ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

有江上池

2017-05-11 02:30:01 | 広島県
2017年5月5日 有江上池
 
有江上池は広島県尾道市高須町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば竣工は1899年(明治32年)となっています。
上池の名が示すように下流に下池がありますが、こちらは堤高が15メートルに満たずダム便覧には掲載されていません。
この辺りは大河がないうえに年間を通して降水量が少なく農業用の水源として多数の溜池が点在していますがその中では唯一有江上池だけがダム便覧に掲載されています。
 
国道2号線バイパスの高須IC交差点を北に折れ市道を北上するとすぐに右手に有江上池が見えてきます。
温暖な気候に適したブドウ栽培が盛んな地域で池の直下にもブドウ畑が広がります。
 
市道が池の右岸に隣接しています
右岸の洪水吐に架かる管理橋。
 
洪水吐導流部
右手は建設資材業者の敷地になっています。
 
洪水吐に降りることができます。
 
天端
池の周辺は交通の便を生かして工業団地になっています。
 
上流面はコンクリートで補強されています
下段のコンクリートはまだ新しく近年改修があったようです。
 
左岸の斜樋。
 
池の貯水量は11万3000立米
池の上流も工業団地になっています。
 
池の直下はブドウ畑
海が見えるか?と思いましたが惜しくも見えません。
 
1968 有江上池(0966)
広島県尾道市高須町
太田川水系太田川
16.7メートル
91.4メートル
管理者未確認
1899年

久山田ダム(久山田貯水池堰堤)

2017-05-11 00:34:49 | 広島県
2017年5月5日 久山田ダム(久山田貯水池堰堤)
 
久山田ダムは広島県尾道市の栗原川にある尾道市水道局が管理する上水道用水供給を目的とする曲線重力式コンクリートダムです。
1924年(大正13年)に神戸市水道を整備した工学博士の佐藤藤次郎の監修、元神戸市水道課長の水野広之進技師の設計により竣工しました。
堤体はいわゆる曲線重力式で大きくアーチを描いているのが特徴です。本体は粗石の間にモルタルを詰め込み表面に石を張付けた『粗石モルタル積石張』でその文化的、技術的価値から国の登録有形文化財に指定されているほかCランクの近代土木遺産に選定されています。
 
現在の尾道市上水道はその大半を広島県沼田川水道供給事業からの供給によって賄われており、久山田ダムは尾道市上水道の唯一の自己水源となっています。
湖畔には尾道市立大学のキャンパスがあるほか、陸上競技場や野球場などが揃った『びんご運動公園』に近接しています。ダム湖を周回する遊歩道が整備されており周辺は尾道市民の憩いの場となっています。
国道2号線尾道バイパスの平原インターチェンジから門田トンネルを抜けそのまま北西に進むと久山田ダムに到着します。
 
堤体直下に遊歩道が続き下流から堤体を見上げることができます。
真下から見上げるアーチの堤体は実際の堤高22.5メートルよりもはるかに高く感じます。
 
花崗岩がきれいに布積みされています。
 
減勢工には副ダムがあります。
茶褐色に染まり一見レンガのようですが、これも花崗岩です。
 
副ダムをズームアップ。
 
ダムサイトに戻ります。
今度は上流から
半円形の張出が取水設備になります。
 
下流面。
 
取水設備。
 
減勢工
副ダムも同じ同心円のアーチになっているのが分かります。
 
左岸から
天端は二輪車通行可能で見学中に原チャリ利が1台通り過ぎてゆきました。
こうやってみると天端はきれいな円形ではなく、直角の組み合わせになっているのが分かります。
 
越流面の突起は水止めの角落としをはめ込むためのもののようです。
 
登録有形文化財のプレート。
 
湖畔に大学があるせいかなんとなくアカデミックな雰囲気が漂う久山田ダムです。
広島県東部の備後地区は昔から良質の花崗岩の産地で、江戸時代より福山藩は石組の名手として知られ江戸後期には純和風の技術によって日本最古の砂防ダムといわれる堂々川砂留群が建設されました。
今でもこの地域の農耕地の土手の大半が石垣となっており、こうした石の文化の蓄積の上に久山田ダムが花開いたといっても過言ではないかもしれません。
 
1927 久山田ダム(久山田貯水池堰堤)(0965)
登録有形文化財
近代土木遺産Cランク
広島県尾道市久山田町
栗原川水系栗原川
22.5メートル
75メートル
尾道市水道局
1924年

栗原ダム(門田貯水池堰堤)

2017-05-10 19:06:30 | 広島県
2017年5月5日 栗原ダム(門田貯水池堰堤)
 
栗原ダムは広島県尾道市の栗原川にあるコンクリートダムで、大正年間に建設された石張の砂防ダムを1950年(昭和25年)に改修して上水道水源としました。
その後尾道市水道局が沼田川水道用水供給事業からの供給を受けることになったため、栗原ダムは上水道水源としての役目を終えました。
現在も尾道市水道局が管理を行っていますが、水道水の供給は行われておらず再び砂防ダムとして機能しています。
 
国道2号線尾道バイパスから市道を北に折れ、門田トンネルを抜けるとすぐに右折すると右手に栗原ダムが見えてきます。
ダム便覧の写真で見られるクレスト部分の水通しは撤去されコンクリート製の越流面になっています。
手前の空き地にはかつて浄水場があったんでしょうが、今は炭焼きの里という施設になっています。
 
もともとが砂防ダムだった影響でしょうが、下流面はほぼ垂直の直線状でちょっと他の石積堰堤とは全く異なった表情です。
直下には減勢工があり、副ダムももちろん石積です。
 
下から見上げると絶壁!
オリンピックに正式採用されたフリークライミングの練習場にいかが?
 
手前のコンクリートの出っ張りには取水用のスピンドルが並びます。
 
各種ダム訪問記では『薄い』と表現されていますが、木が茂り薄さは実感できません。
 
コンクリート製の越流面に改修されたことで堤体の断面を見ることができます。
 
地元では栗原ダムという呼び方はせず、門田貯水池と呼ぶのが一般的のようです。
栗原川のすぐ上流には今も現役で稼働している同じく石張堰堤の久山田ダムがあります。
 
1949 栗原ダム(門田貯水池堰堤)(0964)
広島県尾道市栗原町
栗原川水系栗原川
19メートル
90メートル
尾道市
1950年

椋梨ダム

2017-04-14 14:45:37 | 広島県
2017年4月8日 椋梨ダム
 
三原市から尾道、福山にかけての臨海部は1960年代以降臨海工業地帯として発展、多数の工場が進出するとともに人口も増加し上水道用水及び工業用水の需要が大幅に増加しました。
一方広島県中央部から東広島市を経て三原市中心部を東西に横断する沼田川については流域の宅地化、都市化の進展に伴う抜本的な洪水対策が必要となっ;/沼田川総合開発事業を策定、広島県を中心として、藤井川上水道企業団、三原市、中国電力の共同事業として1.968年(昭和43年)に沼田川の主要左支流に建設されたのが椋梨ダムです。
椋梨ダムは椋梨川及び沼田川の洪水調節、三原市を中心とした瀬戸内海沿岸都市及び島嶼部への上水道用水の供給、三原市から福山市に至る臨海工業地帯への工業用紙の供給を目的とするほか、中国電力椋梨川発電所で最大2万3100キロワットの発電を行っています。
さらに2008年(平成19年)に沼田川本流上流に福富ダムが完成し、沼田川水系の洪水調節は万全のものとなりました。
 
椋梨ダムは国道432号線沿いにあり河内から国道を北上するとダムに到着します。
ダム右岸に駐車場がありここに車を置いて見学をします。
下流からの展望ポイントがなく樹間から辛うじてゲートを見ることができます。
クレストは赤いラジアルゲートが2門。
 
右岸の国道から
前面にせり出したゲート操作室が特徴的。
堤体は左岸側でわずかに湾曲しています。
 
ゲート操作室をズームアップ。
 
上流面。
 
さらに上流から
左岸に管理事務所があり常時ダムカードがもらえます
やはり赤いゲートと操作室に目が行きます。
 
背の高い導流壁。
 
天端は車両通行可能。
 
減勢工
右手から河川維持放流が行われています。
 
左岸から下流面
堤体が湾曲しているのがわかります。
 
管理事務所向かいの竣工記念碑。
 
味のあるダムですが、下流からの展望スポットがないのが玉にキズ。
 
1974 椋梨ダム(0921)
広島県東広島市河内町小田
沼田川水系椋梨川
FWIP
 
39.5メートル
213.4メートル
広島県
1968年
◎治水協定が締結されたダム

仁賀ダム

2017-04-14 13:50:45 | 広島県
2017年4月8日 仁賀ダム
 
仁賀ダムは広島県竹原市の賀茂川本流にある広島県営の重力式コンクリートダムです。
賀茂川は広島県中央部の瀬戸内海沿岸部にあり竹原市街地を縦断して瀬戸内海に注ぐ全長28.7キロの二級河川で、戦後の河川改修にもかかわらず豪雨のたびに氾濫を繰り返し、とくに1967年(昭和42年)、1999年(平成11年)には流域で大きな洪水被害が発生しました。
一方で賀茂川は竹原市の貴重な灌漑用水源となっていますが、夏場の水不足による干ばつ被害も頻発していました。
これらの諸課題に対処するために広島県の事業で1970年(昭和45年)に計画着手され2011年(平成23年)に完成したのが仁賀ダムで、ダムは賀茂川の洪水調節、既得取水権への補給と適正な河川流量の維持を目的としています。
 
仁賀ダムは県道330号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずは下流から。
 
県道からダムと正対できます
クレストは自由越流式洪水吐が4門、オリフィスは自由調節式が1門のゲートレスダムです。
 
右岸上流から
右手は取水設備、左手は量水設備です。
 
親柱には仁賀ダムの銘とお姫様の絵柄
竹原ということで竹取物語からかぐや姫をモチーフにしているようです。
 
ダム下公園にも巨大なかぐや姫の絵が!
竹取物語は藤原京時代の大和の国のお話・・・竹つながりとは言えかなり苦しいこじつけ・・・。
 
減勢工と利水放流設備
背の高い堤趾導流壁が特徴。
 
天端は車両通行可能
左手は管理事務所で常時ダムカードがもらえます。
 
ダム湖(芙蓉湖)とダム湖に掛かる県道330号の斜張橋。
 
左岸から上流面。
 
 
新しいダムなのでダム周辺はよく整備されています。
ダム湖周辺のヤマザクラがちょうど見ごろでしたがあいにくの霧でちょっと残念。
 
1995 仁賀ダム(0920)
広島県竹原市仁賀町
賀茂川水系賀茂川
FN
 
47メートル
154メートル
広島県
2011年
◎治水協定が締結されたダム

野呂川ダム

2017-04-14 12:41:10 | 広島県
2017年4月8日 野呂川ダム
 
野呂川ダムは広島県呉市安浦町の野呂川本流にある広島県営の重力式コンクリートダムです。
野呂川は呉市東部の安浦町市街地を貫流して瀬戸内海に注ぐ流路延長10キロの河川ですが、10キロの間に標高差800メートルを流下する急流河川となっており豪雨のたびに洪水被害が発生していました。
とりわけ1967年(昭和42年)7月の集中豪雨では甚大な洪水被害が発生し抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。
これを受けて広島県の事業により1969年(昭和44年)に着工、1975年(昭和50年)に竣工したのが野呂川ダムで、ダムは野呂川の洪水調節、既得取水権への補給と適正な河川流量の維持を目的としています。
 
東広島呉道路黒瀬インターから県道34号を呉市安浦方面に東進し、広島国際大学のキャンパスを過ぎ呉市に入ると野呂川ダムへの標識が現れます。これに従って右折すると左手に野呂川ダムの赤いゲートが見えてきます。
 
右岸下流から
クレストは赤いラジアルゲートが1門で放流が行われています。
 
堤体直下まで近づくことができます。
 
下流面。
 
天端は車両通行可能
ゲートピア左岸側にらせん階段があります。
 
ダム湖(野呂峡やすらぎ湖)。
 
減勢工
左手は利水放流設備。
 
左岸の管理事務所
インクラインと艇庫が併設されています。
 
左岸から
満開の桜と赤いゲートがいいマッチング。
ゲート手前は取水設備。
 
管理事務所裏手には分解された予備ゲートが格納されていました。
 
シングルゲートながら赤いラジアルゲートからのクレスト放流はなかなか見ごたえがありました。
 
1981 野呂川ダム(0919)
広島県呉市安浦町中畑
野呂川水系野呂川
FN
 
44.8メートル
170メートル
広島県
1975年
◎治水協定が締結されたダム

二級ダム

2017-04-14 00:31:06 | 広島県
2017年4月8日 二級ダム
 
二級ダムは広島県呉市の黒瀬川にある広島県および中国電力が共同管理を行う工水・発電目的の重力式コンクリートダムです。
呉市および呉海軍工廠への上水道及び電力供給を目的に1940年(昭和15年)に広島県・日本発送電・帝国海軍共同の河水統制事業として建設着手され1942年(昭和17年)に竣工しました。
河水統制事業によって建設されたダムとしては山口県の向道ダムに次ぎ2例目のダムとなっており、河川総合開発事業の初期例となっています。
戦後二級ダムの水道事業は呉市水道局に移管され、当初は上水道用水及び工業用水の供給を行っていましたが1997年(平成9年)に黒瀬川の水質悪化を理由に上水道事業は休止(実質的に廃止)しています。
発電事業は日本発送電の分割民営化により中国電力が継承し、広発電所で最大4800キロワットの発電を行っています。
二級ダムは河川法17条の『兼用工作物』による多目的ダムで、規定により現在は中国電力が管理業務を代行しています。
 
ダムの下流は花崗岩の巨岩が点在する二級峡という渓谷になっており、ダムからハイキングコースが続いているほかダムの堤体も中国自然歩道のコースになっています。
 
国道375号を南下し、二級峡トンネル手前で右の旧道に入ると二級ダム左岸に到着します。
車止めのゲートのすぐ先に管理事務所があります。
 
クレストには4門のローラーゲートが並びます
ゲートピアには管理橋はなくワイヤーが張られているのが特徴です。
 
天端は中国自然歩道のハイキングコースになっています。
 
ローラーゲートを上から。
 
ダムの下流は花崗岩がむき出した二級渓谷が続きます。
 
発電所の取水口。
 
右岸から。
 
左岸の管理所脇を下るとダムの直下に下りることができます
導流面左岸側がいかにも戦前戦中のダムらしい作りになっています
またコンクリートの打継面も時代感ありあり・・・。
 
濃霧のためくすんだ写真になっているのが残念、できれば青空のもとで見たかったなあ・・・。
 
1941 二級ダム(0918)
広島県呉市郷原町
二級川水系二級川
IP
32メートル
89メートル
広島県・中国電力
1942年
◎治水協定が締結されたダム

本庄ダム

2017-04-13 17:01:14 | 広島県
2017年4月8日 本庄ダム
 
本庄ダムは広島県呉市の二河川にある呉市上下水道局が管理する上水道用水及び工業用水供給を目的とする曲線重力式コンクリートダムです。
1917年(大正6年)に帝国海軍呉鎮守府の軍用水道『呉鎮守府水道』の水源として建設され、完成当時は東洋一の規模といわれました。
完成直後より軍用水道のほか余水を平原上水場を経由して呉市上水道に分与しており、戦後は国から呉市に移管され現在に至っています。
1999年(平成11年)に『本庄水源地堰堤水道施設』として稼働中のダムとしては初めて重要文化財に指定されたほか、堰堤と取水塔はAランク、その他関連施設はBランクの近代土木遺産に指定されています。
また堰堤および貯水池は『二河水源地』として近代水道百選に、ダム湖の『本庄貯水池』はダム湖百選に選ばれています。
 
本庄ダム及び貯水池一帯は浄水場水源ということで普段は立ち入りが制限されていますが、毎年桜の開花に合わせて2週間程度一般公開されています。今回はたまたま公開時期に岡山県のダム巡りを計画していたことから急きょ本庄ダムの見学を予定に組み入れました。
本庄貯水池は県道31号沿いに位置し、車で走るとすぐに確認できますが、見学者用の駐車場の入口がわかりづらく何度も往復を余儀なくされました。
 
堤体直下の駐車場を下りてまず向かったのが右岸のカスケード
堰堤右岸側に本庄ダム建設により付け替えられた二河川が流れており、貯水池上流の溢流堤からの水を併せてカスケードの落差工を流下します。
実はこのカスケード河床も石張になっており、二河川落差工としてBランクの近代土木遺産に選定されています。
 
 
丸井戸
二河川から直接取水された水の沈砂施設です。
 
ダムを正面から
右手は第一量水井 取水された水を浄水場に送水する施設です。
 
クレストが前面にせり出しているので堤体はローマ字の『R』を描いたような形状です。
堤体は花崗岩が切り石積みされ、等間隔の控壁がダムを柔和な表情にしています。
 
取水口からの樋門。
 
堤体中央に取水設備があります。
 
縦にはR字を描きつつ、緩やかに曲線を描きます。
 
天端を見れば曲線を描いていることがよくわかります。
 
親柱とアーチを描く高欄の意匠。
 
上流面
水に隠れていますが上流面にも控壁があるようです。
 
今年は桜の開花が遅れたため花はまだ五分咲き
土曜日にもかかわらず堤体の見学者は数えるほど・・・。
 
重要文化財の碑。
 
ダム湖百選の石碑。
 
今まで石積みの堰堤はいくつかみてきましたが重厚感を保ちつつも非常に柔和なイメージを持つ稀有な堰堤です。
R字の断面や緩やかな曲線、控壁、そして本体に洪水吐がないことも他の石積堰堤とは違う印象を持つ大きな要素なのかもしれません。
せっかく訪問したにもかかわらず、今回右岸上流側に洪水吐である溢流堤を見ないまま立ち去ってしまいました。
再訪する機会があるならば次回は一日かけて本庄ダムを堪能したいところです。
広島県呉市押込町
二河川水系二河川
WI
25.4メートル
97メートル
呉市上下水道局
1917年
◎治水協定が締結されたダム

呉地大池

2017-04-13 15:46:00 | 広島県
2017年4月8日 呉地大池
 
呉地大池は広島県安芸郡熊野町にある灌漑用の重力式コンクリートダムで、ダム便覧によれば広島県の事業で1958年(昭和33年)に建設されました。
 
県道174号線の皇帝橋から呉地4丁目の集落に入り呉地川沿いの隘路をひたすら進むと道路の右手に呉地大池の堤体が現れます。
自由越流式洪水吐1門の坊主ダムで薄く越流しています。
 
堤体や越流面は時代感ありありのコンクリートですが、樹木が邪魔でダムを真下から見れるポイントがありません。
 
右岸上流から。
 
古いダムによくみられる円形の取水設備。
 
天端は立ち入り可能。
 
 
天端から。
 
総貯水容量6万3000立米の小さな貯水池です。
 
右岸から天端と取水設備。
 
堤体のコンクリートは竣工から60年経過した時代感がありあり、ダム周辺も広島特有の松林が広がりなかなかいい雰囲気。
あいにくの天気が残念でした。
 
3563 呉地大池(0916)
岡山県安芸郡熊野町呉地地先
二河川水系関川
15メートル
100メートル
管理者未確認
1958年

黒瀬ダム

2017-04-13 14:42:16 | 広島県
2017年4月8日 黒瀬ダム
 
黒瀬ダムは広島県東広島市黒瀬町にある灌漑用ロックフィルダムで、広島県のかんがい排水事業で1988年(平成元年)に建設され当初は黒瀬町が管理を行っていましたが市町村合併に伴い現在は東広島市が管理を行っています。
 
国道375号線の駐在所前交差点に『黒瀬ダム』を示す標識がありこれに従って市道を北上、山陽新幹線の高架をくぐり東広島呉道路を抜けると黒瀬ダムに到着します。
堤体直下からリップラップ。
 
右岸の竣工記念碑。
 
右岸の洪水吐。
 
 
 
舗装路がダム湖を周回しており天端も車両通行可能。
 
霧のため景色が閉ざされていますが、ダムの周りはこの地方特有の花崗岩質の松山が広がっています。
湖岸には公園が設置され、インレットにはバラ園もあり花の季節には市民の憩いの場となっているようです。
 
天端からの眺め
ダム完成時はダム下も公園として整備されたようですが今は空き地状態
左に太陽光パネル、右手の高架橋は東広島呉道路、さらにその先に山陽新幹線が走っており列車が通過するたびに轟音が響きます。
 
上流面。
 
左岸の斜樋。
 
ダム周辺は公園として整備されているようですが、生憎の小雨と霧のため風景は隠されたままでした。
晴れた日に訪問したかった黒瀬ダムです。
 
1994 黒瀬ダム(0915)
広島県東広島市黒瀬町宗近柳町
黒瀬川水系ガガラ川
30メートル
197メートル
東広島市
1988年

小田山池

2017-04-13 13:37:33 | 広島県
2017年4月8日 小田山池
 
小田山池は広島県東広島市西条町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1961年(昭和36年)に中国四国農政局の事業により建設されました。
管理は受益者で組織される水利組合が行っています。
 
県道338号線の広島東映カントリークラブ入口から1.5キロほど南下すると小さな十字路があります。
ここを右折して隘路を西進すると小田山池右岸に到着します。
右岸の斜樋脇に駐車スペースがありここに駐車して池を見学します。
上流面下部は石積み。
 
天端には轍がありますが左岸で行き止まり。
 
右岸の斜樋。
 
貯水池は総貯水容量18万7000立米
この地方特有の花崗岩質の樹林に囲まれていますが深い霧に包まれています。
 
下流面。
 
左岸の洪水吐
薄く越流しています。
 
1963 小田山池(0914)
広島県東広島市西条町郷曽
黒瀬川水系小田山川
15.6メートル
150.7メートル
小山田池水利組合
1961年

椛の木ダム

2017-04-13 12:36:33 | 広島県
2017年4月8日 椛の木ダム
 
椛の木で『かわのき』と読みます。
椛の木ダムは広島県東広島市八本松町にある灌漑用アースダムで、竣工記念碑によれば1981年(昭和56年)に東広島市の団体営かんがい排水事業によって建設され現在は東広島市吉川土地改良区が管理を行っています。
 
椛の木ダムへは広島東映カントリークラブの敷地を通らなければなりません。ダムの関係者は自由に出入りしているようですが、わたしは部外者のため念のためゴルフ場の責任者の方の許可を得てダムへ向かいました。
クラブハウスからゴルフコースの間を南西に延びる道を進むと椛の木ダムの堤体が見えてきます。
堤頂長220メートルと溜池としては比較的大きなダムで、堤体を車道が斜行しています。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
減勢工。
バッフルピアが一列並びます
 
天端は車両通行可能
貯水池を車道が周回しています。
 
上流面
コンクリートで補強されています。
 
天端からの眺め
霧で見えませんがすぐ下流にはゴルフ場が広がっています。
 
立派な堤体の割には総貯水容量21万立米と小ぶりな貯水池です。
 
左岸の斜樋。
 
御影石の立派な竣工記念碑。
 
洪水吐。
 
2000 椛の木ダム(0913)
広島県東広島市八本松町吉川
黒瀬川水系戸坂川
26.8メートル
220メートル
東広島市吉川土地改良区
1984年

深道ダム

2017-04-13 11:34:18 | 広島県
2017年4月8日 深道ダム
 
深道で『ふかどう』と読みます。
深道ダムは広島県東広島市西条町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1968年(昭和43年)に土地改良区の事業で建設され現在は受益者で組織される柏原水利組合が管理を行っています。
 
県道331号線から吉川工業団地へ向かう市道を南下し一ツ橋バス停から南西に伸びる道路に入ります。舗装が終了する路肩に車を置いてダートの道を数百メートル歩けば深道ダムの下流面が見えてきます。
 
下流面の基部には石が葺かれています。
 
堤体の下には斜樋からの底樋吐き口。
 
天端には轍があります
軽トラ程度なら走行可能ですが、左岸で行き止まりです。
 
上流面も石積み。
 
 
右岸の斜樋。
 
総貯水容量16万立米の小さな溜池
周辺には花崗岩質の松山が広がりますが濃霧で視界が限られます。
 
左岸洪水吐
洪水吐手前は石敷になっています。
 
洪水吐は薄く越流しています
越流面には水止めの木板を嵌め込む突起があります。
 
洪水吐導流部。
 
1975 深道ダム(0912)
広島県東広島市西条町郷曽
黒瀬川水系黒瀬川
15メートル
78.6メートル
柏原水利組合
1968年

第2千足池

2017-04-13 02:54:11 | 広島県
2017年4月8日 第2千足池
 
第2千足池は広島県東広島市西条町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1965年(昭和40年)に広島県の事業で建設されました。
第2千足池の下流には農水省の事業で建設され貯水池がより大規模な千足池がありますが、こちらは堤高が15メートルに満たないためダム便覧には掲載されていません。
千足池、第2千足池ともに千足池水利組合が管理を行っています。
 
東広島呉道の下三永福本インターから県道32号に入り千足池をやり過ごして南下し、1キロほど走った先を左折すると第2千足池に到着します。
訪問時下4月8日の早朝は濃い霧が広がり視界が限定される中での見学となりました。
右岸の洪水吐。
 
アングルを変えて
薄く越流しています。
 
洪水吐導流部。
 
下流から洪水吐導流部。
 
下流面
基部はコンクリートで補強されています。
 
天端には轍がありますが対岸で行き止まり。
 
右岸の斜樋。
 
総貯水容量12万5000立米と小ぶりな溜池。
 
上流面は石積みで補強。
 
とにかくひどい濃霧で池周辺の景色も眺めることができませんでした。
 
1970 第2千足池(0911)
広島県東広島市西条町福本
黒瀬川水系松板川
18.2メートル
101.7メートル
千足池水利組合
1965年

三河ダム

2017-01-09 13:53:10 | 広島県
2016年12月25日 三河ダム
 
三河で『みごう』と読みます。
三河ダムは広島県三原市の沼田川水系三河ダムにある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農水省の補助を受けた広島県のかんがい排水事業で2003年(平成15年)に建設され、運用開始後は旧久井町と旧大和町が受託管理をしていましたが、2005年の市町合併により現在は三原市の管理となっています。
旧久井町と大和町のいわゆる『賀茂台地』に広がる農耕地への灌漑用水の水源となっています。
 
県道345号に続く農免道路に三河ダムの標識がありこれに従って進むと三河ダムに到着します。
まずは下流から
クレストは自由越流式洪水吐が2門
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
 
左岸ダムサイトにある『みごう湖』の石碑。
 
左岸から下流面。
 
上流面
手前に取水設備があります。
 
天端は車道で車両通行可。
 
ダム湖(みごう湖)
総貯水容量は166万立米で灌漑専用ダムとしては広島県では最大規模です。
 
減勢工
右手の小さな建物は利水放流設備建屋
奥の大きな建物は揚水機場。
 
揚水機場から左手の鉄管を通じて水をポンプアップします。
同じような設備は奈良県の上津ダムでもありました。
 
右岸から下流面
正面に揚水機場からの鉄管が見えます。
左奥は管理事務所。
 
北の世羅町には三川ダムがありちょっと紛らわしい三川ダムです。
ちなみに県内の福山には四川ダムもありますますややこしい。
 
3134 三河ダム(0772)
広島県三原市久井町山中野
沼田川水系三河川
28.2メートル
136メートル
三原市
2003年
◎治水協定が締結されたダム