島原のまちを歩く。

　島原に泊まった翌８日朝、雨があがったのをみて島原のまち散策をして帰福す
ることにした。雲仙の山々には厚い雲が掛かっていたが、散策には支障のない薄
曇りの天気である。どこに行っても早朝の町を歩くのが一番の愉しみだ。

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島原よかとこ案内人・ここがよかばい！

　宿泊した小湧園（島原観光ホテル）は以前にも一度泊まったことがある。前日
宿泊先を決めていなかった私に、宮崎さんが手配してくれた。島原外港のそばの
ため、まずは近くの駐車場に車を止めて島原鉄道の現在の終点である外港駅界隈
をカメラ片手に歩く。さらに南島原駅舎へ向かって界隈を散策しているうちに、
９時前になったのを確認して武家屋敷方面へ車を移動した。

　映画のロケも行われた武家屋敷を見学して時間を調整し、９時３０分になって
開館した榊原資料館へこの日の一番で入館した。道の駅があるガマダスドームの
方で「まぼろしの邪馬台国」公開に合わせた宮崎康平・和子夫妻のパネル展があ
っているのは知っていたが、和子さん手作りの立体地図の現物が展示してあるこ
の資料館を観ない訳にはいかない。

　島鉄のコーナーの横に、めざす宮崎康平コーナーがあって立体地図も展示され
ていた。映画に登場する立体地図との違いも面白い（実際に現物をみると判りま
す）。市役所近くの駐車場に車を止め直し、さらに島原城下の町並みを歩く。数
年前に来た時とは随分町がすっきりとした印象。以前島原駅前の通りにあった古
書店をはじめ、古い町家もかなり減ったようだ。

　町並みのいたる処にある路側灯は宮崎春而さんがデザインしたものだそうだ。
落ち着いたデザインで誘導看板を兼ね、さらにゆかりの人物紹介や詩もそれぞれ
に添えられている。かなり大変な作業だったとご本人に伺った。通りのいたる処
に湧き水があり、水路が通る町並みは歩いていて本当に気持ちが良い。

　古い町家に入り２Ｆのギャラリーで保存建築や町家をチェック。宮崎酒店では
地酒を購入した。ご主人は博多に知り合いが多いそうで、さらに町にも詳しい。
他の多くの酒造と同じく、この酒造でも酒造りを最近辞めたそうだ。高齢化して
後継者不足の蔵の宿命である。

　同じ通りにある書店の名前が気になって入る。「吉四六（きっちょむ）書店」
というからには大分のご出身かと尋ねると、全く関係ないそうで数人の仲間で始
めた際のメンバーの名から取ったとのこと。島原を中心にした新旧郷土書と古書
も混在した味のあるラインナップ。郷土史の宮崎康平追悼号を発見し購入した。
ご主人は前日夜のＦＭを聴かれていたそうで話しも弾んだ。

　古い理髪店を再活用したレトロな喫茶で休憩し、折り返してアーケード街へ向
かう。途中、やはり空き家となった家屋が多いことが気になった。どこの町も昔
の中心地の衰退・過疎化は避けられない問題である。さらにアーケード街を歩い
ても土曜日ながらシャッターの閉まったままの店も多い。往時の賑わいを写真集
などで観ているから尚更そう感じてしまった。

　アーケード街の外れにある映画ロケも行われた「銀座食堂」で名物「具雑煮」
をいただく。外観からして昭和レトロ、中に入っても映画の印象通りレトロ満載
だった。正午を過ぎ、湧水館前の通りを市役所方面へ散策して島原を後にした。
帰りはどのルートを通るか悩んだ末、やはり雲仙温泉を経て小浜経由で諫早へ到
る国道５７号線を選択。最高の紅葉も楽しんで、久しぶりの島原半島を満喫した。

一番街・銀座食堂

　島原土産は購入した定番「湯煎餅」に地酒、手作りゆず胡椒等々。もちろん絵
はがきセットも５種購入。島鉄さんでいただいた焼酎、さらに宮崎康平氏が生前
設計した諫早の酒造が映画公開を記念して限定発売している地酒「康平の蔵」も
宮崎さんからいただいた。題字は和子さんが書かれたそうだ。

今日の写真は、映画ロケも行われた銀座食堂。


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