毎年始めに陸上自衛隊習志野演習場で行われている降下訓練始めを見てきました。
出初式の自衛隊版って感じでしょうかね。
第一空挺団の降下初めの後に戦闘訓練の展示があり見どころ盛りだくさんな1時間半なのですが……真冬の降下訓練始めと真夏の総火演、どちらが過酷なんでしょうか?
遮蔽物の無い枯れ野っ原なので冷たい風でえらいツライらしいんですよ。
その寒さに臆して近場でありながらいままで行ったことがありませんでしたが、今年はデジタル一眼カメラを手に入れたことだし行ってみようと決心したのでした。
ただでさえ渋滞がちな周辺道路、今日は特にこのイベントで渋滞間違いなしなので自転車で向かいました。
こんなときにはビアンキKUMAは頼れる相棒です。
カメラに防寒装備満載のリュックを背負って渋滞車の間を抜け歩道スロープの段差もなんのそのでガシガシ進んで行けます。
自宅幕張から40分くらいで着きました。
自転車だと裏門から入れるし駐車場よりもずっと見物台に近いところに駐輪場があるので大変便利。
航空機を見るだけならどこでもいいのですが陸上での展開を見たければ8時30分の開門と同時に入って前の方を確保しないとダメらしいです。
ぼくは寒さにヘタレて9時半着。
前列ではないもののなんとか平地が見渡せるそこそこのロケーションを確保できました。
開始は11時。
CH47チヌークから部隊長の降下で始まります。
とにかくだだっ広い枯れ野原なので低空をばんばん飛んできて大迫力。
来賓の小野寺防衛大臣が降りてきました。
4機のC1やC130から次々と第1空挺団のみなさんが降りてきて降下始めは終了します。
ここからは戦闘訓練の展示です。
設定は島嶼奪還。
これが敵勢力です。
中○軍の09式装輪戦闘車でしょうか?
陸自の96式装輪装甲車じゃん!なんて言わないように。
いや…さすがに中○軍とは言っていないんですけれどもね…
でも、ご時世的に誰もが中○軍だと心の中では思っているに違いありませんよね。
この演習場がひとつの島で回りは全部海。
不法に占拠した武装部隊を制圧するというシナリオ。
観客が分かりやすいように赤や黄色の派手な煙を使っています。
設定上だけで実際の飛来はないのですが、まず戦闘機による制空権確保から始まりました。
上空にはF15が舞って(…と心の目で見ましょう)上空制圧。
全く見えない光学迷彩を纏った超ステルスなF2の低空進入爆撃で派手な爆発音が響きます。
決してあらかじめ仕掛けておいた火薬を爆発…ではないですよ! バ・ク・ゲ・キ!ですからね。
空自の超精密爆撃のおかげで我々観客も巻き添えになることなく、たこ焼きなんぞを食べながらのほほ~んと見ていられます。
そして強力なエアカバーをもとにして海上自衛隊のP3C対潜哨戒機による警戒監視。
大サービスで大きくバンクをとって翼上面を見せてくれています。
LR2ハヤブサが島の状況をつぶさに観測報告。
沖合に展開する護衛艦隊からは、その情報による正確な艦砲射撃が着弾します。
こりゃたまらんスタコラと戦線を下げいく敵勢力。
その隙に特殊部隊が1000m以上の高高度降下を実施。
操縦性が高くスピードが速いパラシュートで急襲。
海面降下も考えウエットスーツ装備ですね。
誘導装置なども持ち込み橋頭保が築かれます。
ここで近くで見ていた5歳くらいの男の子が「かっこいいーっ」と歓声。
うんうん、そうだね。
ヘリや戦車ではなく隊員を見てかっこいいと子どもに思わせることができたというこの事だけでも訓練展示の意味があるのでしょう。
そして本隊が続々降下。
武器弾薬他物資が投下されます。
いそいで回収~
敵に奪われると今夜のご飯も無くなっちゃうぞー
ここで酒のつまみにも最適との評判のたくあんの戦闘糧食缶詰を奪いに(ウソです)敵勢力が再び迫ってきました。
背後に見える物は八千代市高津の住宅でありません。
島の周りに点在する岩礁です……念のため。
敵もここが正念場?とガンガン発砲して圧してきます。
どうなる!?
と、ここで…
スカウトヘリ川崎OH1ニンジャとOH6による強硬偵察
OH1のフィネストロン(機体内蔵のテールローター)特有のギョヘーッという怪音が響きます。
このギョヘーッ音に敵もあわてふためくことでしょう。
だって、こいつが飛んでいるということは次にやって来るのが…
キターっ!!! AH64D アパッチ・ロングボウが突入してきました。
アパッチと共に2機のコブラと3機で上空から支援を行います。
この爆音も陸兵にとってはなんとも心強い音に感じられ、敵兵にとっては恐怖の何者でもないのでしょうね。
くるくると舞い蜂のひと刺しのような攻撃を執拗に何度も浴びせます。
力強い上空支援を基にチヌークからバイク偵察部隊が降りてきました。
続々とあの手この手で陸兵が集結してきます。
ここまでくると車輛も次々と上陸。
いいですか? これらは演習場前の296号線を走ってここまできたわけでなく、沖合の輸送艦おおすみ、くにさき、しもきたからLCACに乗せられて上陸してきた部隊ですよ!
で!ここで戦車の登場となります。
高まるエンジン音。
来たよ来たよっ74式~っ!!
と思ったらなんてサプライズ!!! 世界最強との呼び声も高い最新鋭10式戦車が今年は初参加です!!
ウギャーっ!!
「プロデューサーさん、ヒトマルですよ!ヒ・ト・マ・ル!」(興奮のあまりちょっと錯乱状態)
突然思いもよらない出会いに涙が出そう。
もちろん2輌の74式も続きます。
緑色のムック……ではなく、軽装甲車などを連ねて敵勢力を追いたてます。
なんだこの絵ヅラは?
ムック兄弟が親ムックを追いかけているみたいでなんかかわいい。
攻撃ヘリが地上部隊の進攻を援護。
敵(近所のあの大国…としか思えない)戦力の無力化を見事はたし、島(尖閣諸島と脳内では誰もが思っている)の奪還を成功させました。
パチパチパチ
これで全ての訓練展示が終了しました。
小野寺防衛大臣のありがたい(校長の朝礼のように長い)お言葉を頂いているあいだヘリ部隊はじっとホバリング待機…すげーっ!!
このあと演習場が開放されるので各車輛が展示場所に向かいます。
葉っぱの擬装を外した美しい10式。
10式プラモを組み立てた時[この日の記事です]に使ったタミヤの陸上自衛隊迷彩専用色の第一印象は”なんか薄くね?”だったのですが、陽の下でこうして使いこんで汚れた姿を見るとあの色は正しかったんだと思えます。
74式も鋳造砲塔の曲面が美しいよね。
10式は驚きの小ささ!
ヒトマルをじっくり舐めまわしてきましたよ。
あの200個以上あるフックも実物は存在感あるなぁ…
今度は少し大きめに真鍮線で自作してもう一度プラモを組みたいなぁ。
迷彩の境目はあんまりボケていなんですね。
これなら1/35にするとボカさないでマスキングテープでスプレー拭きのほうがよかったかもしれませんね。
この03式中距離地対空誘導弾発射装置積載車はかなり好みのルックスです。
なんか大河原先生デザインって感じもして、ソルティックH8を運んでも違和感なさそう。
西住みほちゃんたちがあんこう踊りをやらされた舞台をのせた車輛の派生型がこいつですね。
ミリ波レーダーやイメージホーミングなどハイテク満載な対戦車ミサイルはけっこうな防衛機密って隊員の方が説明していました。
観客に紛れているどこかの国のスパイのような人は写真の撮り方も違うからなんとなくわかるともおっしゃっていました。
っていうかなんでそんなものをこんなにも近くで見せてくれるんだ!? ……だいたいそれをなんで展示?
ま、見ただけじゃなにもわからないってことなんでしょうね。
10式や74式戦車が抉った履帯痕を踏みしめます。
こんな泥すら愛おしい…
航空祭ほど人が多くないのでヘリにもここまで接近できちゃいます。
触れちゃうほど近いのでアパッチ・ロングボウの機首センサーが裏返しにされていますね。
メカニカル剥き出しにそそられます。
こんなやつも…
PAC3のキャラ、「パックさん」ですって。
弾道ミサイル防衛は君にまかせた!!
でも、なんか顔が昭和っぽいんだよなぁ…
「戦車を洗車」していましたよ。
愛車ビアンキKUMAと自衛隊車輛。
駐車場から会場までのシャトル便として前の高機動車と後ろのバスが運行されていたのですが、当然高機動車を待つ列のほうが長かったです。
せっかくだから乗ってみたいよね。
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