この夏休み期間に幕張メッセで開催されている「宇宙博2014」に行ってきました。
実を言うとこういった宇宙がテーマな催し物にはあまり期待をしていないので2500円もの高額な入場料を払ってまで行くことを少しばかり躊躇ってはいたんですけれどね。
と、いうのも宇宙開発って基本的に本体は一方通行の行ったきりで戻ってくるのはデータのみというのがほとんどじゃないですか。
大型往還機のスペースシャトルが退役し、とても小さなソユーズ帰還船でしかモノを持って帰ることができなくなってからは特にその傾向にあります。
なので展示されている物の大部分が良くいえばレプリカ、悪く言えばハリボテということになります。
でも、妻が職場で招待券を貰ってきたので、一家そろって行くことになりました。
入口ゲートはケネディ宇宙センターの39A発射台を模しています。
でもそんな小ネタには誰も全く気付かずにどんどん行ってしまうのが悲しい……
ゲートをくぐったここはロケットに搭乗するブリッジを再現しているみたいですね。
それなら外にサターンロケット先端近くからの絶景とその巨大なロケットの映像を流したほうがテンションも上がると思うのですが。
上にぶら下がっている「スプートニク1号」(のレプリカ)
このあたりの展示は最悪でした。
宇宙開発の歴史とそれにまつわる米ソの対立と競争を知って欲しいのはわかるのですが、その企画意図がほぼ強制といわんばかりに通路が細くその順路通りにしか進めません。
きっちりと展示物を見、説明パネルも全部読む人。
パネルに示された月往還時の8の字軌道の計算式を解こうとする理系諸君。
そんなチマチマした物なんかいいからでっかい展示を早く見たいんだーっ!!の男子。
どの映像も説明もすでに幼いころから摺りこまれて今さらここで見なくていい宇宙オタクな層。
小さな子、お年寄り、お目めキラキラな少年少女と付添いのママ。
そのすべての人が同じペース、全部の展示をしゃぶりつくしたい人の流れに阻害されて牛歩のごとくです。
平日に来てもそうなのですから週末なんてどうなっちゃうんだろう?
このわずか20mくらいですっかり疲れ果てました。
ちょっとその企画を押しつけすぎてはいませんかね?
この後入場許可を発行するための試験でもあるの?
「ジュピター」ロケットのノーズコーン。
大気圏を脱出し、大気が無くなると先端のフェアリングは不要となるのですぐさまポイされるのですが、その時点ではまだ地球を回れる速度は出ていないのであっという間に地球に落ちてきて回収されます。
なのでこれは本物です。
大気圏を再突入してきて黒コゲになった姿はさすがに息を飲む迫力があります。
フェアリング内なんてがらんどうだと思っていたのですが結構メカニズムが詰まっているものなんですね。
位置を知らせる発信機とかなのかな?
このあと「サターンV」ロケットの縮小モデル等が続きますが、こんな大きなプラモデル程度の物を展示するよりも輪切りの1段だけでもいいから実物大をアメリカから借りてきてその圧倒的な太さ~人間3人を月に送り込むにはここまでにも巨大な物が必要なんだとアピールしたほうがよっぽど良いと思うのですがね。
「アポロ17号」帰還時のパラシュートは本物だけどぶら下がっている司令船はレプリカ。
子どもがこのパラシュートを見ると、なぜパラシュートなのにこんなにもたくさんの穴が開いているのかと質問をしてくるので、パパはそこを予習してから行き、ちゃんと答えてあげれると少し尊敬されるかもしれませんね。
ソ連の無人月面探査車「ルノホート2号」はこんなにもカワイイ顔をしていたんですね。
1号も顔っぽかったけどこの2号のほうがずっとカワイイ。
スペースシャトルアトランティスのモックアップは表面もツルツルで耐熱タイルを張り合わせた溝とかも再現されていない物です。
コックピットはハリボテにもかかわらず立ち入り禁止でガラスのこちらから見るだけ。
小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデル。
でもこれはハリボテなどではなく製造時に作られた熱構造試験や各実験のために作られた本物といえる物です。
当然制作時にも設計仕様変更が加わっているので宇宙を旅したはやぶさとは形がけっこう違っているのですがかえってそこがリアル。
いつもはJAXA相模原キャンパスにいて誰でも見ることが(しかも無料!)できますよ。
宇宙博開催期間の間だけここ幕張に来ているので今は相模原には居ないっていうことですね。
SF物ではよく見る設定だけど実際にはJAXAが唯一成功させた宇宙ヨット「IKAROS」の帆。
さすがに大きい。
NASA火星探査車の「キュリオシティ」。
今企画の目玉のひとつみたい……なんだけど当然これもレプリカ。
他にもISS日本実験モジュールきぼうとかISS縮小モデルとか…………
もうハリボテはいいよぉ~
こと日本の宇宙開発物なら筑波宇宙センターや相模原キャンパスに行けばここと同じような展示はいつでも無料で見ることができます。
もちろんそこにある物だってレプリカが多いのですが、宇宙開発や研究の最前線で見るそれは全然意味合いが違いますし、両施設共にオープンデーがあって研究室や格納庫まで見せてもらえ、そこで研究している方々に質問をすればとても嬉しそうに説明してもくれます。
宇宙博つまらない!…とまでは言いませんが、正直ハリボテだらけのここに2500円を払う価値は全く無いと感じる催しでした。
隣で開催されているトミカ博のほうが楽しいんじゃね?
一方不満ばかりの残る展示なのですが、グッズは創意工夫が溢れていて注目すべき物が多く楽しかったですね。
日本が世界に誇る最新鋭固体ロケットの「イプシロン」を模したぬいぐるみ。
こんなにデカイものを買ってもらっちゃいました。
2000円は結構お値打ち価格なのでは?
娘が抱き枕にして寝ていますがなかなか気持ちいいそうです。
丁度仮面ライダーフォーゼのロケットモジュールのようです。
このデザインでおなじみのマルマンのスケッチブックも宇宙博仕様に。
この絶妙なコラボ感が素敵。
世界一有名な宇宙機であるスペースシャトルと並び描かれても全く見劣りすることのない成果を残した「はやぶさ」に日本人としてとても誇らしい気分にさえなれる商品です。
そして最も感心したのが「こうのとり」デザインのドリンク缶。
その樽型の機体形状と金色のサーマルブランケットに先端僅かな白色部分、そして両側のフタ状の物は銀色とその見た目から愛称公募の際にも「のどごし」という名前が結構集まったとも言われている「こうのとり」はそのままドリンク缶のデザインにぴったり。
しかもその内容はスポーツドリンクなので、「こうのとり」の任務であるISSへの補給をイメージさせる物と何から何まで素晴らしい物となっていました。
あとはネーミングのみのコラボ感が微妙で笑いを誘う「ハイ宇宙」とアルミやチタンを職人さんが削りだしたというH-IIAロケットのストラップ。
海洋堂のフィギュアガチャガチャはイプシロンロケットが出ました。
結果、
展示は30点。
グッズは90点というところだったでしょうか。
とにかく歩き疲れたです。
何も無い空間がけっこうある割には休憩用椅子が極端に少ないの。
まぁ、それでもこの企画を通して少しは宇宙開発に興味をもってもらえれば予算も取りやすくなるのかもね。
”2番じゃダメなんです! 1番じゃなきゃ”
あまりに言いたいことが溢れてきて、こんなにも読むのが面倒くさいブログを最後まで読んでくれた方がいれば申し訳ない気持ちでもあります。
そうそう、
幕張メッセ最寄りのイオンモール幕張新都心店でもこの宇宙博とリンクした企画を行っており、その中のガンダムカフェでは「ジャブロー侵攻~シーフードカレー~」が販売中……ってなぜジャブロー?
どうして宇宙博企画なのにソロモンやア・バオア・クーではなくジャブローなんだ?
「アマゾンの大自然展」とかじゃないんだよ?
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