ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

山田溜池

2017-05-30 13:07:59 | 福島県
2017年5月28日 山田溜池
 
山田溜池は福島県相馬市坪田にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1971年(昭和46年)に福島県の事業で整備されました。
相馬地域は海岸段丘上に農耕地が広がっていますが、大河がなく山が海に迫っているため降雨もすぐに海に流下し灌漑用水の確保が困難な地域でした。
そのため多数の溜池が密集し中には大規模なため池も見られますが、堤高15メートル未満のためダムと認められている溜池は些少です。
そんな中、山田溜池は堤高が15メートル以上であることことが確認され、2016年(平成28年)にダム便覧に新規に掲載されました。
 
坪田地区の集落最奥に民家が一軒あります。その手前の分岐を左折し未舗装の道路を200メートルほど進むと山田溜池に到着します。
天端は舗装されており車も入れます。
 
総貯水容量8万3000立米と小規模なため池です。
 
右岸の斜樋。
 
右岸の洪水吐。
 
 
上流面はアスファルトで護岸されています。
 
下流面
秋に刈り払われたようでまだ草は伸びていません
ダム下は昔は水田だったようですが今は放棄され藪になっています。
 
洪水吐。
 
右岸上流からの上流面。
 
斜樋。
 
1971年(昭和46年)竣工とありますが、洪水吐やアスファルト処理された上流面をみるとその後大規模な改修があったようです。
 
3697 山田溜池(1010)
福島県相馬市坪田
日下石川水系町場川
20メートル
93.3メートル
管理者未確認
1971年

鴻の巣ダム

2017-05-30 11:08:23 | 福島県
2017年5月28日 鴻の巣ダム
 
鴻の巣ダムは福島県相馬郡新地町にある灌漑用アースダムで、1978年(昭和53年)に福島県の事業で建設され現在は新地町土地改良区が管理を行っています。
 
今回は宮城県丸森町から国道113号を南下、常磐道新地インター入口の先を左折すると左手に鴻の巣ダムの堤体が見えてきます。
 
堤体に天端へ上がる階段がありますがその手前の門扉でゲートアウト。
 
いったん引き返し天端へ向かう道路に入るとこちらも関係者以外立ち入り禁止。
 
結局下流からの姿を見るだけに終わった鴻の巣ダムでした。
 
0517 鴻の巣ダム(1008)
福島県相馬郡新地町駒ヶ嶺
地蔵川水系立田川
23.5メートル
187メートル
新地町土地改良区
1978年

半田沼ダム

2017-05-29 11:14:07 | 福島県
2017年5月27日 半田沼ダム
 
半田沼ダムは福島県伊達郡桑折町にある灌漑用アースダムです。
半田沼の西にある半田山は生野、石見とともに日本3大銀山として知られ長く採掘がおこなわれてきました。しかし採掘の影響もあり明治中期以降地滑りが続き1903年(明治36年)の大規模な地滑りで誕生したのが現在の半田沼です。
その後、福島県の事業で灌漑用水源として整備され、1950年(昭和25年)にダム化され半田沼ダムとなりました。
現在は桑折町が管理を行っています。
半田沼および半田山一帯は福島県の半田山自然公園として整備され、登山、ハイキング、キャンプなどが楽しめるレクリエーションエリアとなっており、年間を通して多くの人が訪れています。
 
県道353号線から半田沼の標識に従って西に折れ、山を登ってゆくとビジターセンターの駐車場に到着します。
ここから遊歩道を歩くとほんの数分で半田沼に到着です。
右岸上流から。
 
右岸から。
 
洪水吐導流部
この左手が堤体になるはずですが、下流面に当たる部分も植林が施され堤体と山林の区別がつきません。
 
右岸の洪水吐。
 
 
天端
ベンチが置かれ花のシーズンには絶好のお弁当スポットになりそう。
 
上流面はコンクリートで補強されています
自然公園ということで景観にマッチした石張り風の型枠が使われています。
 
左岸にある階段式斜樋。
 
半田沼
春には桜やツツジ、秋は紅葉が楽しめるレクリエーションスポットです。
 
竣工記念碑。
 
灌漑用水の確保に苦労していた半田地域の農家にとって半田沼は貴重な水源でしたが、一方でたびたび決壊被害を繰り返し、半田沼の整備は半田地域の長年の悲願でした。
 
3696 半田沼ダム(1005)
福島県伊達郡桑折町北半田
阿武隈川水系普蔵川
29.4メートル
70.5メートル
桑折町
1950年

日中ダム

2017-05-20 20:00:00 | 福島県
2016年5月28日 日中ダム
2017年5月18日
 
日中ダムは福島県喜多方市熱塩加納町熱塩の阿賀野川水系押切川にある福島県土木部が管理する多目的ロックフィルダムでです。
農水省による国営会津北部農業水利事業と福島県土木部の押切川総合開発事業によるダム計画が一本化され、農水省施工により1991年(平成3年)に竣工しました。
押切川の洪水調節、会津北部土地改良区への灌漑用水の供給、喜多方市への上水道の供給、日中発電所(福島県企業局から東北自然エネルギー(株)に移管)での最大1700キロワットのダム式発電を目的としており、完成後は福島県土木部が管理を受託しています。
農水省施工ですが、建設省(現国交省)の補助を受けていることから補助多目的ダムと言う括りになります。
 
国道121号線を喜多方から北上すると右手に日中ダムが見えてきます。
 
堤体下流から
1年ぶりに訪問すると融雪放流していました。(2017年5月18日)
 
放流をズームアップ。(2017年5月18日)
 
融雪放流をしている洪水吐を見上げます。
減勢工脇に日中発電所があり河川維持放流と発電所からの放流で虹がかかっています。(2017年5月18日)
 
天端は時間制限で開放されており、対岸高台にある展望台まで車で行けます。
 
上流面。
 
左岸に取水口と洪水吐があります。
日中ダムと書かれた上の高台が展望台です。
 
ダムの直下にはダム建設で移転した日中温泉があり、手前に『うつくしまふくしま』の文字が見えます。
 
洪水吐。(2017年5月18日)
 
右岸のインクライン。
 
高台から俯瞰します。
洪水吐は自由越流式。右手に予備ゲートが見えます。
 
同じ場所から広角で撮ってみました。
 
追記
日中ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0528 日中ダム(0418)
福島県喜多方市熱塩加納町熱塩
阿賀野川水系押切川
FAWP
101メートル
423メートル
24600千㎥/23100千㎥
福島県土木部
1991年
◎治水協定が締結されたダム

蓬莱ダム(飯野ダム)

2016-12-05 19:44:08 | 福島県
2016年12月3日 蓬莱ダム(飯野ダム)
 
蓬莱ダムは二本松市と福島市の境界の阿武隈川本流にある東北電力の発電用重力式コンクリートダムで、1938年(昭和13年)に蓬莱発電所の取水ダムとして東北振興発電によって建設されました。
東北振興電力は1941年(昭和16年)に日本発送電に併合され、戦後の電力分割民営化により東北電力が事業継承しています。
ここで取水された水は導水路で入川補助調整池を経由して蓬莱発電所に送られ最大3万8500キロワットの発電を行っています。
また2014年(平成26年)には河川維持放流を利用して最大230キロワットの発電を行う飯野発電所が増設されました。
蓬莱ダムは日本最大級のストニーゲートを装備(現在は改修によりローラーゲートに変更)するなどその歴史的及び技術的価値から近代土木遺産に選定されています。
 
県道39号から阿武隈川右岸を南下すると蓬莱ダムに到着します。
ダム周辺は飯野堰堤公園として整備され周辺では有名な花見スポットとなっています。
駐車場から河原に下りてみます。
ダムを直下から見ることができますがもろ逆光・・・・
ダム便覧には日本最大級のストニーゲートと書かれていますが、改修によりローラーゲートに変更されています。
 
右岸の魚道越しに。
この魚道機能してるんでしょうか?
 
ゲート支柱だけが立ち並ぶ独特の形状
 
戦前のダムらしいレトロな雰囲気が漂います。
 
沈砂池。
 
取水口の建屋も戦前のダムらしい佇まい。
 
取水口と沈砂池。
 
上流から
桜の季節には華やかな景色が広がるんでしょうね?
 
旧管理事務所。
 
直下の河原からダムを見上げることができるうれしいダムですが、残念なことにもろ逆光。
写真撮影には苦労しました。
とはいえ、ゲートや取水口の建屋など昭和レトロがぷんぷん匂うビンテージダムです。
桜が満開のころにぜひ再訪してみたい~。
 
0473 蓬莱ダム(0727)
近代土木遺産
福島県二本松市下川崎
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
阿武隈川水系阿武隈川
21.6メートル
133.3メートル
千㎥/千㎥
東北電力(株)
1938年
◎治水協定が締結されたダム

入川補助調整池

2016-12-05 16:49:14 | 福島県
2016年12月3日 入川補助調整池
 
入川補助調整池は福島市の阿武隈川支流入川にある東北電力の発電用堰堤です。
堤高が11.6メートルのため河川法上のダムではありませんが、ダム便覧に参考掲載されています。
蓬莱発電所の補助調整池となっており、阿武隈川本流の蓬莱ダムと支流の女神川で取水された水がここに導水されたのち、蓬莱発電所のサージタンクへと送られます。
蓬莱ダム、蓬莱発電所ともども1938年(昭和13年)に東北振興発電によって建設され、1941年(昭和16年)に日本発送電に出資されたのち、戦後の電力分割民営化により東北電力が事業継承しました。
 
福島市街から国道114号を南下し県道306号に入るとすぐに入川調整池への道が分岐します。
クレストは3門のラジアルゲート。
 
ゲートを正面から
現役のラジアルゲートとしては福島県の旭ダム、岐阜県の西村ダムに次いで古いゲートといわれています。
 
 
堤体右岸は湾曲しています。
 
天端は立ち入り禁止
奥に蓬莱発電所への取水口があります。
 
上流面
写真では見えませんが手前に蓬莱ダム及び女神川からの導水路吐口があります。
 
上流からラジアルゲート。
 
取水口をズームアップ
ここから蓬莱発電所へと送水されます。
 
S011 入川補助調整池(0726)
福島県福島市立子山
阿武隈川水系入川
11.6メートル
128.3メートル
東北電力
1938年

信夫ダム

2016-12-05 16:01:02 | 福島県
2016年12月3日 信夫ダム
 
信夫ダムは福島市の阿武隈川本流にある東北電力の発電用重力式コンクリートダムで、1939年(昭和14年)に東北振興電力によって建設されました。
1941年(昭和16年)に日本発送電に出資され、戦後の電力分割民営化により東北電力が事業継承しました。
上流にある蓬莱発電所の逆調整池の機能を持つほか130メートル下流の信夫発電所で最大5950キロワットの発電を行っています。
また1944年(昭和19年)に東根堰用水路が完成し、阿武隈川東岸地域の灌漑用水の取水口にもなっています。
 
国道4号弁天橋から阿武隈川右岸を南下、前河原で二俣を右手に採り下岩谷集落を抜けると信夫発電所と信夫ダムが見えてきます。
この道は発電所手前で立入禁止となるためダムはここから遠望するしかありません。
 
ズームアップ
ゲートは4門とのことですが2門しか見えません。
向かって左手のゲートは改修工事中のようです。
竣工当初はストニーゲートだったようですが現在はローラーゲートとなっています。
 
訪問時は逆光でしたが黒つぶれしないでホッとしました。
 
0477 信夫ダム(0725)
福島県福島市田沢
阿武隈川水系阿武隈川
21.5メートル
89.5メートル
東北電力
1939年

摺上川ダム

2016-12-05 11:57:09 | 福島県
2016年12月3日 摺上川ダム 
 
阿武隈川水系では中流部の福島県中通地域と下流部の宮城県白石市・角田市でたびたび洪水被害が発生し、宮城・福島両県から抜本的な洪水対策を求める声が高まっていました。
一方東北自動車道や東北新幹線の開通を見越して福島県北部への企業進出、人口増加が続き新たな水源の確保も課題となっていました。
そこで建設省は宮城県の白石川の七ヶ宿ダムに続いて、福島県の摺上川に多目的ダムの建設を計画、1982年(昭和57年)に着工、2005年(平成17年)に完成したのが摺上川ダムです。
摺上川ダムは東北地方屈指の規模を誇るロックフィルダムで、大滝根川の三春ダム、白石川の七ヶ宿ダムと連携して阿武隈川水系の洪水調節を行うほか、慣行水利権分の用水補給と安定した河川流量の維持、6地区4200ヘクタールへの灌漑用水、3市3町への上水道、工業用水の供給を目的とするほか、東北電力摺上川発電所で最大3000キロワットの発電を行っています。
 
飯坂温泉から国道399号線を北上すると、正面に摺上川ダムが見えてきます。
約2キロ下流の黒沢橋から遠望。
 
左岸の洪水吐導流部
減勢工が特徴的です。
右手のトンネルは取水設備からの放流口。
 
摺上川ダム最大の特徴は平面湾曲型側水路方式の洪水吐。
 
左右で高さの異なる常用洪水吐
洪水吐はゲートレスとなっています。
 
洪水吐導流部と減勢工。
 
減勢工をズームアップ
奥は東北電力摺上川発電所。
 
ダム湖(茂庭っ湖)。
 
堤体直下は公園やキャンプ場になっています。
 
天端と下流面
天端は車両通行禁止。
 
上流面。
 
選択取水設備とインクライン。
 
胆沢ダム、森吉山ダムと並ぶ東北地方有数のロックフィルダムです。
紅葉も終わりダム周辺は寒々として景色が広がっていました。
できれば新緑と残雪期に再訪してみたいものです。 
 
0536 摺上川ダム(0724)
福島県福島市飯坂町茂庭
阿武隈川水系摺上川
FNAWIP
105メートル
718.6メートル
国交省 東北地方整備局
2005年

大笹生ダム

2016-12-05 11:47:39 | 福島県
2016年12月3日 大笹生ダム
 
大笹生で『おおざそう』と読みます。
大笹生ダムは福島市の北西部、阿武隈川水系八反田川源流部にある防災専用アースダムで1962年(昭和37年)に福島県の農地防災事業により建設されました。
かつてはダムは開放されバス釣りの穴場スポットだったそうですが、死体遺棄事件や自殺事件などが起こったことから、現在はダムへ通じる道路の入口は施錠され関係者以外立ち入り禁止となっています。
 
大笹生集落から福島西部広域農道を北上すると大笹生ダムへの管理道路が分かれます。
残念ながら関係者以外立ち入り禁止。
 
農道にある大笹生ダムの標識。
 
 
0502 大笹生ダム(0723)
福島県福島市大笹生
阿武隈川水系八反田川
 
27.2メートル
150.2メートル
福島市
1962年

藤倉ダム

2016-12-05 10:46:46 | 福島県
2016年12月3日 藤倉ダム
 
藤倉ダムは福島県伊達郡桑折町の阿武隈川水系産ヶ沢側にある灌漑用重力式コンクリートダムで、1969年(昭和44年)に福島県のかんがい排水事業により建設され伊達西根堰土地改良区が受託管理を行っています。
藤倉ダムで貯留された水は下流の芝堤頭取工で取水され上堰用水路に供給されるほか、上水道としても利用されています。
 
桑折市街から産ヶ沢側に沿って遡上する道路は落石により廃道になっており、ダムに行くには北西の半田沼から産ヶ沢林道を利用する必要があります。
半田山自然公園の駐車場からダムまで往復17キロの徒歩を覚悟しましたが、ダートの林道の路面状況は良好で我が家のBMWでも無事ダムまで到達することができました。
 
藤倉ダムの特徴は家屋のような取水設備機械室。
クレストは2門のローラーゲートです。
 
少しアングルを変えて。
 
天端は立入禁止。
ゲート部分だけクランクになっています。
 
下流から
こっちから見ると普通の家の玄関のよう。
 
コンジットから放流されています。
 
下流から。
 
ゲートをズームアップ。
 
ダム湖。
 
往復5時間程度の徒歩を覚悟していましたが車で到着できてやや拍子抜け。
時間が余った分、次の摺上川ダムをじっくり見学することができました。
 
0507 藤倉ダム(0723)
福島県伊達郡桑折町藤倉
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
阿武隈川水系産ヶ沢川
 
36.5メートル
76.6メートル
千㎥/千㎥
伊達西根堰土地改良区
1969年

冷田沢堤

2016-06-22 09:16:54 | 福島県
2016年6月19日 冷田沢堤
 
冷田沢堤は喜多方市と西会津町の境界の深山川にある灌漑用溜池です。
ダム便覧によれば竣工は1889年(明治22年)とかなり古く事業者は地割地区となっています。
地図を見ると地割地区は堤のかなり下流、山の緩斜面にあり、新たに田畑を開墾するための水源としてこの堤を作ったのではないか?と推察されます。
 
喜多方から県道16号を西進、県道338号の分岐点で一番右寄りの市道を進み深山川沿いを遡上すると道路脇に冷田沢堤が現れます。
下流面は草が覆い堤体の基部がどこかわかりません。
 
天端も草が覆っていますが轍もあります。
 
上流面はブロックで補強されています。
中央に階段式の斜樋があります。
 
階段式の斜樋。
 
かなり山深いところにあるんですが、そばに道路があるせいか意外に開放感があります。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端にコンクリート製の祠があり昭和五十三年の日付が見えました。
昭和53年に大きな改修が行われたんでしょう。
 
0458 冷田沢堤(0469)
ため池コード 072080109
福島県喜多方市高郷町磐見
阿賀野川水系磐見川
20メートル(ため池データベース 7.6メートル
60メートル(ため池データベース 63メートル)
114千㎥(ため池データベース 73千㎥)/114千㎥
地割行政区
1889年

西郷ダム

2016-05-31 13:00:00 | 福島県
2015年12月15日 西郷ダム
2016年 5月29日 
 
西郷ダムは西白河郡西郷村鶴生にある灌漑用アースダムで、農林省の事業で1955年(昭和30年)に建設され阿武隈川上流土地改良区が管理を行っています。
 
白河から国道289号を甲子トンネル方面に向かい、雪割橋へ右折し白河高原牧場を抜けると西郷ダム右岸ダムサイトに到着します。
ダムサイトの駐車場からダム湖に沿って遊歩道になっています。
 
まるでペンションのようなかわいい建物。
管理事務所兼取水設備操作室です。
 
天端は立入禁止
ダムの向こう側は自衛隊の演習場。
 
上流面
雪が積もっているのでわかりにくいですがロックフィル。
 
水位が低いため斜樋が下まで現れています。
 
ダム湖(西郷貯水池)。
 
2016年5月29日 西郷ダム②
 
大内ダムから甲子トンネルを抜けて白河へ向かう途中、西郷ダムに立ち寄ってみました。
昨年12月以来二度目の訪問です。
 
西郷ダムの石碑
 
天端へ向かう遊歩道、
前回は雪でしたが今回は初夏、季節が違うと雰囲気も全く違います。
 
かわいい牛とミルクのペイント。
ダムの手前は白河高原牧場です。
 
取水設備の操作室。
 
上流面はロックフィル。
 
前回はダム湖がカラカラでしたが、今回はたっぷり。
 
堤体への立ち入りができず、見学ポイントは少ないのですがそれでも雰囲気のよさは抜群です。
桜か紅葉の時期にまた訪問したいダムです。
 
追記
西郷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに9万1000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0489 西郷ダム(0126)
福島県西白河郡西郷村鶴生黒土
阿武隈川水系鳥首川
32.5メートル
220メートル
3299㎥/3064㎥
阿武隈川上流土地改良区
1955年
◎治水協定が締結されたダム

大内ダム

2016-05-31 12:00:00 | 福島県
2016年5月29日 大内ダム
 
大内ダムは福島県南会津郡下郷町大内の阿賀野川水系小野川にある電源開発(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
電源開発は建設省が阿賀野川上流に建設を決めた大川ダム建設事業に発電事業者として参加、1988年(平成元年)に同社3番目の純揚水発電所である下郷発電所が完成しました。
大内ダムは同発電所の上部調整池として発電所の稼働3年後の1991年(平成3年)に竣工し、下部調整池である大川ダムとの有効落差387メートルを利用して最大10万キロワットの純揚水式発電を行っています。
 
 
県道131号を大内宿に向かって南下し、氷玉峠を越えると大内ダムのダム湖が見えてきます。
天端は県道330号となっており車両が通行できます。
 
ダム下流面。
堤高100メートルを超える巨大ロックダムですが、堤体中央に建設残土が盛られ高さは感じません。
おまけに堤体には草が生えまるでアースダムの様相です。
 
下流に人気観光スポットの大内宿が見えます。
 
ダム湖
標高800メートルのダム湖はまるで高原リゾートの趣です。
 
右岸に洪水吐があります。
 
下流面です。
スキー場のゲレンデのみたい。
 
上流面
揚水発電の上部池ということで昼夜で水位が変わります。
 
洪水吐
奥に表面取水設備が見えます。
 
左岸に揚水発電の取水口がありますが、取水設備は水中にあり見ることはできません。
 
日本有数の揚水発電の取水口は水の中、洪水吐導流部や減勢工も立ち入ることはできませんが、標高800メートルのダムを吹き抜ける風はさわやかでまるで避暑地の装いでした。
平日しか開館していないためまだ入館したことのない下郷展示館ですが、機会があれば入館して下郷発電所や大内ダムにしてもっと学んでみたいと思います。 
 
追記
大内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
 0522 大内ダム(0428)
福島県南会津郡下郷町大内
阿賀野川水系小野川
102メートル
340メートル
18500千㎥/16000千㎥
電源開発(株)
1991年
◎治水協定が締結されたダム

無量溜池

2016-05-31 10:00:00 | 福島県
2016年5月29日 無量溜池
 
無量溜池は福島県大沼郡会津美里町旭無量阿賀野川水系館川右支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1906年(明治39年)に無量水利組合に事業で竣工と記されています。
福島県ため池データベースには『無量溜池2号』という名称で記載されていますが、こちらでは堤高は6.8メートルとなっておりダムの要件である15メートルには遠く及びません。
 
県道330号から右に道を取り、町道で無量旭地区に至ると左手に溜池の堤が見えてきます。
 
溜池まで道路が通じていますがダートなので歩くことにしました。といっても、たかだか100メートルほどです。
ダム便覧では堤高16メートルとありますが、どう見てもそんなにありません。
ため池データベースの6.8メートルが妥当でしょう。
 
天端は草ぼうぼう。
 
上流面。
 
洪水吐も草ぼうぼう。
イワベンケイの花が満開です。
 
田植えが一巡、梅雨を控えて貯水池の水位は低くなっています。
 
軽トラならここまで入れます。
地元の写真家が野鳥の写真を撮影されていました。
カワセミが見れるそうです。
 
右岸の階段式斜樋。
 
0460 無量溜池(0424)
ため池コード 074470023 
福島県大沼郡会津美里町旭無量
阿賀野川水系館川右支流
16メートル(ため池データベース 6.8メートル
60メートル
32千㎥(ため池データベース 55千㎥)/25千㎥
旭無量水利組合
1906年

入山ダム

2016-05-30 14:00:00 | 福島県
2016年5月29日 入山ダム
 
入山ダムは福島県河沼郡柳津町郷戸の阿賀野川水系滑沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には柳津町の事業で1957年(昭和32年)に竣工と記されており、管理は柳津町土地改良区が行っています。
福島県のため池データベースでは『入山堤』として記載されていますが、諸元はダム便覧とは大きく異なり堤高11.7メートルとダムの要件を満たしていません。
またダム便覧では河川は滝谷川となっていますが、これは滑沢川の間違いです。
 
大規模農道の会津パールラインから片道約1.3キロのダートの林道通じており、徒歩でダムへと向かいます。
林道入り口から約20分ほどでダムに到着。 
ここから見上げると堤高は便覧の18メートルが妥当な気がします。
 
洪水吐に沿って堤体に上ります。
 
下流面
 
右岸の横越流式洪水吐。
最近改修が行われたようです。
 
総貯水容量23万7000立米の貯水池。
 
上流面です。
ぱっと見アスファルトフェイシングフィルかと思いましたが、実はラバーシートで遮水されています。
 
こっちから見るとアスファルトにしか見えませんね?
 
天端に中央に階段式斜樋があります。
 
ダム脇の記念碑には災害による破損を受けて大規模な改修が行われたようです。
ダム便覧とため池データベースん諸元の違いは改修前後の数字の差異によるものかと推察します。
 
0491 入山ダム(0422)
ため池コード 074230001
福島県河沼郡柳津町郷戸
阿賀野川水系滝谷川
18メートル(ため池データベース 11.7メートル
107メートル(ため池データベース 107メートル)
237千㎥(ため池データベース 114千㎥)/237千㎥
柳津町土地改良区
1957年