっ
たと稀さんも喜ばれた。

 さらに聞くと、昨日5日は久留米市文化財収蔵館と武雄温泉春慶屋
さんも訪ねられたとのこと。私が伝えた情報で初三郎原画巡りをされ
ているのだが、その行動力にはいつも驚かされるばかり(笑)。打合
せて9日に稀さんと一緒に、熊本の人吉温泉や芦北町を訪れることに
した。また、計画している前田虹映サイトの充実などの打合せもした。

 打合せは図書館から移動し、大通り沿いにある欧風料理「グラバー
邸」で昼食をとりながらした。ここは以前はよくドライブの際に立ち
寄っていた懐かしいレストラン。約15年ぶりに行ったが、昔と変わ
らず和風スパゲティは美味しかった。

 GW最後の今日は夜まで雨模様。帰宅した後は仕事を一つづつ片付
け、夜はスカパーで「ALWAYS三丁目の夕日」の放送を愉しむ。
DVDは持っていても、放送は別(笑)とは家族共通の意見!それに
堀北真希のインタビューがあるので続編の話など愉しみである。

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