聖書は霊的次元をもとに解釈すると不可解な記事も理解の助けになるやもしれない、ということを書いてみた。学問というのは、過去のことにおいても知識において文字として残り、検証できなければ権威あるものとして受け入れられない。では、検証もできない体験としてあるものは仕方がないとしても、実はおかしいところはおかしいのではないかという素直な聖書の学者さんはあまりいない。田川健三という神学者くらいか、でも初めての方は彼の本の前書きやあとがきなど読むとひっくりかえるからおすすめはしない。それはともかく、僕が思うところの霊的次元をもって聖書を読むことは、大いに助けになり、イエスが地上で実際に取り巻いている”風”のように例えた霊について思いを馳せて読むと何とはなく理解したようになってくるのだ。・・・◆柄谷行人という評論家が旧聖書のヨブを読んでこれは納得できないと書いていたのを思い出す。無論、彼はおかしくないかと思ったと書いているだけで、これで納得したとは終わっていないかった。ヨブ記の専門家が学者である並木浩一先生も”ヨブ記注解”という21年の今年出しているが、今まで書いて来たような霊的次元からどうのこうのとまでは踏み込んでいない。これは信仰深い地上における東の国一番の富豪であったヨブが、天上での神とサタンの会話の駆け引きに試され、それに三人の友との問答が長々と続く物語である。中身を今までの社会通念での善悪の常識から読み進めると、何が何やらわからないと面食らう物語である。とても知られた格言も最初の章には書かれている。高い次元に上って俯瞰しないと最終よく理解できないが、僕なりのまとめてしては、天上における神の善悪の判断は、この地上での我々の次元で神の善し悪しの判断しては勝手にしてはならないこと、という結論になるだろうか。◆で、その不可解なところがどこかと言えば、ヨブの子供たち7人の息子と3人の娘たち、そして多くの家畜(羊、ラクダ、牛、雌ロバ)を持っていたが、神との駆け引きに試されサタンによってすべて事故死させられてしまうのである。・・・そして、最終結びにおいて主はその後のヨブを以前にもまして祝福されたとあり、家畜はそれぞれ数値まで書かれて、きちんと2倍に増やされているが、息子、娘は同じ数なのである。先の子供たちは、既に亡くなったのだから祝福されて子供ができたといってもこれが喜びとなるのだろうか、ということが柄谷が疑問に思たことなのである。しかも新しく生まれた娘たちは名前まできちんと書かれているのである。「主はその後のヨブを以前にもまして祝福された。ヨブは羊1万4千匹、ラクダ6千頭、牛1千匹、雌ロベ1千頭を持つことになった。彼はまた7人の息子と3人の娘をもうけ、長女をエミマ、次女をケッィヤ、三女をケレン・プクと名付けた。ヨブの娘たちのように美しい娘は国中どこにもいなかった。彼女らもその兄弟と共に父の財産の分け前を受けた。ヨブはその後140年生き、子、孫、4代の先まで見ることができた。ヨブは長寿を保ち、老いて死んだ。」今までの苦渋に満ちた会話から結びに至って、美しい娘さんが詳しく書かれたいるのに心がほっとするのである。・・・◆柄谷の持った不可解さは皆さんも思われただろうか、僕も思ったのだから。そこで、人の霊の次元について思いを馳せながらこのことを考えて見られたらどうであろうか。ニコデモにイエスが語った記事に戻りつつ、僕なりの結論に至ったヒントを提示してみたい。読者も考えてみて欲しい。・・・「肉から生まれた者は肉である。霊から生まれたものは霊である。」(ヨハネ伝3章6節)
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