marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(377回目)一流大企業の没落と苦難(古いユダヤタルムードの寓話から) 

2017-07-03 19:37:19 | 日記
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<<木が創られたとき、木々は非常に幸福な生活を営んでいた。次に金属が創られることになった。そこで木は、鉄によって自分たちが切られてしまうことを恐れて震えおののきはじめた。そこで神が木々に尋ねた。
「お前たちはなぜそんな憂鬱な顔をしているのか」
「神さまがおつくりになったあの鉄で人間は道具をつくり、われわれ木はのこぎりで挽かれ、切り裂かれ、我々の世界はもはや終わってしまうでしょう」
 そこで神は言われた。
「もしもあなたたちが調和の中で生きている限り、あなたたちがお互いのことを考える限り、そのような心配は決してない。あなたたちの誰もが利己的な行動をしなければ、金属はそれ自体であなたたちを破壊に導くことはない。しかし、あなたがたの誰かが利己的になり敵と協力するようなことになれば、まったく話は違うのである」
 ある日、一人の男が鉄で斧を作ったが、木の柄を斧につけなければ使えないということを知った。斧は樫の木の所へ行って尋ねた。「あなたの枝のたった一本でいいから私にくれませんか。そうすれば私のこの斧に立派な柄をつけて、よく働くのことができるのです。もしたった一本の枝を私にくれることになれば、あなたは斧の柄として第一番目の先祖という名声を担うことにもなるし、そのほか様々の良きことがあなたの上に輝くでしょう」
 と金属は樫の木にいったのである。
 そこで樫の木は自分自身の利己的な理由から、この斧のいうことを受けることにした。その樫の木の枝を一本もらってつけた斧は、森の木を切り倒し始めた。自分の仲間である木をたおすのに斧につけられた樫の木は、仲間を裏切ってしまったのである。すべての森の木が倒されたとき、一本だけ残った樫の木のところに斧はやってきた。そのとき樫の木は叫んだ。
「これは私自身の枝ではないか。お前はわたしを傷つけることはできない」
しかし、そのときはすでに遅かったのである。その大きな樫の木もまた切り倒されることになったのである。>>  
 このタルムードの寓話のように、たった一人の人間が、利己的な行動によって仲間を裏切るとき、全体の破滅にまで導くのである。だから、われわれが利己的な理由だけで仲間と協力せず、他の人の利害も考えて見なければ、結局自分もまた破滅してしまうことになるのである。     (前述の本:p139より)
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◆僕は仕事で、国内大手企業やアジアの諸国(といっても日本海、フィリピン含むシナ海、沿岸だけですが)の国へ行かせていただき多くの体験をさせていただいた。ちょうど、海外での調達や生産などの端境期で企業も思案していた時期である。一通りの山を越えると先方でのみの独自の生産を検討し始める。当然、もろもろ安くできるから・・・。ノウハウも積んで、仕様を手に入れると怖いものなし・・・。それは、誰かがどこかで結局、危険予知の先を読む力がなかったか、コストの面で背に腹は代えられぬだったのか、運営管理の詰めが非常に甘かったということになるのだ。話はとぶが東日本の原発事故といい、最近の作業員の放射能被曝事故といい、僕は原発否定論者であるが、あれは人災である。・・・ Ω