2019年7月15日 長与ダム
長与ダムは長崎県西彼杵郡長与町本川内郷の長与川本流上流部にある長崎県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
当初は治水ダムとして事業着手されましたが、長崎のベッドタウンとして交通至便な長与町でニュータウン造成が進められることになり、県はダム計画を変更、新たに貯水池を5万平米掘削することで上水用水容量を確保すし、1985年(昭和60年)に長与ダムが竣工しました。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、長与川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権としての灌漑用水及び上水道用水への補給、長与町への新規上水道用水の供給を目的としています。
長崎本線旧線に沿って県道33号を北に走ると左手に長与ダムが見えてきます。
高台を走る県道から長与ダムを俯瞰できます。
自由越流式クレストゲート2門、自然調節式オリフィスゲート1門のゲートレスダムでオリフィスから越流しています。
左下の建屋は浄水場への送水機場。
ダム下から。
右岸ダムサイトに管理事務所があり、周辺に竣工記念碑やダムの説明板が並びます。
感謝の碑は金箔仕様。
管理事務所の前は『長与ダム』バス停。
上流面
ちょうど逆光になってしまいました。
減勢工と副ダム。
放流設備は九州でよく見られる減勢池があるタイプ。
ここで河川維持放流水と上水用機場への水が分水されます。
ダム湖は総貯水容量60万立米。
天端は車両通行可能、付近の生活道路になっています。
左岸から下流面
きりっと起った襟に洪水吐はゲートレス
いかにも昭和末期の公営ダムと言った風。
防災ダムとして工事が進められ、途中で計画変更して多目的ダムになった変わり種。
県道から俯瞰できるのがうれしいところです。
(追記)
長与ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
2630 長与ダム(1501)
長崎県西彼杵郡長与町本川内郷
長与川水系長与川
FNW
G
36メートル
171メートル
600千㎥/540千㎥
長崎県土木部
1985年
◎治水協定が締結されたダム