2019年7月14日 神浦ダム
一番南の神浦(こうのうら)ダムは長崎市神浦下大中尾町の神浦川上流部にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、神浦川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、長崎市への上水道用水の供給を目的として1969年(昭和44年)に竣工しました。
多目的ダムではありますが、主目的は長崎市への上水道用水の供給で、ダム建設と同時に神浦ダムから長崎市手熊浄水場まで延長21キロにも及ぶ導水管が整備されました。
長崎市の水道施設網(長崎市上下水道局HPより)
神浦ダムは県道57号線沿いにあります。
クレストにはラジアルゲートを装備し、堤高51メートル堤頂長210メートルの堤体は、小規模なダムが多い長崎県営ダムの中では大きく見えます。
前日の雨で水位が上昇し、片門だけクレスト放流を行っています。
ピア上には操作建屋が乗り、エメラルドグリーンのゲートと赤い手すりがくすみがちなダムの色彩に鮮やかな彩りを与えています。
ダムにビルトインされた放流及び分水設備
河川維持放流を行うほか、ここから21キロ先の手熊浄水場へ導水管で送水されます。
上流面
対岸に管理事務所があります。
ゲートをズームアップ
ゲート操作室はピアの上にプレハブを載せたような構造。
天端は車両通行可能
ゲート部分だけクランクになっています。
天端高欄には旧外海町の自然や名物が描かれた陶板が貼り付けられています。
ゲートを真上から。
僅かに海が見えます。
総貯水容量684万立米は長崎県内のダムでは断トツの一番。
右奥の白い建屋は艇庫で湖面にインクラインが伸びています。
小規模なダムが多い長崎県では珍しい本格的重力式コンクリートダムです。
近くには棚田百選にも選ばれている大中尾棚田があるのですが、ダム見学を終えたら夕方6時になっていたのでそちらは断念しました。
(追記)
神浦ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
2615 神浦ダム(1499)
長崎県長崎市神浦下大中尾町
神浦川水系神浦川
FNW
G
51メートル
210メートル
6840千㎥/6280千㎥
長崎県土木部
1969年
◎治水協定が締結されたダム