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旅々オートバイ

2013年01月01日 | オートバイ


沢木耕太郎のノンフィクション「深夜特急」を初めて読んだのは、大学に入る前のことだったと思います。受験で泊まっていたビジネスホテルの近く、池袋西口の本屋で見つけたそれは、単行本になる前のハードカバー版でした。

バスを乗り継いで香港からロンドンまで行く旅の話。今では文庫本になって、もっと多くの人に読まれているに違いありません。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
 
新潮社



当時、思いっきり親の脛をかじっていた自分は、まだ大学受験中で、東京の大学を受けに来てました。ずっと勉強に集中できなかった自分が、やっと自分に向き合って成績が伸びたその年の終盤に出会ったその本には強く興味を引かれたけれども、さすがに試験が控えている中で読むのはマズイだろうと、その時は我慢しました。

数日後、関西圏の大学の結果が分かりました。試験から戻った時にホテルのフロントの方から、「ご自宅からお電話ありましたよ。折り返しお電話くださいとの事です。」と言われて、ドキドキしながら聞いた試験の結果は合格でした。恥ずかしながら、実は人生で一番嬉しかった日だったんじゃないかと思います。

人よりだいぶ遅れていた自分にとって、大学に受かる事は人生のスタートが切れる事と同じだったからです。

「深夜特急」は長い間、僕の心の中心にありました。


大学4年の秋に、バイクで放浪しました。国内ですが。その初日に泊まったキャンプ場は鳥取の海岸でした。管理人のおじさんは話し好きで、受付で30分も引き止められましたが、キャンプ場はシーズンオフで、夜中じゅう、僕一人きりでした。

夜中にオバケが出ました。夜の2時ごろテントの周りを誰かが歩くんですよ。もう寝袋に潜り込んでビビりまくってました。そしていつの間にか寝てしまったんですが…。

朝起きてテントの外に出たら足跡がありました。猫の。餌を探してテントの周りをぐるぐる歩いていたようです。子猫ですかね、小さな可愛い足跡がのこっていました。(笑)

それから日本海側を北上して、北海道までたどり着きました。履いてたジーンズは、すっかり薄汚れてしまいました。

キャンプ場以外にも神社やコンビニの駐車場でも寝ました。暖を取るためランタンだけ点けて、バイクとフェンスの隙間で横になって眠ったりもしました。

あれから、何年も経ちました。



久し振りに旅に出たくなる本を見つけました。「旅々オートバイ」素樹文生 著。

著者が1年、オートバイで日本全国を旅した話です。残念ながら現在は廃刊になってるそうです。

もう今は、こういう旅は出来ないように思います。正確に言うと、若い時にその年齢でしが感じ取れないことが、確かにあるということでしょうか。

でも逆にそれは、いくつであってもその歳でしか感じることが出来ない事があると。そういうことだと思います。だから今を大切に。

もし旅に行くなら、一人で行くのが良いかな。誰かと行くのも楽しいですけどね。

旅々オートバイ (新潮文庫)
 
新潮社


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