ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

沢入堤(畑子沢下溜池)

2016-05-30 13:30:00 | 福島県
2016年5月29日 沢入堤(畑子沢下溜池)
 
沢入堤は福島県喜多方市慶徳町松舞家の阿賀野川水系濁川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では『位置未確認』となる一方経緯度が表示されていますが、福島県ため池データベースには『沢入堤』という溜池は記載がなく、該当地にあるのは『畑子沢下ため池』となっています。
該当地の小字名が『沢入』であることから沢入堤=畑子沢下池で間違いないと思われますが、ため池データベースでは同池の堤高は11メートルとダムの要件を満たしていません。
管理は受益地である豊岡行政区が行っています。
 
溜池へ通じる林道はダートのため、入口となる松野地区から往復4キロを歩くことにします。
磐越西線に沿って進み踏切を越えます。
 
右手に古いトンネルが見えます。
磐越西線の旧松野隧道で、廃線マニアには有名なスポットのようです。
 
溜池の手前500メートルほどにロープが架かっています。
軽やSUVならここまで入れそうです。
 
歩き始めて30分ほどで右手に堤体が見えてきました。
ぱっと見堤高は15メートルあるようには見えません。
ため池データベースの11メートルが妥当か?
 
右岸に洪水吐があります。
 
洪水吐導流部。
 
上流面はコンクリートブロックで補強されています。
 
天端にボートが置かれています。
 
取水設備はは階段式斜樋です。
 
総貯水容量3万立米の小さな溜池。
上流に上池があるようです。
 
天端。
 
0464 沢入堤(畑子沢下溜池)(0421)
ため池コード 072080001 
福島県喜多方市慶徳町松舞家
阿賀野川水系濁川
15メートル(ため池データベース 11メートル
38メートル(ため池データベース 74メートル)
30千㎥(ため池データベース 34千㎥)/30千㎥
豊岡行政区
1933年

大深沢ダム

2016-05-30 13:15:00 | 福島県
2016年5月29日 大深沢ダム
 
大深沢ダムは福島県喜多方市塩川町中屋沢の阿賀野川水系大深沢川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
会津盆地北東部、雄国山南麓1000ヘクタールの農地開発を目的に1970年(昭和45年)に農水省の国営雄国山麓土地改良事業が着手され、その灌漑用水源として1988年(平成元年)に竣工したのが大深沢ダムです。
土地改良事業は1992年(平成4年)に竣工し、大深沢ダムからは約500ヘクタールの農地に灌漑用水が供給されています。
また、もともと当地には東京電力(現東京電力リニューアブルパワー)猪苗代第四発電所の取水堰があり、ダム建設に合わせて取水口も整備されました。
ダムの管理は雄国山麓土地改良区が受託しています。
 
県道337号線を南下して塩川町中屋沢で西に曲がると大深沢ダムに到着します。
ダム左岸から
上流面もロックフィルとなっています。
 
 
左岸に2つの取水設備が見えます。
奥は東京電力リニューアブルパワー猪苗代第四発電所の取水口。
手前が灌漑用水の斜樋。
 
天端は車道になっており、車両の通行ができます。
 
右岸の減勢工です。
立ち入り禁止にもかかわらず釣りをしている人がいます。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
右岸下流から。
草が生え、ぱっと見にはアースダムのように見えますがロックフィルです。
 
平面図です。
取水量を見ると東京電力猪苗代第四発電所への取水量が土地改良区の灌漑用取水量の3倍近くあります。
 
追記
大深沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0530 大深沢ダム(0420)
福島県喜多方市塩川町中屋沢
阿賀野川水系大深沢沢ダム
36.5メートル
157.7メートル
720千㎥/250千㎥
雄国山麓土地改良区
1988年
◎治水協定が締結されたダム

関柴ダム

2016-05-30 13:00:00 | 福島県
2016年5月28日 関柴ダム
 
関柴ダムは福島県喜多方市関柴町下司馬の阿武隈川水系姥堂川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1958年(昭和33年)に福島県の事業で建設され、のちに農水省による国営会津北部農業開発事業による大規模な改修を経て現在に至ります。
管理は会津北部土地改良区が受託しています。
 
喜多方から裏磐梯へと向かう国道459号から姥堂川に沿って北上すると関柴ダムへと到着するはずですが…
ダムへの管理道路はゲートアウト。
 
道路を上流に向かいダムが見える場所を探しますが、樹間から垣間見えるのみ。
 
先ほどの道路の一つ下にも分岐があったので進んでみると、ダムの堤体が見えてきました。
 
そのまま進むと右下に隧道が見えます。
どうやら洪水吐からの導流部のようです。
 
逆方向に踏跡があるので下りてみると・・・
左手は洪水吐の減勢工です。
右手は取水設備からラインで調圧水槽に余水ゲートがついています。 
 
灌漑期ということで水はトンネル導水路に流れてゆきます。
非灌漑期は余水ゲートから姥堂川に戻されると思われます。
 
国土地理院地形図を見てみると、関柴ダムから西に用水路が伸びています。
たぶん上の沈砂池のような施設はこの用水路の呑口だと思われます。
 
大平沼ダム同様、会津北部土地改良区のダムはガードが厳しく、詳細を見ることはできません。
会津北部土地改良区のホームページから関柴ダムの写真を拝借してきました。
手前にインクラインと取水設備、奥には非常に珍しい形の洪水吐が見えます。
この洪水吐!!見てみたい…
 
ガードが厳しいダムですが、ぜひともこの洪水吐は生眼で見たみたい。そんな機会がほしい関柴ダムです。
 
追記
関柴ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0492 関柴ダム(0419)
福島県喜多方市関柴町下柴
阿賀野川水系姥堂川
20メートル
159メートル
934千㎥/934千㎥
会津北部土地改良区
1958年
◎治水協定が締結されたダム

大平沼ダム

2016-05-30 12:15:00 | 福島県
2016年5月28日 大平沼ダム
 
大平沼(おおだいらぬま)ダムは福島県喜多方市熱塩加納町加納の阿武隈川水系濁川にある灌漑目的のアスファルトフェイシングフィルダムです。
もともと天然の沼だったった大平沼が羽越豪雨によって決壊したのを機に、県の災害復興事業によりダム化され1970年(昭和45年)に大平沼ダムとして生まれ変わりました。
ダム便覧ではこの年を竣工年度としており管理は会津北部土地改良区が受託しています。
その後、国営会津北部農業水利事業により大規模な改修が行われ貯水容量は3倍に増大し現在の規模となりました。
また1991年(平成3年)には農業用施設としては初めて小水力発電所(最大出力570キロワット)が設置されました。
ダム便覧ではダムの目的はAPとなっていますが、利水放流や河川維持放流を利用した小水力発電のためダムの目的はAが妥当かと思われます。
 
喜多方から濁川に沿って県道335号線を北上すると大平沼ダムに到着します。
ただしダムの敷地への入り口は門扉で閉ざされています。
 
左岸の洪水吐の上に橋がかかっています。
これは導流部。
 
減勢工はなく、そのまま濁川として下流へ続きます。
 
限られたスペースで放流量を確保するためか洪水吐は大きく湾曲しています。
 
翡翠色の水が非常にきれいです。
 
対岸にインクラインと取水塔があります。
 
周囲は広葉樹で囲まれ、もともと天然沼だった雰囲気を残しています。
 
珍しいアスファルトフェイシングフィルダムということですが、ガードが厳しく全く見ることができません。
湾曲した洪水吐と美しいエメラルドグリーンの水だけが印象に残ったダムでした。
 
追記
大平沼ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3408 大平沼ダム(0417)
福島県喜多方市熱塩加納町加納
阿賀野川水系濁川
A(ダム便覧ではAP)
AF
32メートル
120メートル
2115千㎥/1848千㎥
会津北部土地改良区
1970年
◎治水協定が締結されたダム

田子倉ダム

2016-05-30 11:15:00 | 福島県
2016年5月28日 田子倉ダム
 
田子倉ダムは福島県只見郡只見町田子倉の阿賀野川水系只見川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富で急流河川の只見川では戦時中から日本発送電(株)により電源開発が進められてきましたが、一方で各種利権の対立もあり尾瀬分水や只見川分流など様々な開発案が検討され混迷を極めていました。
1953年(昭和28年)に只見川上流域は電源開発、中下流から阿賀野川については東北電力というすみ分けが決まったことを受け両社は積極的な電源開発に邁進します。
電源開発は最上流部に奥只見、上流部に田子倉という日本屈指のダム・発電所建設を同時に進め、まず1960年(昭和35年)に奥只見ダム・発電所が、翌1961年(昭和36年)に田子倉ダム・発電所が完成しました。
田子倉ダムは総貯水容量4億9400万立米(全ダム中第3位)、堤高145メートル(重力式コンクリート第6位)、堤体積195万立米(重力式コンクリートダム第2位)と日本屈指のスケールを誇っています。
またダム直下の田子倉発電所は1959年(昭和34年)の最大出力15万キロワットでの部分運用開始から随時増強され、現在は最大40万キロワットの発電能力を持ち、これは一般水力発電としては奥只見発電所に次いで日本第2位の出力です。
田子倉ダムは日本ダム協会により日本100ダムに選ばれているほか、豪雪地帯の水資源と地形を巧みに利用したダム・電源開発等の河川史や地域資産として高く評価され2023年(令和5年)に『只見川ダム施設群』として土木学会選奨土木遺産に選定されました。
またダム湖の田子倉湖もダム湖百選に選ばれています。
 
只見ダムから国道252号線を新潟方面に走るとダム湖の先に田子倉ダムが姿を見せます。
 
同じ場所からズームアップします。
手前の鉄橋からの眺めもよさそうですが、残念ながら工事で通行できません。
 
国道252号を新潟方面に走ると田子倉発電所に突き当たります。
ダムへはヘアピンを駆け上がりますが、途中でダムの姿を見ることができます。
4門のラジアルゲートからまっすぐ下に伸びる直線的な導流壁が田子倉ダムの特徴です。
これは同じ時期に建設された奥只見ダムにも共通します。
 
左岸から
 
天端は中央まで立ち入りできます。
電源開発のダムの特徴ダム名の銘版プレートが埋め込まれています。
 
天端中央にあるガントリークレーン
 
天端左岸にレストハウスとインクラインがあります。
インクラインの隣はダム湖(田子倉湖)遊覧船乗り場となっています。
時間があれば遊覧船からダムを眺めてみたかったのですが、先のスケジュールも詰まっていたので・・・・
奥に浅草岳の稜線が見えます。
 
ダムの直下の田子倉発電所があります。
一般水力発電では日本第2位の最大出力を誇っています。
 
左岸ダム湖から
やっぱり遊覧船に乗ればよかったかなあ~
 
日本有数の規模を誇る田子倉ダムですが、下流から見ることができないなど見学できるポイントが限定され、なかなかその大きさを体感できません。
直下の発電所からダムを見上げるような機会があればいいのですが。
 
(追記)
田子倉ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0494 田子倉ダム(0413)
福島県南会津郡只見町田子倉
阿賀野川水系只見川
145メートル
462メートル
494000千㎥/370000千㎥
電源開発(株)
1959年
◎治水協定が締結されたダム

只見ダム

2016-05-30 11:00:00 | 福島県
2016年5月28日 只見ダム
 
只見ダムは左岸が福島県南会津郡只見町只見、右岸が同町石伏の阿賀野川水系只見川にある電源開発が管理する発電目的のロックフィルダムです。
戦後只見川上流部の水利権を獲得した電源開発(株)は積極的な電源開発を進め田子倉、奥只見といった巨大ダム・発電所を次々と建設しました。
このうち田子倉発電所では1961年(昭和36年)の本格稼働以降最大38万キロワットという一般水力としては日本最大出力の発電が開始され出力調整による大きな水位変動を緩和するために逆調整池として滝ダムが建設されました。
しかし、田子倉発電所と滝ダムの間の只見町内では只見川の水位変動が看過できない状況となり、1989年(平成元年)に田子倉ダム下流3キロ地点に建設されたのが只見ダムです。
只見ダムは、田子倉発電所の出力調整による水位変動を緩和するとともに、ダムに併設された只見発電所で最大6万5000キロワットのダム式発電を行っています。
また、豪雪地帯の水資源と地形を巧みに利用したダム・電源開発等の河川史や地域資産として高く評価され2023年(令和5年)に『只見川ダム施設群』として土木学会選奨土木遺産に選定されました。
 
ロックフィルダムにもかかわらず堤体の中央に洪水吐があるのが特徴です。 
右岸下流側から
向かって右手に洪水吐のローラーゲート、左に只見発電所の放流口が見えます。
 
右岸から
堤体はアースダムのようですがロックフィルです。
ダムの右手が発電所となります。
奥に雪がかぶっている山が日本200名山の浅草岳です。
 
左岸から
2011年の福島豪雨によりダム湖にたまった土砂が積み上げられています。
 
天端からの眺めです。
堤高が低いので開放感にあふれています。
 
減勢工
 
右岸上流から
洪水吐のゲートが3門
発電所の取水ゲートが2門
 
今度は反対の左岸ダム湖から
風がなく水面は鏡になっていましたが、惜しむらくは空が曇天・・・・
 
田子倉ダムから見下ろしてみます。
下流の三角錐は会津の名峰蒲生岳、右奥は御神楽岳です。
 
(追記)
只見ダムはは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0541 只見ダム(0412)
左岸 福島県南会津郡只見町只見
右岸         同町石伏
阿賀野川水系只見川
30メートル
582.5メートル
4500千㎥/2000千㎥
電源開発(株)
1989年
◎治水協定が締結されたダム

滝ダム

2016-05-30 10:30:00 | 福島県
2016年5月28日 滝ダム
 
滝ダムは左岸が福島県大沼郡金山町滝沢、右岸が同町田沢の阿賀野川水系只見川にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
戦後只見川上流部の水利権を獲得した電源開発(株)は積極的な電源開発を進め田子倉、奥只見といった巨大ダム・発電所を次々と建設しました。
このうち田子倉発電所では1961年(昭和36年)の本格稼働以降最大38万キロワットという一般水力としては日本最大出力の発電が開始され出力調整による大きな水位変動を緩和するための逆調整池として建設されたのが滝ダムです。
滝ダムは逆調整池としての機能のほか、直下の滝発電所で最大9万2000キロワットのダム式水力発電を行っています。
しかし田子倉発電所と滝ダムの間にある只見町内では只見川の水位変動が大きいままで、1989年に田子倉発電所下流3キロ地点以に新たな逆調整池として只見ダムが建設されました。

滝ダムは、豪雪地帯の水資源と地形を巧みに利用したダム・電源開発等の河川史や地域資産として高く評価され2023年(令和5年)に『只見川ダム施設群』として土木学会選奨土木遺産に選定されました。

国道252号を只見方面に走ると滝トンネルの手前で滝ダムが見えてきます。
 
スノーシェッドから滝トンネルにかかる直前で旧道が左に分かれており、ここを進むと左手に滝ダムが見えます。
ダム下流にダートの道が続きますが立ち入りできません。
 
クレストにはローラーゲート4門
ピアは鉄骨トラスで管理橋は被覆されています。
 
ダム直下右岸に発電所があります。
 
以前はこの旧道を進みダム左岸から見下ろすことができたようですが、現在は通行止め。
ダムは下流から遠望するしかありませんでした。
 
追記
滝ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0499 滝ダム(0411)
左岸 福島県大沼郡金山町滝沢
右岸        同町田沢
阿賀野川水系只見川
46メートル
264メートル
27000千㎥/10300千㎥
電源開発(株)
1961年
◎治水協定が締結されたダム

大岐ダム

2016-05-30 10:10:00 | 福島県
2016年5月28日 大岐ダム
 
大岐ダムは福島県大沼郡金山町山入の阿賀野川水系只見川右支流大岐川にある重力式コンクリート堰堤です。
1938年(昭和13年)に当時の新潟水力株により伊南川発電所の調整池として建設され、日本発送電の接収ののち戦後東北電力(株)が管理を継承しました。
1972年(昭和47年)の改修により調整池が導水路と切り離された際に金山町に譲渡されました。
金山町にしてみれば上水や灌漑用水源として活用する目論見があったのかもしれませんが、結局は活用されないまま時間が過ぎ現在に至っています。
ダム便覧には目的がP(発電)と記されていますが、現実には『かつてダムだった構造物が存在している』状態です。
堤体は老朽化が著しく各所から漏水しており、万一破堤でもすれば下流に大惨事が起きる懸念が高くなっており、今後抜本的な対策が取られるものと考えられます。
 
会津横田で国道252号から県道352号に入り5キロほど走ると右手に東北電力の導水鉄管と大岐ダムが見えてきます。
 
ダム直下には2011年の福島豪雨の復旧工事で出た土砂を盛土してあります。
役場によるとダムに万一の際に備えたものだそうです。
 
 
かつて管理事務所であったであろう建物はすでに廃墟化しています。
 
堤体の各所から漏水しています。
なんせ堤体から木が生えているのだから・・・
 
当然のことながら天端は立ち入り禁止です。
 
手すりはゴジラに襲われたかのようにぐにゃぐにゃ
対岸に洪水吐があるようですが・・・
 
コンクリートも劣化してボロボロ
 
直下には東北電力の伊南川発電所への導水鉄管が通っています。
もともとはこの導水路の調整池として建設されたダムでした。
 
現実にはすでに役割を終えたダムですが、2011年の福島豪雨の復旧が精一杯の金山町にとっては、このダムの手当てまで手が回らないというのが実情のようです。
東北電力から移譲されたときは活用についていろいろ算段があったんでしょうが、今となっては思わぬお荷物のようです。
堤体直下に盛土を行うなど一応の対処は進めていますが、万一決壊ともなれば直下の東北電力の導水管はもとより下流にも大きな被害が出かねません。
抜本的な対応が急がれます。
 
0476 大岐ダム(0410)
福島県大沼郡金山町山入
阿賀野川水系大岐川
--
18.5メートル
72.3メートル
214千㎥/168千㎥
金山町
1939年

南原池

2016-04-26 10:00:00 | 福島県
2016年4月24日 南原池
 
南原池は会津若松市大戸町にある灌漑用溜池です。
溜池ダムの起源は古く江戸中期の1771年に遡り、数度の改修を経て現在も南原地区の灌漑用水源として稼働しています。
ダム便覧では堤高20メートルとなっていますが、福島県ため池データベースでは10メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。
 
国道118号から余松沢川沿いに東に進めば南原池の北側に到達できたのですが、一本早く曲がってしまい300メートルほどの藪こぎを余儀なくされました。
藪こぎの末、溜池上流側に何とか到達。
 
湖面が青いので結構な水深があるのだろう。
 
天端には轍。
 
下流には取水設備からの導水路が続いています。
 
取水設備は木栓を使った昔ながらの尺八樋。
 
洪水吐に相当する堤体の切れ込み。
 
切込みからはくぼ地が伸びており、これが洪水吐導流部の代わりになるようです。
 
さらに下流でU字溝に続いています。
 
0463 南原池(0327)
ため池コード 072020040 
福島県会津若松市大戸町上雨屋
阿賀野川水系三川
20メートル(ため池データベース 10メートル
106メートル(ため池データベース 137.6メートル)
60千㎥(ため池データベース 52千㎥)/60千㎥
会津中央土地改良区
1927年

龍生ダム(広戸川ダム)

2016-04-26 08:00:00 | 福島県
2016年4月24日 龍生ダム(広戸川ダム)
 
龍生(りゅうせい)ダムは阿武隈川支流の釈迦堂川に農林省の補助を受けた福島県の防災ダム事業で建設された農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
完成後は天栄村が管理を受託し流域の農地防災を担うほか、広戸川沿岸防災溜池土地改良区へ灌漑用水を供給します。
ダム便覧では『龍生ダム』、国土地理院地形図では『竜生ダム』となっていますが、天栄村や福島県のホームページ、現地の竣工記念碑は『広戸川ダム』になっています。
 
国道118号線八十内バス停から釈迦堂川に沿って村道を西に進み竜生集落を抜けると龍生ダムに到着します。
村道は龍生集落の先からダートになっており、今回はダート部分を歩いて訪問しました。
飾り気がないシンプルな堤体。
 
もう少しダムに寄ってみます。
オリフィスから放流しています。
 
ゲートはクレストに自由越流式が3門
他にオリフィスとコンジットゲートもあります。
 
天端は立ち入り禁止。
防災ダムですが、灌漑機能もあり田植えを控えて水位は高くなっています。
 
ダム便覧では龍生ダムとなっているが、碑は広戸川ダムとなっています。
 
追記
龍生ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により最大114万3000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0498 龍生ダム(広戸川ダム)(0325)
福島県岩瀬郡天栄村田良尾
阿武隈川水系釈迦堂川
FA
32.5メートル
138.3メートル
939千㎥/846千㎥
天栄村
1961年
◎治水協定が締結されたダム

六郎沼ダム

2016-04-12 17:00:00 | 福島県
2016年4月10日 六郎沼ダム
 
六郎沼ダムは福島市土地改良区が管理する灌漑用アースダムですが、ダムへの入り口となる道路には写真のように立入禁止の標識とチェーンが掛かっており、ダムを見ることはできません。
また福島県のため池データベースでは堤高が8.6メートルとなっており、15メートルには遠く及びません。
 
 
 
 
3406 六郎沼ダム
ため池データベース 072010033 
福島県福島市平石
阿武隈川水系平田川
15メートル(ため池データベース 8.6メートル
120メートル(ため池データベース 95メートル)
45千㎥(ため池データベース 32.8千㎥)/45千㎥
福島市土地改良区
1961年

岳ダム

2016-04-12 13:00:00 | 福島県
2016年4月10日 岳ダム
 
岳(だけ)ダムは福島県二本松市岳温泉2丁目の阿武隈川水系原瀬川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
安達太良山山麓は火山堆積物で形成され、そこを流れる原瀬川はたびたび洪水被害を起こしてきました。
そこで原瀬川の洪水調節に加え灌漑用水の水源として農林省の補助を受けた福島県の事業で建設されたのが岳ダムで管理は二本松市が受託しています。
安達太良山は毎年のように登山をしており、登山口である岳温泉もなじみの温泉街ですが、岳ダムを訪問するのは今回が初めてです。
温泉街北側のダム入口を進むと右岸の管理事務所に到着します。
 
ゲートは自由越流式
ゲート左に取水設備があります。
 
堤体はZ字に屈曲しており、右岸側は「カド」になっています。
 
管理事務所
温泉街の建物の奥に安達太良山が見えます。
 
減勢工右にカーブしています。
利水放流設備から河川維持放流が行われています。
手前両側に常用洪水吐として2門のバブルがあるようです。
 
左岸の屈曲。
 
インクライン。
 
左岸から。
 
左岸側はダム湖側に折れ曲がっています。
 
堤体直下には小さな公園がありますが立ち入り禁止でした。
 
(追記)
岳ダムにはには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0518 岳ダム(0308)
福島県二本松市岳温泉二丁目
阿武隈川水系原瀬川
FA
60メートル
215メートル
1100千㎥/850千㎥
二本松市
1979年
◎治水協定が締結されたダム

下北沢ダム

2016-04-12 10:00:00 | 福島県
2016年4月10日 下北沢ダム
 
下北沢ダムは郡山市西部逢瀬地区にある灌漑用アースダムで、1935年(昭和10年)に逢瀬地区によって建設され現在は郡山市多田野土地改良区が管理をしています。
 
郡山市街から県道6号を西に進み山田原バス停を北に折れると下北沢ダムに到着します。
ダムの手前は養鯉場。
 
天端は車両通行可。
 
左岸に四角い浮橋があります。桟橋でしょうか?
 
養殖の鯉に餌を与える機械。
 
斜樋。
 
堤体の直下に鯉の養殖場があります。
 
洪水吐とダム湖(北沢池)。
 
養鯉場
溜池を使って養殖をしているということは、個人ではなく地域や土地改良区で経営してるのかな??
 
ダムの直下に養鯉場があり、ダム湖も鯉の養殖に利用され他の溜池では見かけない設備がありました。
ちなみに郡山市は市町村別では鯉の出荷額全国第1位、都道府県別でも福島県は全国第2位の鯉どころだそうです。
 
0468 下北沢ダム(0306)
ため池データベース  072030029 
福島県郡山市逢瀬町多田野
阿武隈川水系逢瀬
19メートル(ため池データベース 12.6メートル
66メートル(ため池データベース 67.7メートル)
454千㎥(ため池データベース 480千㎥)/454千㎥
郡山市多田野土地改良区
1935年

深田調整池

2016-04-12 09:00:00 | 福島県
2016年4月10日 深田調整池
 
郡山周辺の安積平野では猪苗代湖から取水した安積疎水により灌漑用水の供給を受けていましたが、灌漑面積の増大により疎水末端部では田植え時期の水不足が慢性化していました。
これに対処するため安積疎水を管理する東北農政局が建設したアースダムが深田調整池で、地元では深田ダムと呼ばれています。
深田調整池最大の特徴は洪水吐が全国でも珍しいダム穴式になっていることです。
 
郡山市街から県道6号を西に向かい、交差する県道29号を南に入れれば右手に深田調整池の堤体が見えてきます。
 
堤体は綺麗に刈りこまれています。
ちょうど桜が見ごろですがソメイヨシノじゃなく福島らしく枝垂れ桜。
 
碑の銘は深田ダム。
 
ダム本体は立入禁止。
 
 
上流面はロックフィルです。
 
手前が洪水吐、奥が取水塔。
洪水吐は塗装しなおしたばかりで朝日を受けて赤がひときわ鮮やか。
 
ズームアップ
水位が低いので洪水吐の全容が見れます。
越流を見てみたい気もするがこれはこれで面白い絵柄です。
 
洪水吐、取水塔ともに赤い着色、ダム湖の地肌も赤土で、差し込んできた朝日を受けて赤がひときわ目立ちます。
ダムの景色というよりは油田や異星に着陸した宇宙船といった眺めでした。
 
3324 深田調整池(0305)
福島県郡山市三穂田町山口
阿武隈川水系多田野川
55.5メートル
340メートル
8690千㎥/8040千㎥
安積疎水土地改良区
1982年

泉川ダム

2015-12-22 14:00:00 | 福島県
2015年12月20日 泉川ダム
 
泉川ダムは福島県白河市小田川の阿武隈川水系泉川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧によれば1949年(昭和24年)に泉川土地改良区によって竣工と記されていますが、現在泉川土地改良区は存在しません。
ゲートには泉川溜池維持管理協議会の名前がある一方、ため池データベースでは白河市農林整備部が管理者となっています。
ここではため池データベースに従うことにします。
国道295号を南下、二枚橋で市道を東に向かい東北新幹線をくぐると右手に泉川ダムの貯水池が見えてきます。
堤体へ続く道の入口はゲートで閉ざされ立ち入り禁止。
 
ダムは上流から眺めるのみ。

0484 泉川ダム(0133) 
ため池コード 072050003
福島県白河市小田川
阿武隈川水系泉川
17.5メートル
115メートル(ため池データベース130メートル)
434千㎥(ため池データベース426千㎥)/426千㎥
白河市農林整備課
1949年