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ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

衣川4号ダム(苗代沢ダム)

2016-05-09 11:00:00 | 岩手県
2016年5月3日 衣川4号ダム(苗代沢ダム)
 
衣川4号ダムは岩手県奥州市衣川区国見の北上川水系三沢川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
岩手県奥州市衣川区は胆沢川によって形成された扇状地の南縁にあたり、栗駒山の火山堆積物で形成された透水性が高い地質で、豪雨になると河川流量が急増し流域農耕地に多大な被害をもたらしてきました。
そこで農林省(現農水省)の補助を受けた岩手県の防災ダム事業により衣川水系の主要河川に5基の農地防災ダムが建設されました。
5基のダム群を総称して『衣川防災5ダム』と呼んでおり、1995年(平成10年)に5ダム最後のダムとして完成したのが衣川4号ダムでダム下流の地名を採って苗代沢ダムともよばれています。
管理は奥州市が受託しています。
 
下流から
洪水吐と取水口からの導水路が堤体下で合流しています。
 
堤体下流面。
 
上流面。
 
管理事務所
取水設備も兼ねています。
 
防災専用ダムのため水位は低くなっています。
 
天端は立入禁止。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
洪水吐。
 
他の衣川防災ダムと同様堤体は立ち入り禁止ですが、下流から見れるなど見学スポットは多くなっています。
 
追記
衣川4号ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0281 衣川4号ダム(苗代沢ダム)(0363)
岩手県奥州市衣川区国見
北上川水系三沢川
33メートル
135メートル
570千㎥/440千㎥
奥州市
1995年
◎治水協定が締結されたダム

衣川5号ダム(滝ノ沢ダム)

2016-05-09 10:45:00 | 岩手県
2016年5月3日 衣川5号ダム(滝ノ沢ダム)
 
衣川5号ダムは岩手県奥州市衣川区後滝の沢の北上川水系滝沢川にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
岩手県奥州市衣川区は胆沢川によって形成された扇状地の南縁にあたり、栗駒山の火山堆積物で形成された透水性が高い地質で、豪雨になると河川流量が急増し流域農耕地に多大な被害をもたらしてきました。
そこで農林省(現農水省)の補助を受けた岩手県の防災ダム事業により衣川水系の主要河川に5基の農地防災ダムが建設されました。
5基のダム群を総称して『衣川防災5ダム』と呼んでおり、このうち1954年(昭和29年)に5ダムの最初のダムとして滝沢川に建設されたのが衣川5号ダムで立地場所から滝ノ沢ダムともよばれています。
管理は奥州市が受託しています。
 
このダムも本体へは立ち入りできず左岸の道路から眺めるのみです。
 
管理事務所?
 
ほぼダム軸上から。
 
上流面はコンクリート補強されています。
灌漑容量もありますが、大半が農地防災容量のためダム湖の水位は低くなっています。
 
右岸の洪水吐をズームアップ。
 
追記
衣川5号ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0239 衣川5号ダム(滝ノ沢ダム)(0362)
岩手県奥州市衣川区後滝の沢
北上川水系滝沢川
FA
20.5メートル
73.5メートル
283千㎥/252千㎥
奥州市
1954年
◎治水協定が締結されたダム

衣川2号ダム(川内ダム)

2016-05-09 10:30:00 | 岩手県
2016年5月3日 衣川2号ダム(川内ダム)
 
衣川2号ダムは岩手県奥州市衣川区上河内の北上川水系南俣川にある農地防災目的のフィルコンバインドダムです。
岩手県奥州市衣川区は胆沢川によって形成された扇状地の南縁にあたり、栗駒山の火山堆積物で形成された透水性が高い地質で、豪雨になると河川流量が急増し流域農耕地に多大な被害をもたらしてきました。
そこで農林省(現農水省)の補助を受けた岩手県の防災ダム事業により衣川水系の主要河川に5基の農地防災ダムが建設されました。
5基のダム群を総称して『衣川防災5ダム』と呼んでおり、このうち1971年(昭和46年)に南俣川に建設されたのが衣川2号ダムで立地場所から川内ダムともよばれています。
管理は奥州市が受託しています。
 
右岸は重力式コンクリートでクレストには2門の赤いラジアルゲート。
 
越流面にはコケが生えています。
 
左岸のロックフィルと重力式コンクリートのつなぎ目
 
コンバインドダムのつなぎ目。
そばで見ると草が生えていますがロックフィルだとわかります。
 
左岸のロックフィル、車道が斜行しています。
天端は立ち入りできません。
 
上流から
有効貯水容量はすべて農地防災容量となるため、貯水池はほぼ空っぽ。
 
衣川3号ダム同様堤体は立ち入り禁止ですが、重力式コンクリート・フィル複合という珍しい型式。
コンクリートとロックフィルのつなぎ目を間近で見れたのは大きな収穫です。
 
追記
衣川2号ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0251 衣川2号ダム(川内ダム)(0361)
岩手県奥州市衣川区上河内
北上川水系南股川
GF
34メートル
251メートル
2360千㎥/1890千㎥
奥州市
1971年
◎治水協定が締結されたダム

衣川3号ダム(北沢ダム)

2016-05-09 10:15:00 | 岩手県
2016年5月3日 衣川3号ダム(北沢ダム)
 
衣川3号ダムは岩手県奥州市衣川区桧山沢山の北上川水系北沢川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
岩手県奥州市衣川区は胆沢川によって形成された扇状地の南縁にあたり、栗駒山の火山堆積物で形成された透水性が高い地質で、豪雨になると河川流量が急増し流域農耕地に多大な被害をもたらしてきました。
そこで農林省(現農水省)の補助を受けた岩手県の防災ダム事業により衣川水系の主要河川に5基の農地防災ダムが建設されました。
5基のダム群を総称して『衣川防災5ダム』と呼んでおり、このうち1987年(昭和62年)に南俣川に建設されたのが衣川3号ダムで河川名から北沢ダムともよばれています。
衣川防災5ダムは奥州市が管理を受託しています。
 
岩手県奥州市衣川区は胆沢川によって形成されたした扇状地の南縁にあたり、栗駒山の火山堆積物によって形成されたもろい地盤が続いています。
このため谷は深く、いったん洪水が起こると小さな河川でも流域に大きな被害をもたらしてきました。
そこで岩手県は衣川流域の農耕地及び農業施設を洪水から守るために衣川水系の主要河川に5基の防災ダムを建設しました。
5基のダム群を総称して『衣川防災5ダム』と呼んでいます。
衣川3号ダムは5基のダムの一つで北沢ダムとも呼ばれています。
 
ダム本体は立入禁止で洪水吐等主要施設を見ることはできません。
 
左岸上流から
防災ダムのため水位は低くなっています。
 
取水設備
ここでは河川維持用の取水が行われています。
 
左岸下流から
山にはガスがかかっています。
 
ダム便覧では堤高41メートルになっていますが堤体下部に盛り土が施されているせいかそんな高くは見えません。
 
追記
衣川3号ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0255 衣川3号ダム(北沢ダム)(0360)
岩手県奥州市衣川区桧山沢山
北上川水系北沢川
41メートル
180メートル
1790千㎥/1600千㎥
奥州市
1987年
◎治水協定が締結されたダム

入畑ダム

2016-05-09 10:00:00 | 岩手県
2016年5月2日 入畑ダム
 
入畑ダムは岩手県北上市和賀町岩崎新田の北上川水系夏油川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、夏油川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、北上地区への上工水用水の供給、岩手県企業局入畑発電所での最大2100キロワットのダム式水力発電を目的として1990年(平成2年)に竣工しました。
 
ゲートは珍しい配置でクレスト自由越流頂が8門、堤体両端に上部常用洪水吐となるローラーゲートを2門装備。
さらに下部常用洪水吐としてオリフィスゲート2門を備えています。
今回は両端のローラーゲートから放流が行われていました。
 
ゲートから放流された水は、導流壁に沿ったカスケードを下り減勢工で対岸からの水と合流します。
 
中央からの放流も見ごたえがありますが、入畑ダムの両端から糸を引くような放流は独特の美しさです。
 
右岸のゲート。
天端は車両通行可能ですが、対岸でドン詰まり。
 
クレスト両端にローラーゲート、中央に取水設備、対岸に管理事務所とインクラインがあります。
 
減勢工
狭い渓谷のため副ダムの堤高はかなり高くなっています。
下流に岩手県企業局の入畑発電所があり、その先には日帰り温泉施設があります。
 
左岸に回ってみます。
 
バブル放流も行われています。
 
右岸高台に鬼翔平(おにがけだいら)という展望台がありダムを俯瞰できます。
 
展望台からはダム湖と焼石連峰も一望できます。
あいにく霞んでいますが、すっきり晴れていたならば素晴らしい景色が広がったでしょう。
ダム湖の奥には秘湯夏油温泉もあります。
 
下流からはこれが精いっぱい
オリフィスに下部常用洪水吐のラジアルゲートが2門見えます。
 
追記
入畑ダムには洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0259 入畑ダム(0359)
岩手県北上市和賀町岩崎新田
北上川水系夏油川
FNWIP
80メートル
233メートル
15400千㎥/13900千㎥
岩手県県土整備部
1990年
◎治水協定が締結されたダム

早池峰ダム

2016-05-09 09:45:00 | 岩手県
2016年5月2日 早池峰ダム
 
早池峰ダムは岩手県花巻市大迫町内川目の北上川水系稗貫川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、稗貫川の洪水調節、安定した河川流量の維持と花巻市への上工水用水の供給、岩手県企業局早池峰発電所での最大1400キロワットのダム式水力発電を目的として2000年(平成12年)に竣工しました。
建設途上の1994年(平成6年)に『地域に開かれたダム』に指定され、ダム湖畔各所が園地として整備されているほか道の駅が置かれるなどダム湖一帯がレクリエーションエリアとなっています。
 
大迫から県道43号を北上すると早池峰ダムに到着します。
ダム右岸に管理事務所と駐車場があり、ここに車を止めて見学をします。
丸みを帯びたエレベーター棟とずらっと並ぶ自由越流式洪水吐が特徴。
 
左は取水設備、右はエレベーター棟
天端は歩行者のみ通行可能。
 
管理事務所も丸みを帯びたデザインで、資料展示室が併設されています。
 
ダム湖(はやちね湖)
奥に冠雪した早池峰山がわずかに頭を見せています。
 
減勢工
右手は早池峰発電所。
オリフィスから放流されています。
 
東北とはいえ豪雪地域ではないため水位は低くなっています。
 
右岸展望台から
ダム湖畔は公園になっており、対岸には道の駅もあります。
 
堤体直下への遊歩道があり下りてみます。
 
エレベーター棟は北海道でよくみられる灯台のよう。
内側に折れた導流壁も早池峰ダムの特徴です。
 
ずらっと並ぶ自由越流式洪水吐は壮観です。
早池峰発電所は岩手県企業局の運営です。
 
ダムの規模が大きく、周辺整備も進みダム湖畔には道の駅もあります。管理事務所には資料展示室が併設されており、さながら国交省直轄ダムと見まがうばかりの充実ぶりです。
そのため、予定では1時間程度で見学を終えるつもりが3時間もダムに滞在することになりました。
時間に余裕があるなら、一日過ごしても飽きないダムです。
 
追記
早池峰ダムには洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0274 早池峰ダム(0358)
岩手県花巻市大迫町内川目
北上川水系稗貫川
FNWIP
73.5メートル
333メートル
17250千㎥/15750千㎥
岩手県県土整備部
2000年
◎治水協定が締結されたダム

日向ダム

2016-05-09 09:30:00 | 岩手県
2016年5月2日 日向ダム
 
日向ダムは岩手県釜石市甲子町の二級河川甲子川水系小川川にある岩手県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、釜石市を東西に貫く甲子川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的に1997年(平成9年)に竣工しました。
 
堤体直下は公園で、ちょっとした遊具も設置されています。
洪水吐はクレスト自由越流頂6門と自然調節式オリフィス1門
オリフィスゲートから放流中です。
 
治水ダムのためオリフィスの位置がずいぶん低くなっています。
 
天端は歩行者のみ通行可能
 
高欄には釜石の花であるハマユリの装飾。
 
減勢工
堤体直下は公園になっていてすぐ先には民家があります。
 
ダムを周回する遊歩道があり、バックフロントにも公園があります。
花桃が満開で花見をしている人もいます。
 
ダム湖に架かるふれあい大橋
 
松とダムがよく似合っています。
水位は低いですが、治水ダムのためこれで常時満水位。
 
綾里川ダム同様管理事務所がは資料館を兼ねています。
ここも平日ということで管理人さんが駐在されダムカードをもらうことができました。
 
0269 日向ダム(0357)
岩手県釜石市甲子町
甲子川水系小川川
FN
56.5メートル
290メートル
5700千㎥/5000千㎥
岩手県県土整備部
1997年

綾里川ダム

2016-05-09 09:15:00 | 岩手県
2016年5月2日 綾里川ダム
 
綾里川ダムは岩手県大船渡市三陸町綾里坂本の二級河川綾里川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、綾里川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、大船渡市綾里地区への上水道用水の供給を目的として2000年(平成12年)に竣工しました。
堤体直下は公園として整備され、直接堤体に触れることができます。
またダム管理所は県営ダムとしては珍しく資料館を兼ねています。
 
堤体直下から
減勢工直下の河原に下りることができます。
 
オリフィスから放流、堤体にタッチもできます。
 
天端は車両通行禁止
 
小さなダム湖。
周囲の山桜がちょうど満開です。
 
減勢工
 
右岸から
 
上流側
 
ロッジ風のダム管理所は展示室・資料室も兼ねています。
この日は管理人さんが駐在されておりカードを頂けました。
 
洪水調節と綾里地区の水源を兼ねる小さなダムですが、ダム周辺はきれいに整備され好感度の高いダムです。
 
2949 綾里川ダム(0356)
岩手県大船渡市三陸町綾里坂本
綾里川水系綾里川
FNW
43メートル
154メートル
486千㎥/445千㎥
岩手県県土整備部
2000年

鷹生ダム

2016-05-09 09:00:00 | 岩手県
2016年5月2日 鷹生ダム
 
鷹生(たこう)ダムは岩手県大船渡市日頃市町の二級河川盛川水系鷹生川にある岩手県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、鷹生川及び盛川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、大船渡市への上水道用水の供給を目的として2006年(平成18年)に竣工しました。
また河川維持放流を利用した管理用小水力発電も行っています。
ダムの北には名峰五葉山がそびえ周辺は県立自然公園に指定されており、ダム湖(五葉湖)一帯も日帰り温泉等レクリエーションエリア施設が充実しています。
 
ダム下流から
小水力発電所ができ、これ以上先は立ち入り禁止です。
 
右岸から
煙はダム下流の工場の煙突から。
 
円筒形のエレベーター棟は中世ヨーロッパの城郭のようです。
 
上流面
東北とはいえ太平洋沿岸で雪に縁はなく、水位は低くなっています。
 
ダム湖(五葉湖)
湖畔各所に公園が整備され、最奥には日帰り温泉施設があります。
 
減勢工
右手は管理用の小水力発電所
写真左奥に煙の原因となる工場があります。
 
右岸上流から
 
県営ダムでは珍しい資料展示スペースがあります。
 
2923 鷹生ダム(0355)
岩手県大船渡市日頃市町
盛川水系鷹生川
FNW
77メートル
322メートル
9680千㎥/9000千㎥
岩手県県土整備部
2006年

遠野ダム

2016-05-09 08:50:00 | 岩手県
2016年5月2日 遠野ダム
 
遠野ダムは岩手県遠野市遠野町の北上川水系来内川上流部にある岩手県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
遠野市街を南北に貫流する来内川は洪水被害が多い一方河川改修による治水は困難なことから、防災ダムによる治水が図られ1957年(昭和32年)に完成したのが遠野ダムです。
遠野ダムは岩手県で初めて建設省(現国交省)の補助を受けた補助ダムとして建設されました。
しかしその後も計画を上回る洪水被害が発生したことから2010年(平成22年)に当ダム下流1.5キロ地点に新たに遠野第2ダムが建設されました。
 
左岸から
1957年(昭和32年)竣工の古いダムでコンクリートの打設面などがビンテージダムの雰囲気を醸し出しています。
クレストは自由越流式ゲート
コンジットに2門のゲートがあり流入量がそのまま流下するいわゆる『穴あき』ダムです。
 
天端は徒歩のみ通行可
 
上流面
 
流入量に合わせて放流が行われています。
 
総貯水容量103万立米のうち有効貯水容量92万立米はすべて洪水調節容量です。
ダム湖に溜まっている水は堆砂容量および死水容量分11万立米となります。
 
右岸から
 
0241 遠野ダム(0354)
岩手県遠野市遠野町
北上川水系来内川
26.5メートル
181.5メートル
1030千㎥/920千㎥
岩手県県土整備部
1957年

遠野第2ダム

2016-05-09 08:45:00 | 岩手県
2016年5月2日 遠野第2ダム
 
遠野第2ダムは岩手県遠野市遠野町の北上川水系来内川にある岩手県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
遠野市街を南北に縦断する来内川は洪水被害が多く1957年(昭和32年)に上流部に治水専用ダムの遠野ダムが建設されました。しかしその後も洪水が絶えなかったことから2010年(平成22年)に市街地直上に建設されたのが遠野第2ダムです。
遠野第2ダムは国交省の補助を受けた補助治水ダムで、遠野ダムと連携した来内川の洪水調節、安定した河川流量の維持を目的としています。
河川流量が増大した際には当ダムで水量をカットし、カットされた水は市街地を避けトンネル導水路で直接猿ヶ石川に放流させる仕組みになっています。
 
ダムに到着したのは朝の6時半、山にはまだガスがかかっています。
まずは下流から
 
オリフィスからの放流。
 
堤高は高くありませんが複雑な構造になっています。
 
洪水の際には左岸にあるトンネル式の導水路で、水を下流の猿ヶ石川に逃す仕組みになっています。
 
トンネルをズームアップ。
 
天端は車両通行禁止、左岸に管理事務所があります。
 
一番左岸よりの越流面が低くなっており、水位が上がるとここからトンネル式導水路に水が流れる仕組みです。
 
遠野第2ダムの説明板
 
 
(追記)
遠野第2ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3071 遠野第2ダム(0353)
岩手県遠野市遠野町
北上川水系来内川
FN
23.1メートル
87.5メートル
248千㎥/221千㎥
岩手県県土整備部
2010年
◎治水協定が締結されたダム

御所ダム

2016-04-25 13:00:00 | 岩手県
2016年4月23日 御所ダム
 
御所ダムは岩手県盛岡市繋の北上川水系雫石川にある重力式コンクリート・フィル複合(フィルコンバインド)の多目的ダムです。
北上特定地域総合開発計画(KVA)によって建設された特定多目的ダムで、1981年(昭和56年)に同計画最後のダムとして竣工しました。
雫石川および北上川の洪水調節、既得取水権としての流域への灌漑用水の補給と安定した河川流量の保持、盛岡市への上水道用水の供給、岩手県企業局御所発電所(最大1万3000キロワット)でのダム水力発電を目的としており、洪水調節については北上川ダム統合管理事務所で四十四田ダム湯田ダム田瀬ダム胆沢ダム(再)とともに統合管理されています。

ダム湖である御所湖は湖畔に繋温泉があるなど盛岡有数の観光地になっており、ダム湖の利用者は全国のダムの中でもトップクラスとなっています。
2021年(令和3年)に『北上川上流総合開発ダム群』として土木学会選奨土木遺産に選定されました。
 
今回は四十四田ダムとともに実施されたクレスト放流見学のために訪問しました。
国道46号を西に向かい繋十文字交差点を左折するとダム左岸の駐車場に到着します。
駐車場から、手前はロックフィルになっています。
 
堤体下には桜が植えられた芝生の広場があります。
普段は立ち入り禁止ですが、放流イベントに合わせて開放されました。
 
放流開始前のゲート、手前は岩手県企業局が運営する御所発電所。
 
堤体下の桜も満開、放流に彩りを添えました。
 
 
天端
奥は管理事務所で周辺にはさまざまなレクリエーション施設が広がっています。
 
発電用の取水口と上水道の取水棟。
 
天端から放流を見下ろします。
 
右岸から
左岸はロックフィル、右岸は重力式コンクリートのコンバインドダム。
 
右岸上流から
 
普段立ち入りできない左岸堤体下から放流を見ることができました。
四十四田ダム同様桜は満開、盛岡の2基の国交省直轄ダムはともに堤高は高くなかったものの、赤いゲートと白い放流のコントラストが美しい優雅なダムでした。
 
追記
御所ダムには洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0256 御所ダム(0323)
岩手県盛岡市繋
北上川水系雫石川
FNWP
GF
52.5メートル
327メートル
65000千㎥/45000千㎥
国交省東北地方整備局
1981年
◎治水協定が締結されたダム

四十四田ダム(元)

2016-04-25 12:00:00 | 岩手県
2016年4月23日 四十四田ダム(元)
 
四十四田ダムは左岸が岩手県盛岡市上田、右岸が同市下厨川の一級河川北上川本流にある重力式コンクリート・フィル複合(フィルコンバインド)の多目的ダムです。
北上特定地域総合開発計画(KVA)によって建設された特定多目的ダムで、1968年(昭和43年)に同計画4番目のダムとして竣工しました。
北上川の洪水調節、岩手県企業局四十四田発電所(最大1万5100キロワット)でのダム水力発電を目的としており、洪水調節については当ダム右岸にある北上川ダム統合管理事務所で御所ダム湯田ダム田瀬ダム胆沢ダム(再)とともに統合管理されています。
北上川本流に架かる唯一のダムであり、また両岸の岩盤が脆弱なため中央が重力式コンクリート、両岸がフィルダムのと弱いため重力式コンクリート・フィル複合ダムとなっています。
また建設当時の北上川は松尾鉱山から流下する強酸性の水質となっており、堤体コンクリートやゲートは耐酸性水対策が施されています。
 
平成以降の北上川上流域での洪水被害の多発を受け、2019年(令和元年)に『北上川上流ダム再生事業』が採択され、四十四田ダムの再開発が着手されました。
具体的には堤体の嵩上げにより、貯水容量を増加させ洪水調節容量を従来の3390万立米から4140万立米に増大させることで治水能力の強化を図ります。
 
今回は満開の桜の時期に合わせたクレストゲートからの試験放流のイベントに合わせて、急きょ訪問することにしました。
上流面
桜は満開ですが、あいにくの曇天。
 
放流開始前のゲート。
 
放流開始後、次第に日差しが入ってきました。
堤高は低いものの、赤いゲートと白い放流のコントラストが素晴らしい。
 
満開の桜とともに。
 
 
ゲートをズームアップ。
 
 
天端から放流を見下ろします。
 
左岸から
手前は岩手県企業局四十四田発電所。
 
左岸展望台から
晴れていれば岩手山が見えるんですが・・・
でも満開の桜で十分。
 
 
 
ダム巡りを始めて半年、初めて見るクレスト放流です。
堤高はないものの北上川をがっちり塞ぐダムの放流は『雄大』の一言です。
満開の桜が赤と白のコントラストを一段と際立たせた素晴らしい放流イベントでした。
 
追記
四十四田ダム(元)には洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0249 四十四田ダム(元)(0322)
左岸 岩手県盛岡市上田
右岸       下厨川
北上川水系北上川
FP
GF
50メートル
480メートル
47100千㎥/35500千㎥
国交省東北地方整備局
1968年
◎治水協定が締結されたダム
-----------------
3706 四十四田ダム(再)
左岸 岩手県盛岡市上田
右岸       下厨川
北上川水系北上川
FP
GF
52メートル
560メートル
54600千㎥/43000千㎥
国交省東北地方整備局
2019年~

煙山ダム

2016-04-25 11:00:00 | 岩手県
2016年4月23日 煙山ダム
 
煙山ダムは岩手県紫波郡矢巾町煙山の北上川水系岩崎川にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
1959年(昭和34年)に着手された農林省(現農水省)の国営農業水利事業雫石川沿岸地区および県営防災ダム事業により1967年(昭和42年)に竣工しました。
岩崎川の洪水調節および鹿妻穴堰土地改良区への灌漑用水の供給を目的とし、運用開始後は矢巾町が管理を受託しています。
 
ダムの北側を町道が通っており、左岸に駐車場があります。
天端入り口には『新奥の細道ハイキングコース』の道標が設置される一方、関係者以外立ち入り禁止の車止めがあり一見矛盾する内容となっています。
実は関係者以外立ち入り禁止はあくまでも車両の乗り入れを禁止するもので徒歩での立ち入りは問題ありません。かなり紛らわしい。

500メートルを超える堤体は途中で屈曲しています。
 
堤体直下から見るとよくあるアースダム。
 
右岸に管理事務所や洪水吐があります。
背後は城山で東北自然歩道のハイキングコースが続いています。
 
右岸から
500メートルを超える堤体。
 
洪水吐。
管理事務所の奥に斜樋があります。
 
テーブル型洪水吐
パイ生地みたい・・・
 
減勢工
右に取水設備からの導水路があります。
 
追記
煙山ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0248 煙山ダム(0321)
岩手県紫波郡矢巾町煙山
北上川水系岩崎川
FA
21.8メートル
528.5メートル
1410千㎥/1280千㎥
矢巾町農林課
1967年
◎治水協定が締結されたダム

葛丸ダム

2016-04-25 10:00:00 | 岩手県
2016年4月23日 葛丸ダム
 
葛丸ダムは岩手県花巻市石鳥谷町大瀬川の北上川水系葛丸川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
岩手県中央部に位置する紫波平野は灌漑用水源である滝名川の水量が乏しい上に年間降水量も少なく、安定した水源確保は江戸時代からの悲願となっていました。
1952年(昭和27年)に農林省(現農水省)の国営農業水利事業により山王海ダム(元)が完成しますが、その後の営農の大規模化などにより再び用水不足が顕在化しました。
これを受け1978年(昭和53年)から農水省により国営農業水利事業山王海地区が着手され1991年(平成3年)に建設されたのが葛丸ダムです。
さらに2001年(平成13年)には山王海ダムの再開発事業が竣工し両ダム併せた貯水容量は4225万立米と事業開始前の4.4倍に増大しました。
完成後は岩手県農林水産部が管理を受託し山王海土地改良区約3900ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また両ダムはトンネル導水路によって結ばれて需要に合わせて水の相互融通が行われます。農業用ダムの2ダム一体運用は今のところ山王海ダム(再)と葛丸ダムだけです。
 
花巻市石鳥谷から葛丸川に沿って市道を西に進むと葛丸ダムに到着します。 
右岸からダム下流面
対岸に管理事務所と洪水吐が見えます。
 
上流面
取水棟が見えます。
山王海ダム同様、このダムも本体への立ち入りができません。
 
管理事務所と取水設備をズームアップ。
 
 
ダム湖を回り込んで左岸にアプローチしますが・・・
見えそうで見えない洪水吐。
 
下流から洪水吐導流部を見ることができました。
ここから見る限り洪水吐は越流式でゲートはないようです。
 
右岸ダムサイトにある宮沢賢治の歌碑。
 
このあと葛丸川上流にある、山王海ダムへの送水用の頭取工を見に行きましたが、落石が多く断念しました。
 
追記
葛丸ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0264 葛丸ダム(0320)
岩手県花巻市石鳥谷町大瀬川
北上川水系葛丸川
51.7メートル
220メートル
5000千㎥/4650千㎥
岩手県農林水産部
1991年
◎治水協定が締結されたダム