ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

糠平ダム

2021-08-13 14:06:02 | 北海道
2021年7月19日 糠平ダム
 
糠平ダムは北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷の十勝川水系音更川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し、1956年(昭和31年)に同社として北海道2番目のダムとして完成したのが糠平ダムです。
ここで取水された水は糠平発電所に導水され最大4万2000キロワットのダム水路式発電を行います。
さらに1960年(昭和35年)には糠平ダム下流5キロ地点に元小屋ダムが完成し、糠平発電所の放流水を流域変更して美里別川にある芽登第1・第2発電所に送り計5万5500キロワットのダム水力発電に供され、糠平ダムの巨大な貯水容量のより効率的運用が可能となりました。
現在電源開発(株)は計7基の発電所を十勝川水系に建設し、計18万キロワットを超える発電能力を持つに至っています。
なお糠平ダムは2021年(令和3年)に土木学会選奨土木遺産に選ばれました。
 
糠平ダム直下に国道273号線糠平大橋が架かりダムと正対できます。
広角レンズでダムと糠平大橋をワンフレームに。
 
糠平大橋はかなり高い位置にあるので、通常とは異なる位置でダムを眺めることができます。
 
北海道の厳冬に耐えるためか重厚感あふれる堤体。
1950年代のダムらしく直線状の導流壁は田子倉奥只見を彷彿させます。
導流部中段の穴は排砂ゲートでしょうか?
 
3門のクレストラジアルゲート。
 
ダム右岸に駐車場があります。
音更川の電源開発のダムの説明板。
 
上流面
ゲート両側の建屋が管理事務所を兼ねています。
 
糠平発電所の取水口
1950年代らしく大掛かりな設備です。
 
天端はゲート部分だけわずかに上流側にクランクしています。
 
天端からの眺め
正面が糠平大橋。
 
天端上流側の円形のバルコニー
昭和20~30年ごろの発電ダムでよく見られる作り。
 
ダム湖の糠平湖
湛水面積822ヘクタールは日本13位、北海道4位
総貯水容量1億9390万立米は日本19位、北海道4位。
 
佐久間田子倉奥只見など同時期建設された電源開発の巨大ダムに比べればスケールでは及ばないものの、糠平大橋の眺めや周辺の豊かな自然環境などトータルで見た魅力はそれらのダムに勝るとも劣ることはありません。
 
(追記)
糠平ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0047 糠平ダム(1680)
北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷
十勝川水系音更川
76メートル
293メートル
193900千㎥/160500千㎥
電源開発(株)
1956年
◎治水協定が締結されたダム

糠南ダム

2021-08-13 01:44:48 | 北海道
2021年7月19日 糠南ダム
 
糠南ダムは北海道足寄郡足寄町芽登の十勝川水系ヌカナン川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリート・フィル複合(フィルコンバインド)ダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し1960年(昭和35年)に完成したのが糠南ダムです。
ヌカナン川に加えて美里別川状上流のビリベツ取水堰で取水された水がここに貯留されたのち、芽登第一発電所・第二発電所に導水され計最大5万5500キロワットの発電に供されます。
 
道道88号線から芽登温泉の案内板に従ってダートの林道を西進、温泉への道を分けるとすぐに糠南ダムに到着します。
天端は立ち入り禁止。
 
下流面
ダムの右岸はフィルダムですが、ロックなのかアースなのか区別がつきません。
 
天端と上流面。
 
水利使用標識。
 
実はダムの下流50メートルほどに山道があり、ここを辿るとダム下まで行けます。この道に特に規制はありません。
下流面が間近に見れます。 
 
フィルダム基部の丸石積みの擁壁。
これを見る限りアースフィルダムのようです。
 
左岸の重力式コンクリート部。
自由越流頂余水吐1門と、土砂吐1門を装備。
 
ズームアップ
土砂吐の奥にはスライドゲートがあるようです。
 
土砂吐ですが、いまは河川維持放流ゲートとして使われています。
 
ダム近くにある芽登温泉は山中の秘湯として人気が高いようです。
 (追記)
糠南ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0055 糠南ダム(1679) 
北海道足寄郡足寄町芽登 
十勝川水系ヌカナン川 
 
GF 
183.6メートル 
312.5メートル 
665千㎥/510千㎥ 
電源開発(株) 
1960年 
◎治水協定が締結されたダム 

活込ダム

2021-08-12 13:33:51 | 北海道
2021年7月19日 活込ダム
 
活込ダムは北海道中川郡本別町美里別の十勝川水系美里別川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し1955年(昭和30年)に同社として北海道初のダムとして完成したのが活込ダムです。
ここで取水された水は約5.2キロの導水路で足寄発電所に送られ最大4万キロワットのダム水路式発電を行っています。
 
活込ダムは天端のみ開放されています。
右岸から。
 
ダム上流面の河川維持放流用取水ゲート
河川法改正により維持放流が義務化されたのに対応して後付けされました。
 
河川維持用の放流設備
いかにも後付けというのが見て取れます。
 
ラジアルゲートを2門装備。
こちらは右岸側の導流部と維持維持放流用設備。
 
左岸の導流部
ゲートが開放されています。
 
足寄湖と命名されたダム湖
総貯水容量1741万立米。
 
天端は車両通行可能で、昭和20年代設計のダムらしくゲート部分がクランクしています。
 
 
ダム湖左岸にある取水設備。
ここから足寄発電所に導水されます。
 
水利使用標識。
 
(追記)
活込ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0046 活込ダム(1678)
北海道中川郡本別町美里別
十勝川水系美里別川
34メートル
185メートル
17410千㎥/8530千㎥
電源開発(株)
1955年
◎治水協定が締結されたダム

屈足ダム

2021-08-12 01:20:35 | 北海道
2021年7月18日 屈足ダム
 
屈足ダムは北海道上川郡新得町屈足の一級河川十勝川本流上流部にある国交省北海道開発局農水部と電源開発(株)が共同管理する灌漑・発電目的のロックフィルダムです。
1984年(昭和59年)に着工された北海道開発局農水部による国営十勝川左岸かんがい排水事業に発電事業者として電源開発(株)が事業参加し、1988年(平成元年)に竣工しました。
ここで取水された水は約6.3キロの導水路で熊牛発電所に送られ最大1万5400キロワットのダム水路式発電を行うほか、2015年(平成27年)には河川維持放流を利用して最大470キロワットの小水力発電を行うくったり発電所が完成しました。
灌漑については、清水町・芽室町・音更町・帯広市にまたがる十勝川左岸のやく6000ヘクタール超の農地に灌漑用水を供給しています。
また1994年(平成6年)にダムとしては初めてグッドデザイン賞を受賞しました。
 
せっかくのグッドデザイン受賞ダムですが、残念ながら天端を始めダムの敷地は立ち入り禁止。
 
ロックフィルダムですが、凍上対策として芝が張られています。
 
天端も立ち入り禁止。
 
 
上流面はロック材で護岸。
 
ゲートをズームアップ。
『宇宙戦争』に出てくる火星人のようなゲートピアですがグッドデザイン賞を受賞するほどのものとは思えません。
25年前には斬新だったのか?
 
ダムの説明板。
 
小水力発電所であるくったり発電所の説明板。
 
(追記)
屈足ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

2912 屈足ダム(1677)
北海道上川郡新得町屈足
十勝川水系十勝川
AP
27.5メートル
220.1メートル
3130千㎥/844千㎥
電源開発(株)・国交省北海道開発局農水部
1988年
◎治水協定が締結されたダム

岩松ダム

2021-08-11 12:57:00 | 北海道
2021年7月18日 岩松ダム
 
岩松ダムは北海道上川郡新得町屈足の一級河川十勝川本流にある北海道電力(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1939年(昭和14年)に誕生した日本発送電は、戦時色が濃くなる中全国各地で電源開発を進めます。
岩松ダムもそんなダムの一つで1941年(昭和16年)に完成し、ここで取水された水は岩松発電所に導水され最大1万5000キロワットのダム水路式発電を行っていました。
1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により岩松ダムおよび発電所は北海道電力が事業を継承します。
2016年(平成28年)に老朽化した岩松発電所に変わり新岩松発電所が稼働し、出力も1万6000キロワットに増強されました。
岩松ダムは戦時中の貴重な土木遺産として2019年(令和元年)に土木学会選奨土木遺産に選定されました。
 
岩松ダムは十勝清水とトムラウシ温泉を結ぶ道道718号線沿いにあります。
ダム下から
クレストに7門のラジアルゲートが並びいかにも発電ダムと言った風。
 
ゲート部分をズームアップ
ゲートと扶壁は戦後改修工事が施されています。
 
左岸側の排砂ゲート。
 
減勢工
シュート部分の下流に副ダムがあります。
 
天端は立ち入り禁止。 

水利使用標識。 
 
 
右岸の取水口。
 
取水口の除塵装置。
 
ダム湖と上流面
総貯水容量は902万6000立米となかなかのスケール。
 
上流面をズームアップ
夕日を浴びてゲートが金色に輝きます。
寒冷地で結構な積雪があるはずですが、ゲート巻き上げ機は裸のままです。
 
上流から遠望。
 
(追記)
岩松ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0038 岩松ダム(1676)
北海道上川郡新得町屈足 
十勝川水系十勝川
37.2メートル
190.5メートル
9026千㎥/4131千㎥
北海道電力(株)
1941年
◎治水協定が締結されたダム 

幌加ダム

2021-08-11 00:43:48 | 北海道
2021年7月18日 幌加ダム
 
幌加ダムは北海道河東郡上士幌町幌加の十勝川水系幌加川にある電源開発(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により新たに北海道電力が誕生しますが、包蔵電力豊富な北海道の電源開発を同社のみで行うのは不可能で、公営発電である北海道企業局や半官半民の電源開発(株)による電源開発が併せて進められました。
電源開発(株)は十勝川支流の音更川や利別川での電源開発に注力し、1965年(昭和40年)に音更川に建設されたの幌加ダムです。
ここで取水された水は幌加発電所に導水され最大1万キロワットのダム水路式発電に供されます。
 
国道273号線から幌加川沿いの林道を西へ約2.5キロ進むと幌加ダムに到着します。
天端入り口に厳重な門扉がありこの先は立ち入り禁止。
 
幌加ダムの標識。
 
水利使用標識。
 
ロックフィル下流面。
 
天端
堤体は緩やかなアーチ状。
 
右岸の横越流式洪水吐
ダム湖は総貯水容量49万3000立米。
洪水吐の奥からは河川維持放流の水が流れています。
 
ゲート付近にはフェンスがあるため、樹林をかき分けて湖畔へ。
堤体上流面。
 
上流から。
 
取水設備。
 
(追記)
幌加ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0067 幌加ダム(1675)
北海道河東郡上士別町幌加
十勝川水系幌加川
32メートル
135.5メートル
493千㎥/239千㎥
電源開発(株)
1965年
◎治水協定が締結されたダム

大雪ダム

2021-08-10 23:15:25 | 北海道
2021年7月18日 大雪ダム 
 
大雪ダムは北海道上川郡上川町層雲峡の一級河川石狩川本流最上流部にある多目的ロックフィルダムです。
石狩川は流域面積日本第2位、流路延長第3位の巨大河川で、支流各河川には多数のダムが建設されていますが本流にあるのはこの大雪ダムただ1基です。
当初当地では北海道電力による『(旧)大雪ダム』建設計画が進められ、のちに北海道開発局が事業参加する兼用工作物の『石狩ダム』に計画変更されました。
しかし1961年(昭和36年)から2年連続で発生した洪水被害や旭川市の利水需要増大などを受け1965年(昭和40年)に新たに『石狩川総合開発事業』が採択され、北海道開発局(現国交省北海道開発局)の直轄事業により1975年(昭和50年)に『大雪ダム』が完成しました。
大雪ダムは国交省北海道開発局建設部が直轄管理する特定多目的ダムで、石狩川上流部の洪水調節(最大毎秒900立米の洪水カット)、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、流域農地1万7800ヘクタールへの灌漑用水の供給、旭川市への上水道用水の供給、北海道電力大雪発電所での最大2万キロワットのダム水路式発電を目的としています。
しかし大雪ダム完成後も利水需要の増大が続く一方、1981年の『昭和56年石狩川大水害』を契機に新たな多目的ダム建設が進められ2007年(平成19年)に左支流忠別川に忠別ダムが完成しました。
 
層雲峡温泉から国道39号線を北見方面に向かうと大雪ダムに到着します。
右岸から
堤高86.5メートル、堤頂長は440メートルの巨大ロックフィルダムで、下流面は凍上対策で芝が張られています。 
 
天端標高は810メートルで、北海道では最高所にあるダムです。
天端を国道273号線が通り、どの車も時速80キロくらいで疾走してゆきます。
 
国道わきに建つ大雪湖の標識。
 
天端から見下ろす洪水吐導流部
大雪発電所は地下式のため見ることはできません。
左手の建屋は放流設備。
 
ラジアルゲートはゲート上部を越流させるタイプで、上部中央に切れ込みがあります。
 
大雪湖と命名されたダム湖は総貯水容量6600万立米で奥には東大雪の山並みが望めます。
 
右岸から広角レンズで。
 
ゲート上流面をズームアップ
2門のラジアルゲートの間に常用洪水吐のオリフィスがあります。
 
取水塔と洪水吐。
 
右岸湖岸にある管理事務所から
上流面上部も芝が張られています。
 
インクラインと艇庫。
 
ダムの標高810メートルは本州では1500~2000メートルに相当する植生となっており、ダム周辺の景色はもう亜高山そのものです。
ダム下から堤体を見上げればもっと高度感を体感できるんでしょうが、残念ながら立ち入りできませんでした。
 
(追記)
大雪ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0089 大雪ダム(1674)
北海道上川郡上川町層雲峡
石狩川水系石狩川
FNAWP
86.5メートル
440メートル
66000千㎥/54700千㎥
国交省北海道開発局
1975年
◎治水協定が締結されたダム

ポンテシオダム

2021-08-04 07:39:19 | 北海道
2021年7月18日 ポンテシオダム
 
ポンテシオダムは北海道士別市朝日町茂志利の一級河川天塩川本流最上流部にある北海道企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
オイルショックによる原油価格の高騰をうけ、1970年代後半から電力各社は水力発電の見直しを行い新電源開発や既設設備の増強が進められました。
ポンテシオダムもそんな発電施設の一つで、天塩川の岩尾内ダムに発電事業者として事業参加していた北海道企業局により1983年(昭和58年)に建設されました。
ここで取水された水はポンテシオ発電所に導水され、最大1万1000キロワットのダム水路式発電を行います。
 
道道101号線から天塩川沿いの市道を南に約7キロ進むとポンテシオダムに到着します。
ダム便覧にはダムのほぼ全景が写った写真が掲載されていますが、現在は木が茂りこれが精いっぱい。
4門の自由越流頂とローラーゲート1門のほか、放流設備があるようですが確認できません。
 
ダムが見える場所を探しますが・・・。
 
右岸にローラーゲートのピアがありますが、ゲート本体は見えません。
 
天端、ダム敷地は立ち入り禁止。
ダム右岸(手前側)に取水口があり、左手はその除塵装置です。
 
水利使用標識。
 
漆黒の竣工記念碑。

0172 ポンテシオダム(1673)
北海道士別市朝日町茂志利
天塩川水系天塩川
22.3メートル
126.2メートル
996千㎥/130千㎥
北海道企業局
1983年

甲子ダム

2021-08-03 18:55:39 | 北海道
2021年7月18日 甲子ダム
 
甲子ダムは北海道士別市朝日町三栄の天塩川水系右の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1937年(昭和12年)に上士別土功組合および甲子土功組合向けの灌漑用貯水池として北海道の事業により建設されました。
1981年(昭和56年)の水害で被災しますが、翌1982年(昭和57年)に農水省の補助を受けた道営ため池災害復旧事業が竣工し現在に至っています。
現在はてしおがわ土地改良区が管理し、約200ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
 
ダム下から
ちょうど草刈りを終えた直後で、下流面はサッカーのグラウンドのように美しい縞模様が入っています。
 
左岸ダム下の底樋。
最大取水量毎秒0.38立米とため池にしては結構大きな取水量で、底樋と言うよりは放流口と書く方が妥当か?
 
こちらは堤体の南側にある洪水吐トンネル導流部吐口。
 
右岸ダムサイトには社があり、そばに竣工記念碑、水利使用標識などが並びます。
 
 
右岸の円形越流式洪水吐。
導流部はトンネルで、上から3枚目写真の吐口に続きます。
 
貯水池と上流面。
 
総貯水容量は131万6000立米。
200ヘクタールの水田の用水を賄います。
 
天端から
堤体左下に2枚目写真の底樋があります。
 
天端と上流面
こちらもちょうど草刈りを終えたばかり。
 
左岸の取水設備。
北海道でよくみられる階段状の多孔式斜樋。
 
(追記)
甲子ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3353 甲子ダム(1672)
ため池コード
北海道士別市朝日町三栄
天塩川水系右の沢川
16.3メートル
180メートル
1316千㎥/1316千㎥
てしおがわ土地改良区
1937年
◎治水協定が締結されたダム

岩尾内ダム

2021-08-03 10:39:39 | 北海道
2021年7月18日 岩尾内ダム 
 
岩尾内ダムは北海道士別市朝日町岩尾内の一級河川天塩川本流にある多目的重力式コンクリートダムです。
天塩川は流路延長256.2キロと日本第4位の大河川ですが、河川整備が遅れる一方、農地開拓や流域の人口増加を受け、抜本的な河川開発が求められていました。
当初、当地では農林省による灌漑・発電目的のロックフィルダム建設が計画されていましたが、数次の洪水被害によりを新たに建設省(現国交省)を事業主体とした多目的ダム建設が採択されました。
ダムの型式は重力式コンクリートダムに変更され1965年(昭和40年)に着工、1970年(昭和45年)に竣工したのが岩尾内ダムです。
岩尾内ダムは国交省北海道開発局建設部が直轄管理する特定多目的ダムで、天塩川の洪水調節(最大毎秒800立米の洪水カット)、天塩川流域農地約1万5000ヘクタールへの灌漑用水の供給、士別市への上水及び工水の供給、北海道企業局岩尾内発電所での最大1万3000キロワットのダム式水力発電を目的としています。
しかし岩尾内ダム完成後も当初想定を超える洪水被害や渇水が続いたことから、2018年(平成30年)に最大支流名寄川水系にサンルダムが竣工、翌2019年(平成31年)より運用が開始され天塩川水系の治水能力は大きく向上しました。

ダム下流から遠望
堤高58メートル、堤頂長448メートルと北海道らしい横長ダムです。
洪水吐は右岸よりにあります。
 
左岸ダム下から
手前は北海道企業局岩尾内発電所の放流口。 
 
右岸ダム下から
クレストにラジアルゲート2門装備。
 
天端から
右手はクレストゲートからの減勢工
左手の大きな建屋は岩尾内発電所、手前の小さな建物は放流バルブ室。
 
天端は徒歩のみ開放。
赤い取水塔が目につきます。
 
ダム湖は岩尾内湖
湛水面積510ヘクタールは日本28位、総貯水容量1億770万立米は同45位。
キャンプや釣りなど年間2万人以上が利用します。
 
ダム湖を跨ぐ道道66号線岩尾内大橋。
橋の向こう側の茶色の建物が管理事務所。
 
道道からの上流面。
 
岩尾内大橋を入れて
トラス橋も格好よくフォトジェニックなダムです。
 
取水塔とラジアルゲートを遠望。
 
(追記)
岩尾内ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0081 岩尾内ダム(1671)
北海道士別市朝日町岩尾内
天塩川水系天塩川
FAWIP
58メートル
448メートル
107700千㎥/96300千㎥
国交省北海道開発局
1970年
◎治水協定が締結されたダム

風連ダム

2021-08-02 19:29:25 | 北海道
2021年7月18日 風連ダム
 
風連ダムは北海道名寄市風連町東生の天塩川水系風連別川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
天塩川水系風連別川流域では稲作技術の向上により戦前より農地開発が進められていましたが、灌漑期の降水量が少ない上に灌漑設備も未熟で用水不足が恒常化していました。
1969年(昭和44年)に国営かんがい排水事業風連地区が着手され、その灌漑用水源として1986年(昭和61年)に御料ダムとともに完成したのが風連ダムです。
事業全体も同年竣工し1000ヘクタールを超える農地への灌漑施設が整備されました。
現在は天塩川土地改良区が管理を受託し、風連地区ではもち米を主体に水田の畑利用による大豆、小麦生産が広く行われています。
 
ダム下へ通じる道路はダム手前にゲートがありますが、堤体の階段でダム下へ降りられます。
堤高33.6メートル、堤頂長294メートルの横長ダム
北海道らしくロックフィルの下流面には凍上対策として芝が張られています。
 
ダム下の放流ゲート。
 
右岸から
見た目はアース
ダム下ともども青々としたが芝が美しい。
 
てしおがわ土地改良区のダムは制限が多いのですが、ここは珍しく天端の車両通行も可能。
 
水利使用標識。
 
ダム湖の総貯水容量は298万1000立米。
 
フローティング方式の取水塔。
 
上流面はコンクリ―で護岸。
 
洪水吐導流部
完成から30年以上経過し各設備で老朽化が目立つため、各所で機能保全事業が進められています。
風連ダムでは導流部側壁の改修工事中でした。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐脇の竣工記念碑。
 
 (追記)
風連ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0097 風連ダム(1670)
北海道名寄市風連町東生
天塩川水系風連別川
33.6メートル
294メートル
2918千㎥/2387千㎥
てしおがわ土地改良区
1986年
◎治水協定が締結されたダム

御料ダム

2021-08-02 10:16:27 | 北海道
2021年7月18日 御料ダム
 
御料ダムは北海道名寄市風連町日進の天塩川水系風連別川左支流長根川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
風連別川流域では稲作技術の向上により戦前より農地開発が進められ、その灌漑用水源として1931年(昭和6年)に道営事業で貯水容量42万立米の日進貯水池が建設されました。
戦後の農地開発の進展により1969年(昭和44年)に新たに国営かんがい排水事業風連地区が着手されます。
そして日進貯水池を取り込む形で新ダムの建設が進められ1986年(昭和61年)に御料ダムが完成、同時に建設された風連ダムと併せて1000ヘクタールを超える農地への灌漑施設が整備されました。
現在は天塩川土地改良区が管理を受託し、風連地区ではもち米を主体に水田の畑利用による大豆、小麦生産が広く行われています。
 
ダム下から
堤高は23.9メートルながら堤頂長は農業用ダムとしては屈指の606メートルに及び、カメラのフレームに全景が収まりません。
また北海道のロックフィルダムらしく凍上対策としてリップラップに芝が張られています。
 
右岸ダム下の洪水吐導流部
左手は利水放流ゲート。
 
右岸ダムサイトに建つ竣工記念碑。
ダム湖畔はキャンプ場として整備されましたが、現在は活用されていません。
 
国営風連かんがい排水事業の説明板。
 
こちらは同事業の竣工記念碑。
 
ダム下流面
高さはありませんが600メートルを超え釣堤頂長は圧巻。
 
上流面と洪水吐。
 
日進湖と取水塔
取水塔はフローティング式です。
 
ダムサイトには高さ15メートルの展望台
ドリームタワーと命名されていますが、現在は立ち入り禁止。
ダム建設に合わせて作られたんでしょうが、当時はバブルの入り口。
余計なものを作る余裕があったんですねえ。
 
右岸の横越流式洪水吐
 
ダム湖は旧貯水池の名前を継承し日進湖と命名されています。
総貯水容量は578万立米。
 
天端は徒歩のみ開放されており片道600メートルを歩いて左岸へやってきました。
対岸が遠い!

0146 御料ダム(1669)
北海道名寄市風連町日進
天塩川水系長根川
23.9メートル
606メートル
5780千㎥/5575千㎥
てしおがわ土地改良区
1931年旧御料ダム竣工
1986年竣工

忠烈布ダム

2021-08-02 05:04:07 | 北海道
2021年7月18日 忠烈布ダム
 
忠烈布ダムは北海道名寄市風連町池の上の天塩川水系忠烈布川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1930年(昭和5年)に道営事業で建設され、戦後のため池等整備事業で改修が行われ現在に至っています。
管理はてしおがわ土地改良区が受託し、279.63ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また湖畔のふうれん望湖台キャンプ場は、公営の廉価なキャンプ場としてキャンパーの人気を集めています。
 
名寄市東風連から道道758号線を東進すると忠烈布ダムに到着します。
ダム右岸の道道脇に建つ記念碑。
 
水利使用標識。
 
ちょうど草刈りが終わったばかりですっきりした堤体。
堤高は18.5メートル。
 
右岸の横越流式洪水吐
越流頂が長く緩やかに湾曲しています。
 
堤頂長310メートルの天端は徒歩のみ開放。
 
総貯水容量240万5000立米の貯水池。
かつてはダム湖周辺が自然公園として遊歩道などが整備されていましたが、今は湖畔のキャンプ場以外は荒れてしまいました。
 
左岸の斜樋。
 
ちょっとわかりづらいですが、上流面はコンクリートブロックで護岸。
 
底樋。
灌漑期ということで結構な水量。
 
底樋の先の分水ゲート
 
こちらはダム下中央のドレーンからの排水路。
 
(追記)
忠烈布ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3351 忠烈布ダム(1668)
北海道名寄市風連町池の上
天塩川水系忠烈布川
18.5メートル
310メートル
2405千㎥/2186千㎥
てしおがわ土地改良区
1930年
◎治水協定が締結されたダム

武徳ダム

2021-08-01 21:47:54 | 北海道
2021年7月18日 武徳ダム
 
武徳ダムは北海道士別市武徳町の天塩川水系タヨロマ川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では1929年(昭和4年)竣工となっていますが、現地記念碑では当初の堤高は12.1メートルと刻されており、河川法上のダムの要件は満たしていません。
戦後1961年(昭和36年)に竣工した嵩上げ事業により初めて堤高が15メートルを超えたことから、武徳ダムの竣工年度は1961年が妥当と思われます。
その後の道営ため池等整備事業により現在の姿となり、管理はてしおがわ土地改良区が受託し237.6ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
堤高21.5メートル、堤頂長358メートルと北海道らしい横長の堤体。
 
右岸ダム下の底樋。
 
左岸ダムサイトにある道営ため池等整備事業説明板
水利使用標識も兼ねています。
 
天端
堤頂長は358メートル。
 
上流面はコンクリートブロックで護岸。
 
右岸の取水設備を遠望
多孔式斜樋です。
 
貯水池は総貯水容量275万2000立米。
 
天端からの眺め
緑色はジャガイモ、黄金色は本州ではほとんどお目に掛かれない小麦畑。
 
右岸にある古い斜樋の遺構。
 
同じく右岸の横越流式洪水吐
 
洪水吐導流部。
 
(追記)
武徳ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0024 武徳ダム(1667)
北海道士別市武徳町
天塩川水系タヨロマ川
21.5メートル
358メートル
2752千㎥/2569千㎥
てしおがわ土地改良区
1961年
◎治水協定が締結されたダム

江丹別ダム

2021-08-01 11:10:44 | 北海道
2021年7月17日 江丹別ダム
 
江丹別ダムは北海道旭川市江丹別町富原の石狩川水系江丹別川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1974年(昭和49年)に農林省(現農水省)の補助を受けた道営かんがい排水事業江丹別地区によって建設され、運用開始後は江丹別土地改良区が管理を受託し241.35ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

江丹別中心部の道道72号線から江丹別川沿いの市道を北上すると江丹別ダムに到着します。
ダム下に立派な竣工記念碑が建ち、奥に堤体が望めます。
 
底樋と呼ぶには立派すぎる取水設備からの放流口。
灌漑期ということで水が囂々と流下してゆきます。
 
 
放流路越しに
堤高17.4メートル、堤頂長220メートルの横長の堤体。
白い管理橋の先は立ち入り禁止です。
 
この下流で右岸の洪水吐導流部と合流し江丹別川となります。
 
堤体は犬走を挟んで2段構成。
手前の電柱はかなり傾いていますが大丈夫?。
 
天端は立入禁止。
総貯水容量98万1000立米の貯水池に取水塔があるようですが、残念ながら目にすることはできません。
 
この建屋はたぶん放流ゲートの操作室ではないかと?
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
水利使用標識
 
山中に佇むため池ですが、夕暮れ時の訪問となり何やら野生の気配も??
立ち入り制限も多くそそくさと退散しました。
 
(追記)
江丹別ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

3363 江丹別ダム(1666)
ため池コード
北海道旭川市江丹別町富原
石狩川水系江丹別川
17.4メートル
220メートル
981千㎥/886千㎥
江丹別土地改良区
1974年
◎治水協定が締結されたダム