ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

神崎大池

2017-01-09 13:07:47 | 広島県
2016年12月25日 神崎大池
 
神崎大池は広島県世羅郡世羅町の中心市街南部、三原市との境界近くにある灌漑用アースダムで土地改良区によって1950年(昭和25年)に建設されました。
 
役場のある中心部から県道25号で三原方面に南下、東神崎バス停から町道を東進し牛の飼育舎を過ぎると神崎大池に到着します。
神崎大池は改修工事中でしたが25日は休日のため休工でのんびり見学することができました。
左岸から下流面。
 
天端は工事のため立入禁止。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
下流面。
 
 
洪水吐。
 
上流面
改修されたばかりの真っ白いコンクリートブロックが並びます。
 
工事のため、池の水は抜かれています。
 
右岸の斜樋を遠望。
 
日曜日で休工だったためのんびり見学することができました。
 
1948 神崎大池(0771)
広島県世羅郡世羅町東神崎
芦田川水系神崎川
 
17.9メートル
133メートル
1950年

三川ダム(再)

2017-01-08 16:30:06 | 広島県
2016年12月25日 三川ダム(再)
 
三川ダムは広島県世羅郡世羅町の芦田川中流にある多目的重力式コンクリートダムで農林省の『国営芦田川農業水利事業』の中核として1959年(昭和34年)に建設され完成後に広島県に移管されました。
その後、当時の日本鋼管(現JFE)が福山に高炉製鉄所建設を決定、工業用水、上水道の需要増加が見込まれたことから1968年(昭和43年)から堤高を5メートルかさ上げする再開発に着手、1973年(昭和48年)に再開発事業が竣工しました。
三川ダムは灌漑用水、工業用水、上水道の供給を目的とするほか、2016年(平成28年)には三川ダム小水力発電所が完成し管理用電力として最大出力130キロワットの発電を行っています。
 
広域農道の『世羅高原ふれあいロード』がダム下流を通っており堤体を直下から見上げることができます。
クレストは3門のローラーゲートでゲートビアには豪雪地帯のような屋根つきの操作棟が設置されています。
ゲートの左手(右岸)には取水設備が見えます。
 
アングルを変えて
右岸(向かって左)に完成したばかりの小水力発電所があります。
 
右岸から。
 
天端は車道で車両通行可能です。
 
減勢工は湾曲しており2基の副ダムのほか直線状のコンクリートが2本設置されています。
また導流壁を隔てて右岸側にはバブル部放流や利水放流からの導水路が設置されています。
白トビしていますが、右手の建屋は3月に完成したばかりの河川維持放流を利用した小水力発電所です。
 
ダム湖(神農湖)。
 
左岸から。
 
 
 
ダム湖左岸上流から
左から3門のローラーゲート、取水設備、管理事務所とインクライン
管理事務所の奥にはプラントが残ります。
管理事務所背後の丸い山は山口城址です。
 
再開発された三川ダムですが、洪水調節を持たないほか、水需要見通しの増加が想定をさらに上回ったため下流に新たに八田原ダムが建設されることになります。
 
追記
三川ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1959 三川ダム(再)(0770)
広島県世羅郡世羅町伊尾
芦田川水系芦田川
AWI
 
53メートル
154.2メートル
12698㎥/12307㎥
広島県農林水産局
1959年竣工
1973年再開発
◎治水協定が締結されたダム

山田川ダム

2017-01-08 15:16:58 | 広島県
2016年12月25日 山田川ダム
 
山田川ダムは広島県世羅郡世羅町の芦田川水系山田川にある広島県営の多目的重力式コンクリートダムで山田川総合開発事業の中核として2005年(平成17年)に竣工しました。
山田川の洪水調節、既得取水権への補強及び河川流量の維持、上水道の水源を目的としており、ダム湖の播磨湖の総貯水容量が70万立米ということで広島県初の生活貯水池となっています。
 
世羅町中心部から県道51号を北上し、山田川ダムの標識に従って県道56号を右折すると山田川ダムに到着します。
ダム右岸に駐車場があり管理事務所でダムカードをもらったあとダムを見学しました。
右岸上流から
クレストは2門の自由越流式洪水吐、中央にオリフィスゲートが見えます。
奥は取水設備です。
 
右岸から下流面。
堤体は左岸側が少し湾曲しています。
 
天端は車道で車両通行可能。
 
洪水吐
オリフィスから放流されています。
左手は利水放流設備の建屋。
 
ダム湖(播磨湖)は総貯水容量70立米で100万立米未満ということでいわゆる生活貯水池のカテゴリーです。
 
堤体は左岸側が湾曲しています。
 
左岸から下流面。
 
左岸から上流面
対岸に管理事務所があります。
 
ダム湖上流から。
 
堤体直下に下りることもできましたが、ちょうどもろ逆光となりいい写真を撮ることができませんでした。
 
追記
野間川ダムには46万立米の洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに2万1000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3089 山田川ダム(0769)
広島県世羅郡世羅町別迫
芦田川水系山田川
FNW
 
32.1メートル
204.8メートル
広島県
2005年
◎治水協定が締結されたダム

板木溜池

2017-01-08 14:41:16 | 広島県
2016年12月25日 板木溜池
 
板木溜池は広島県三次市三和町にある灌漑用アースダムで、広島県の事業で1983年(昭和58年)に整備され土地改良区が管理を行っています。
 
三次市三和町中心街から県道52号~438号を進み板木ダムの標識に従って右折すると板木溜池に到着します。
ダム便覧では『板木溜池』となっていますが現地の標識や道路マップでは『板木ダム』と記載されています。
右岸にある竣工記念碑にも『板木ダム堰堤』と書かれています。
 
天端は関係者以外立ち入り禁止。
左岸にある洪水吐を見ることができません。
 
下流面
ダム周辺は松林が続きます。
 
洪水吐を遠望。
 
天端。
 
溜池は総貯水容量30万立米。
溜池の奥に湯船山キャンプ場がありますが、あまり利用されている風はありません。
 
右岸の斜樋。
 
下流面。
 
天端が立ち入り禁止のため洪水吐を間近で見ることができなかったのが残念です。
 
追記
板木溜池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに10万4000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1986 板木溜池(0768)
広島県三次市三和町羽出庭
江の川水系板木川
 
33メートル
186メートル
三次市土地改良区
1983年
◎治水協定が締結されたダム

目谷ダム

2017-01-08 13:07:51 | 広島県
2016年12月25日 目谷ダム
 
目谷ダムは広島県世羅郡世羅町にあるロックフィルダムで、農水省の広島中部台地開拓建設事業により1986年(昭和61年)に建設され京丸ダムとともに広島中部台地土地改良施設管理組合が受託管理を行っています。
広島中部台地地区へ灌漑用水を供給するほか、目谷地区の上水道の水源にもなっています。
 
広域農道世羅高原ふれあいロードから県道407号を北上すると目谷ダム左岸に到着します。
左岸から天端へ通じる管理道路は関係者以外立ち入り禁止のため湖岸の樹間から上流面と洪水吐を遠望。
 
右岸の洪水吐と斜樋
奥は管理事務所。
 
ダム下流に回り込んでみます
洪水吐から越流しています。
 
堤体は地山を残してロックフィルが築造されています。
 
右岸から上流面。
 
 
残念ながら管理事務所のゲートが閉まり堤体に入ることができませんでした。
 
竣工記念碑
管理事務所前は小さな公園になっており桜が多数植えられています。
春には美しい眺めが広がるんでしょうね?
 
追記
目谷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに5万6000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1989 目谷ダム(0767)
広島県世羅郡世羅町徳市
江の川水系黒渕川
AW
 
49.7メートル
250メートル
広島中部台地土地改良施設管理組合
1986年
◎治水協定が締結されたダム

直助溜池

2017-01-06 22:49:34 | 広島県
2016年12月25日 直助溜池
 
直助溜池は広島県世羅郡世羅町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、ダム便覧によれば1956年(昭和31年)に建設されました。
ダム便覧では河川は江の川水系長田川となっていますが、実際に地図で確認すると長田川とはかなり離れており江の川水系戸張川源流部に位置しています。
 
京丸ダムから県道408号線を北上、世羅高原ふれあいロードと交差すると県道は隘路になりますが気にせず直進すると右手に折り返すように直助溜池へのダートの林道が分岐します。
今回は片道約1キロの林道を歩いて溜池に到達しました。
右岸から天端。
天端には轍が残っています。
 
上流面
コンクリート等での補強はありません。
 
右岸の斜樋
ずいぶん錆ついていますが、水が流れる音がしており現役で稼働しているようです。
 
天端から斜樋を遠望。
 
溜池は10万6000立米と小ぶりなサイズです。
 
右岸から天端
周辺は松林が続いておりマツタケ山になっています。
時期が時期なら多摩ナンバーで乗り付けた私は明らかに不審者です。
 
下流面。
 
左岸洪水吐。
 
世羅町は農水省の広島中部台地開拓建設事業で2基のダムが建設されるなど灌漑設備が整備・近代化されましたが、直助溜池は現在も戸張川下流域の安田地区の貴重な水源となっているようです。
 
3551 直助溜池(0766)
広島県世羅郡世羅町安田
江の川水系戸張川
 
16メートル
77メートル
管理者未確認
1956年

京丸ダム

2017-01-06 18:47:07 | 広島県
2016年12月25日 京丸ダム
 
京丸ダムは広島県世羅郡世羅町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、農水省の広島中部台地開拓建設事業により1996年(平成8年)に建設され、広島中部台地土地改良施設管理組合が受託管理を行っています。
 
京丸ダムは県道408号線沿いにあり、簡単に到達することができます。
まずは下流から
クレストに3門の自由越流式洪水吐があり、右岸(写真左手)に利水放流設備があります。
 
右岸県道沿いにある管理事務所。
 
天端は車道で通行可能。
 
三角屋根の取水設備機械室
天端の照明のデザインもなかなかシック。
 
ダム湖(香竜湖)は総貯水容量49万9000立米と溜池並みの規模。
 
減勢工
右手は利水放流設備。
 
アングルを変えて。
 
越流面
薄く越流しています。
 
上流面。
 
 
1990 京丸ダム(0765)
広島県世羅郡世羅町京丸
芦田川水系京丸川
 
25.5メートル
117メートル
広島中部台地土地改良施設管理組合
1996年
◎治水協定が締結されたダム

神田大池

2017-01-06 17:43:43 | 広島県
2016年12月25日 神田大池
 
神田大池は広島県三原市大和町の芦田川源流部にある灌漑用アースダムで、1989年(平成元年)に広島県の事業で整備され神田土地改良区が管理を行っています。
 
神田大池は県道45号沿いにあり簡単に到達することができます。
右岸から上流面
コンクリートで補強されています。
 
天端は車両で進むことができますが、左岸の洪水吐で切れ落ちており行き止まり。
 
天端から
典型的な農村風景が広がります。
 
溜池の総貯水容量は55万立米で溜池としては比較的大きなサイズ。
 
右岸の斜樋。
 
堤体には阿弥陀様が鎮座。
 
左岸の洪水吐。
 
下流面。
 
斜樋からの底樋吐口
扇形のちょっと変わった分水工。
 
右岸側の用水路。
 
堤体直下から。
 
洪水吐ではきれいな鱗が見えました。
トンネルは仮排水路でしょうか?
 
全国的には非常に珍しい、一級河川本線上にある灌漑目的の溜池です。
 
追記
神田大池は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに19万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1964 神田大池(0764)
広島県三原市大和町萩原
芦田川水系芦田川
 
22.3メートル
119メートル
三原市大和町神田土地改良区
1989年
◎治水協定が締結されたダム

黒ボヤ池

2017-01-06 15:00:08 | 広島県
2016年12月25日 黒ボヤ池
 
黒ボヤ池は広島県東広島市福富町にある灌漑用アースダムで、1940年(昭和15年)に受益地区によって建設されました。現在は池の受益者で構成されるくろぼや溜池管理役員会が管理を行っています。
現地では『クロボヤ』の表記が一般的で『クロボヤ』とは『炭を焼く場所』の意だそうです。
黒ボヤ池の上流にあるクロボヤ渓谷は広島県では最大規模のシャクナゲの自生地として知られ開花時期には多くのハイカーや観光客が訪問するそうです。
 
県道33号から県道80号を北上し、上ノ原牧場を過ぎると分岐となりクロボヤ渓谷の表記に従って左手の道を取ればクロボヤ渓谷の駐車場に到着します。
クロボヤ渓谷の駐車場。
 
シャクナゲ自生地の説明板。
 
駐車場の手前に黒ボヤ池があります。
 
堤体中央の斜樋。
 
右岸の洪水吐。
 
アングルをかえて。
 
残念ながら堤体は立入禁止。
 
クロボヤ池の標識。
 
下流からの洪水吐。
 
シーズンオフなので人っ子一人いませんが、シャクナゲのシーズンは車両の進入規制が入るほどの多くのハイカーでにぎわうようです。
 
1937 黒ボヤ池(0763)
広島県東広島市福富町上竹仁
沼田川水系沼田川
 
15.5メートル
67メートル
くろぼや溜池管理役員会
1940年

大久保ダム

2017-01-06 14:07:22 | 広島県
2016年12月25日 大久保ダム
 
大久保ダムは広島県東広島市高屋町にある灌漑用アースダムで、広島県の事業で1974年(昭和49年)に建設され、東広島市が管理を行っています。
 
ダムは国道375号線沿いにあり、国道から堤体を正対することができます。
国道375号線から。
 
向かって右手は洪水吐導流部、左手は取水設備からの用水路
ダムの直下で合流します。
 
堤体上流面
コンクリートで補強されています。
 
天端
轍がありますが関係者以外立ち入り禁止。
 
左岸の洪水吐。
 
アングルをかえて。
 
斜樋を遠望。
 
ダム湖、総貯水容量25万5000立米。
 
堤体から
直下を国道375号線が通ります。
ダム下に円筒分水工があります。
 
1979 大久保ダム(0764)
広島県東広島市高屋町稲木
沼田川水系杵原川
 
26メートル
170メートル
東広島市
1974年

千丈ヶ原ダム

2017-01-06 13:08:10 | 広島県
2016年12月25日 千丈ヶ原ダム
 
千丈ヶ原ダムは広島県東広島市河内町、広島空港北側の三原市との境界近くにある灌漑用ロックフィルダムで広島県の事業で1997年(平成9年)に建設され東広島市が受託管理を行っています。ました。
 
空港から県道73号を西進してすぐに県道59号を北に折れ、元妻集落を右手に折れるとダムへの管理道路へ到着します。
管理道路は害獣防護ネットで遮られており、ここから徒歩で約1キロ歩きます。
 
左岸から下流面
大きめの石がきれいに積み上げられています。
 
右岸の斜樋機械室。
 
天端。
 
ダムの下流。
 
ダム湖
総貯水容量は11万3000立米と普通の溜池並みのサイズ。
 
左岸の洪水吐。
 
 
上流面も奇麗なロックフィル。
対岸に管理事務所があります。
 
洪水吐と上流面。
 
3090 千丈ヶ原ダム(0761)
広島県東広島市河内町入野
賀茂川水系葛子川
 
19メートル
98.5メートル
東広島市
1997年
◎治水協定が締結されたダム

竜泉寺ダム

2017-01-05 20:07:20 | 広島県
2016年12月24日 竜泉寺ダム
 
竜泉寺ダムは広島県尾道市木ノ庄町にある重力式コンクリートダムで、1965年(昭和40年)に広島県の事業により建設されました。
藤井川沿岸土地改良区への灌漑用水の供給のほか、尾道市や瀬戸内海島嶼部への上水道供給を目的としており、藤井川沿岸土地改良区が管理を行っています。
 
尾道市街から国道184号を北上し、山陽道を潜ったのち竜泉寺ダムの標識に従って左折し隘路を進むと竜泉寺ダムに到着します。
左岸から下流面。
 
天端は車道になっています。
 
半円形の取水設備。
 
歴史を感じさせるデザイン。
 
 
 
減勢工
河川維持放流が行われています。
 
上流面
左奥は管理事務所。
 
右岸上流からゲートと取水設備。
 
ダム湖上流から。
 
1969 竜泉寺ダム(0760)
広島県尾道市木ノ庄町木門田
藤井川水系木門田川
AW
 
35メートル
106メートル
藤井川沿岸土地改良区
1965年
◎治水協定が締結されたダム

市畑溜池

2017-01-05 18:56:38 | 広島県
2016年12月24日 市畑溜池
 
市畑溜池は広島県尾道市木ノ庄町にある灌漑用アースダムで、1969年(昭和44年)に広島県の事業で建設されました。
市畑溜池の直下には梨成池がありますが市畑溜池から梨成池への天端へ行くことはできません。
 
市畑溜池へのアプローチは非常にややこしく、最初は南の市原集落から進むも道を間違え断念、いったん西の国道184号に出て市畑溜池南西に広がるブドウ畑の間を抜けて何とか到達しました。
 
右岸の洪水吐。
 
溜池。
対岸に斜樋があります。
 
斜樋をズームアップ。
 
天端はダートの車道になっており湖岸を一周しています。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
 
ダム下には放流設備と思われる建屋。
そして梨成池が見えますが、直接梨成池の天端に行くことはできません。
 
梨成池と市畑溜池は近接していますが、直接通じた道がなく市畑溜池へのアプローチにはずいぶん時間がかかってしまいました。
両社の受益者が異なるのか?それとも双子池のような関係なのか?詳細は不明です。
 
1973 市畑溜池(0759)
広島県尾道市木ノ庄町木梨
藤井川水系木梨川
 
18.5メートル
56.1メートル
管理者未確認
1969年

梨成池

2017-01-05 16:51:40 | 広島県
2016年12月24日 梨成池
 
梨成池は広島県尾道市木ノ庄町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧では1997年(平成9年)に梨成池耕地整理組合によって建設となっています。しかし耕地整理組合は戦前の組織であり戦後は組織を引き継いだ土地改良区もしくは水利組が管理を引き継いいると思われます。
いずれにしても具体的な管理者を確認することができませんでした。
梨成池の直上には市畑溜池があり両者は連携して運用されているようですが、梨成池の天端から直接市畑溜池に行くことはできません。
 
県道384号の四通路バス停から市道を南下、ダムへの林道分岐に車をデポしてダートの林道を約1キロ歩くと梨成池に到着します。
 
右岸にある溜池築造記念碑。
 
下流面。
 
ダムの下流。
 
天端
溜池周辺は花崗岩の山が続きます。
 
溜池、この上流に市畑溜池があります。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
手前に斜樋があります。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
このあと市畑溜池へと向かいますが、天端から道路はつながっておらず大きく迂回を余儀なくされました。
 
1926 梨成池(0758)
広島県尾道市木ノ庄町木梨
藤井川水系木梨川
 
15メートル
47.5メートル
管理者未確認
1997年

川井谷調整池

2017-01-05 15:22:07 | 広島県
2016年12月24日 川井谷調整池
 
川井谷調整池は広島県福山市新市町と神石郡神石高原町境界の芦田川水系藤尾川にある防災目的の重力式コンクリートダムで、広島県の事業で1971年(昭和46年)に建設されました。
いわゆる防災専用の穴あきダムです。
 
藤尾川沿いに県道26号を北上し板橋から林道板橋重入線に入りますが、この林道は落石が多く石を除けては進み除けては進みを繰り返しダムまでの約3キロを走るのに15分近くかかってしまいました。
下流から
クレストは全面越流式です。
 
木の枝をかき分け堤体を進みます。
 
かつてここにはダムの銘板が嵌め込まれていたようですが破損したのか?なくなっています。
 
越流面。
 
堤体基部に流路があり、普段はここを水が流れます。
 
堤体周辺には木が茂り落葉期じゃないとその姿を臨むことは難しい状態ですが、今も防災ダムとしてしっかり機能している川井谷調整池です。
 
 
追記
川井谷調整池には農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により併せて4万7000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1977 川井谷調整池(0757)
広島県福山市新市町藤尾
芦田川水系父尾川
 
16.5メートル
33.5メートル
福山市
管理者未確認
1971年
◎治水協定が締結されたダム