8月23日(日)の絵葉書研究会で入手した「ダイエー原店オープン」B全版チラシです。
昭和51年10月の開店時のものですが、今朝新聞に折り込まれたかのような完璧な保存状態(笑)。中内功さんの挨拶も載ってます。
ふつう最も捨てられる類の紙モノ資料の代表だけに、保管していた会員Iさんに感謝!
次回は西新岩田屋などの開店チラシも持参してくれるそうで、過去数十年の新聞(チラシ込み)が自宅にそのままあるらしいです…。
広告チラシはすぐに捨てられるものですが、内容をよくみると時代やブームが反映されていて一級の資料です。「こんなものをよくもまぁ」と思われる方が大半だと思いますが、私自身がこの手の広告チラシも含めたグラフィックデザインが仕事でしたので興味がある訳です。テレ東・大江アナのお父さんが経営する築上印刷時代、マルショク・サンリブ、かじや(現・ハローディ)、ナショナルショップの広告などを主に担当していました。
デジタル化以前のパソコン導入が始まる直前で、キャドがようやく入った時代。デザインはトレーシングペーパーに製図のようにロットリングやカラスグチを使って割付を描き、写植用の文字フォントの指示や罫線・ベタ塗りなどの指示も行います。タイトル文字などもレタリングで描き、イラスト等も自分で描いていました。
さらにデザインが暇な時は個人的に別の部署(写真や版下、製版など)も手伝いに行き、そこで得た知識からライフワーク研究している吉田初三郎の工房と製作手法を理解することができました。つまり、戦前から昭和の終わりまで印刷の工程はほとんど変化しておらず、デザインや印刷の知識のない先輩研究者の方々が気づかなかった重要な点にすぐ気付くことができ、拙著「美しき九州~「大正広重」吉田初三郎の世界」や企画展で発表することに繋がりました。経験こそ最大の知識です。