2015年10月10日 四万川ダム
四万川ダムは群馬県吾妻郡中之条町四万の利根川水系四万川源流部にある群馬県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
四万川では1960年(昭和35年)に砂防と発電を目的とする中之条ダムが建設されましたが、あくまでも砂防対策である上に四万温泉街や中之条町市街地での大規模な河川改修は困難となっていました。
群馬県は四万川流域の抜本的治水対策を主目的に1999年(平成11年)に四万温泉上流に四万川ダムを建設しました
四万川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、最大290立米/秒の洪水をカットし、四万川下流基準点で同量の洪水調節を行います。
また安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水(既得灌漑用水)の補給、太田市・中之条町及び群馬県企業局向けの上水道用水の供給、群馬県企業局日向見発電所(最大出力1000キロワット)でのダム式水力発電を目的としています。
四万川ダムはダム建設途中の1994年(平成6年)に国交省により『地域に開かれたダム』の指定を受け、ダム一帯は地域住民の意見を反映させた開放的な整備が進められました。
ダムの建屋は西洋の城郭風デザインが採用されたほか、ダム完成により誕生した『奥四万湖』は独特のコバルトブルーを売りに四万温泉の人気スポットとなり、今では四万観光にとって欠くことのできない存在となっています。
また日本ダム協会により日本100ダムにも選ばれています。
中之条から四万川沿いに国道353号を北上、温泉街への旧道を分けトンネルを抜けると右手に四万川ダムが姿を現します。
右岸から
西洋の城郭を彷彿とさせるデザイン。
左岸から
やはりヨーロッパの城のようで建屋のみならず、石垣風の化粧型枠が施されています。
左岸のインクラインと艇庫。
ダムの下は公園になっています
手前の建物は日向見発電所。
天端は車両通行可、ただし、ダム湖を周回する道路は時計回りの一方通行。
減勢工。
副ダムが二つあります。
上流から
ダム下から
非常用洪水吐としてクレスト自由越流頂4門
常用洪水吐は非洪水期2門、洪水期1門のオリフィスローラーゲート
さらに利水放流用ジェットフローゲートを備えています。
副ダムは2基。
ダム下は公園で、普段は副ダムのすぐ下流まで立ち入れます。
(追記)
四万川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備えて事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0626 四万川ダム(0011)
群馬県吾妻郡中之条町四万
利根川水系四万川
FNWP
G
89.5メートル
330メートル
9200㎥/8600㎥
群馬県県土整備部
1999年
◎治水協定が締結されたダム