「軽く死ねますね」
このセリフを使う機会を伺っているのですがなかなかそれに適した状況にめぐりあいません。
現在放送中のアニメ「宇宙よりも遠い場所」はとうとう元砕氷艦AGB5003「しらせ」現砕氷船「ペンギン饅頭号」が豪フリーマントル港を出港し南極の地へと進路を取りました。
船乗りではない主人公たちに襲いかかる南氷洋到達前の試練である暴風圏を突破するというのが今回のお話でした。
「ペンギン饅頭」号というなんとも気が抜けた船名ですが、砕氷艦しらせと昭和基地が民間へと払い下げられ、プロジェクト予算獲得手段のひとつとして船名のネーミングライツ売却の結果という設定になっています。
砕氷艦と昭和基地が民間に払い下げ?
またあの政党(現実にはもう名前が変わったけど)が政権をとり科学分野において悪夢ともいえた仕分けが断行されたのか?とお話の上とはいえ怒りがふつふつと湧いてきそうになりましたがそんなことはなく新砕氷艦と新基地の運用が始まったのでお古の管理を民間に移譲したということでした。
ああよかった。
もうあんなことは2度と許しちゃいかんよ。
……という話をしたいわけではなくその物語の中とはいえ予算不足に喘いでいるこの南極チャレンジプロジェクトが実に切ない。
第7話で「民間故にカットしたものがある」とのセリフで描写されていたペンギン饅頭号の搭載ヘリ格納庫シーン。
うっかり流して見てしまいそうなわずか2秒たらずのカットですがこの絵が実にこのプロジェクトの難しさを表しているのですよ。
元々砕氷艦しらせにはアグスタウェストランドCH101が2機にユーロコプターAS355が1機と合計3機のヘリが搭載されています。
でも画面上で見る限りCH101の1機だけしか載せていないように見えますね。
海外の極地観測船にはヘリが1機だけ、あるいはヘリパッドは装備するものの固有の搭載機は持っていない船が多く日本のしらせは稀有な存在といえます。
なぜそんな中しらせは大型ヘリを含め3機も運用しているのかというと有名なタロとジロ他15頭の樺太犬を置き去りにせざるおえなかった事件があったからだそうです。
それを教訓とし、以降できる限り高性能なヘリを複数運用することが日本の南極観測のこだわりでした。
2代目砕氷艦AGB5001「ふじ」ではその船体規模では不釣り合いとさえ思えるほどの広大なヘリパッドと格納庫を有し、それは同じ海上自衛隊でも未だヘリを3機も搭載する艦は無く5年後に就役の護衛艦DDH141「はるな」の登場を待たねばならないそんな時代にすでにヘリ空母とも言える姿の船が南極観測の任務についていたんです。
そこまで重視していたヘリの運用形態を諦めることになった無念さ、その根底にあるはずの日本に帰ることができなかった13頭の樺太犬たちへの申し訳無さを考えるとアニメの話とはいえとても切なくなってしまうんです。
まぁそれでも1機とはいえ大型のCH101を運用しているだけでも頑張っているかな。
中型のAS365ドーファンあたりのリースにチェンジしてしまいそうだものね。
……ってここまで語りながらただあのカットでは写っていなかっただけで南極についたらフツーにヘリが複数飛んでいたりして……
次回はおそらく氷海を割って進むラミング(チャージング)航行が描写される回なはずです。
3歩進んで2歩下がるラミング中、よちよち歩くペンギンの群れに追い越されるなんて絵になるエピソードじゃないですか?
氷に閉じ込められ動けなくなった三代目新しらせを旧しらせであるペンギン饅頭号が氷を割り航路を切り開いて救出するお話でもあれば胸熱なのですが船乗りの物語ではないのでさすがにそんなことにはならないでしょうけれど、このペンギン饅頭号がこの船名がふさわしくない程の勇ましい活躍を見せてくれれば軽く死ねますね(あ、使えた)
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このセリフを使う機会を伺っているのですがなかなかそれに適した状況にめぐりあいません。
現在放送中のアニメ「宇宙よりも遠い場所」はとうとう元砕氷艦AGB5003「しらせ」現砕氷船「ペンギン饅頭号」が豪フリーマントル港を出港し南極の地へと進路を取りました。
船乗りではない主人公たちに襲いかかる南氷洋到達前の試練である暴風圏を突破するというのが今回のお話でした。
「ペンギン饅頭」号というなんとも気が抜けた船名ですが、砕氷艦しらせと昭和基地が民間へと払い下げられ、プロジェクト予算獲得手段のひとつとして船名のネーミングライツ売却の結果という設定になっています。
砕氷艦と昭和基地が民間に払い下げ?
またあの政党(現実にはもう名前が変わったけど)が政権をとり科学分野において悪夢ともいえた仕分けが断行されたのか?とお話の上とはいえ怒りがふつふつと湧いてきそうになりましたがそんなことはなく新砕氷艦と新基地の運用が始まったのでお古の管理を民間に移譲したということでした。
ああよかった。
もうあんなことは2度と許しちゃいかんよ。
……という話をしたいわけではなくその物語の中とはいえ予算不足に喘いでいるこの南極チャレンジプロジェクトが実に切ない。
第7話で「民間故にカットしたものがある」とのセリフで描写されていたペンギン饅頭号の搭載ヘリ格納庫シーン。
うっかり流して見てしまいそうなわずか2秒たらずのカットですがこの絵が実にこのプロジェクトの難しさを表しているのですよ。
元々砕氷艦しらせにはアグスタウェストランドCH101が2機にユーロコプターAS355が1機と合計3機のヘリが搭載されています。
でも画面上で見る限りCH101の1機だけしか載せていないように見えますね。
海外の極地観測船にはヘリが1機だけ、あるいはヘリパッドは装備するものの固有の搭載機は持っていない船が多く日本のしらせは稀有な存在といえます。
なぜそんな中しらせは大型ヘリを含め3機も運用しているのかというと有名なタロとジロ他15頭の樺太犬を置き去りにせざるおえなかった事件があったからだそうです。
それを教訓とし、以降できる限り高性能なヘリを複数運用することが日本の南極観測のこだわりでした。
2代目砕氷艦AGB5001「ふじ」ではその船体規模では不釣り合いとさえ思えるほどの広大なヘリパッドと格納庫を有し、それは同じ海上自衛隊でも未だヘリを3機も搭載する艦は無く5年後に就役の護衛艦DDH141「はるな」の登場を待たねばならないそんな時代にすでにヘリ空母とも言える姿の船が南極観測の任務についていたんです。
そこまで重視していたヘリの運用形態を諦めることになった無念さ、その根底にあるはずの日本に帰ることができなかった13頭の樺太犬たちへの申し訳無さを考えるとアニメの話とはいえとても切なくなってしまうんです。
まぁそれでも1機とはいえ大型のCH101を運用しているだけでも頑張っているかな。
中型のAS365ドーファンあたりのリースにチェンジしてしまいそうだものね。
……ってここまで語りながらただあのカットでは写っていなかっただけで南極についたらフツーにヘリが複数飛んでいたりして……
次回はおそらく氷海を割って進むラミング(チャージング)航行が描写される回なはずです。
3歩進んで2歩下がるラミング中、よちよち歩くペンギンの群れに追い越されるなんて絵になるエピソードじゃないですか?
氷に閉じ込められ動けなくなった三代目新しらせを旧しらせであるペンギン饅頭号が氷を割り航路を切り開いて救出するお話でもあれば胸熱なのですが船乗りの物語ではないのでさすがにそんなことにはならないでしょうけれど、このペンギン饅頭号がこの船名がふさわしくない程の勇ましい活躍を見せてくれれば軽く死ねますね(あ、使えた)
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