ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

長与ダム

2019-08-02 16:38:44 | 長崎県
2019年7月15日 長与ダム
 
長与ダムは長崎県西彼杵郡長与町本川内郷の長与川本流上流部にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
当初は治水ダムとして事業着手されましたが、長崎のベッドタウンとして交通至便な長与町でニュータウン造成が進められることになり、県はダム計画を変更、新たに貯水池を5万平米掘削することで上水用水容量を確保すし、1985年(昭和60年)に長与ダムが竣工しました。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、長与川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権としての灌漑用水及び上水道用水への補給、長与町への新規上水道用水の供給を目的としています。
 
長崎本線旧線に沿って県道33号を北に走ると左手に長与ダムが見えてきます。
高台を走る県道から長与ダムを俯瞰できます。
自由越流式クレストゲート2門、自然調節式オリフィスゲート1門のゲートレスダムでオリフィスから越流しています。
左下の建屋は浄水場への送水機場。
 
ダム下から。
 
右岸ダムサイトに管理事務所があり、周辺に竣工記念碑やダムの説明板が並びます。
感謝の碑は金箔仕様。
 
管理事務所の前は『長与ダム』バス停。
 
上流面
ちょうど逆光になってしまいました。
 
減勢工と副ダム。
 
放流設備は九州でよく見られる減勢池があるタイプ。
ここで河川維持放流水と上水用機場への水が分水されます。
 
ダム湖は総貯水容量60万立米。
 
天端は車両通行可能、付近の生活道路になっています。
 
左岸から下流面
きりっと起った襟に洪水吐はゲートレス
いかにも昭和末期の公営ダムと言った風。
 
防災ダムとして工事が進められ、途中で計画変更して多目的ダムになった変わり種。
県道から俯瞰できるのがうれしいところです。 
 
(追記)
長与ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2630 長与ダム(1501) 
長崎県西彼杵郡長与町本川内郷
長与川水系長与川
FNW
36メートル
171メートル
600千㎥/540千㎥
長崎県土木部
1985年
◎治水協定が締結されたダム

中尾ダム

2019-08-02 13:16:14 | 長崎県
2019年7月15日 中尾ダム
 
中尾ダムは長崎県長崎市田中町の八郎川右支流中尾川にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1982年(昭和57年)の長崎大水害を受け上水用ダムであった本河内高部低部西山各ダムの多目的ダム化事業が進められることになり、3ダム再開発事業で減少する利水容量の補填に加え、八郎川水系の治水対策として事業化されたのが中尾ダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、中尾川および八郎川河口部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、ダムと同時に建設された東長崎浄水場への上水道用水の供給を目的として2000年(平成12年)に竣工しました。
 
東長崎中心から中尾川沿いを西に進むと中尾ダムに到着します。
ダム下は親水公園になっており洪水吐直下まで下りることができます。
自由越流式クレストゲート2門、自然調節式オリフィスゲート1門のゲートレスダムでオリフィスから越流しています。
 
堤体右岸直下で道路がヘアピンを描きます。
 
左岸高台の展望台から。
 
天端は車両通行可能で、両岸親柱には地元の祭りをモチーフにした装飾がついています。
 
天端から
手前が放流設備、右上が浄水場への送水設備。
 
ダム下のヘアピン。
 
ダム湖は総貯水容量158万立米
ダム湖を長崎自動車道が跨ぎます。
 
左岸の艇庫とインクライン。
 
銅板の諸元プレート。
 
上流から
ちょっと逆光。
 
記念すべき通算1500基目のダムは中尾ダムとなりました。
節目のマイルストーンとしてはちょっと地味目のダムかもしれませんが、ダム下からの姿もスマートでオリフィス放流も見られたので良しとします。
 
(追記)
中尾ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
2649 中尾ダム(1500)
長崎県長崎市田中町
八郎川水系中小川
FNW
40メートル
201メートル
1580千㎥/1470千㎥
長崎県土木部
2000年
◎治水協定が締結されたダム