ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

深山溜池

2021-05-28 15:13:55 | 島根県
2021年5月22日 深山溜池
 
深山溜池は島根県大田市波根町の波根川本流にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
現地看板には1943年(昭和18年)に建設、1987年(昭和62年)に改修と記されており、ダム便覧では1987年を竣工年度としています。
戦時中としては珍しいコンクリート造りの農業用ダムということでCランクの近代土木遺産に選定されています。
管理は大田市波根土地改良区が行っています。
 
波根地区中心部から波根川沿いを遡上すると写真の警告板が現れます。
ここに車をデポして徒歩で池に向かうことにします。
 
歩くこと20分ほどで深山溜池に到着しますが、ダムの入り口はフェンスで遮られています。
 
撮影ポイントはほとんどなくフェンス越しに上下流面を切り取るのみ。
『日本の土木遺産(改訂版)』では『粗石C重力式ダム(全面溢流式)』とのみ記されており、1943年竣工当時の姿のままなのか?改修で大きく手が入れられたのかも不明です。
 
天端。
 
上流面。
 
総貯水容量8万立米の小さなため池で撮影ポイントも限られていますが、物資人員ともに不足していた戦時中にコンクリート造りの堰堤を建設した背景なども気になるところです。

1714 深山溜池(1627)
ため池コード 322050040 
島根県大田市波根町
波根川水系波根川
15メートル
24.5メートル
80千㎥/80千㎥
大田市波根土地改良区
1943年竣工
1987年改修

稗原ダム

2021-05-28 12:00:17 | 島根県
2021年5月22日 稗原ダム
 
稗原ダムは左岸が島根県出雲市野尻、右岸が島根県雲南市三刀屋町根波別所の斐伊川水系稗原川上流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
2004年(平成16年)に農水省の補助を受けた島根県のかんがい排水事業によって建設され、完成後は出雲市が受託管理を行い250ヘクタールの農耕地に灌漑用水を供給しています。
ダム左岸高台が稗原ダム湖水公園として整備されているほか、湖畔にも親水公園が作られていますが山間の過疎地故かあまり利用する人は多くなさそうです。
 
県道出雲奥出雲線に稗原ダムを示す標識があり、これに従うとダムに到着します。
ダム下への道はダム手前200メートルほどにゲートがありますが徒歩での到達は可能です。
余水吐は自由越流式クレストゲートだけ、漸縮型堤体導流壁を備えたいかにも農業用コンクリートダムといった風。
 
左岸高台の稗原ダム湖水公園に上がります。
駐車場わきに立つ各種石碑。
 
公園からは眼下にダムと貯水池を俯瞰できます。
 
ダムへ続く管理道路は徒歩のみ進入可能
小雨の中ダムへと向かいます。
 
多孔式選択取水設備。
水の跡を見ると直近までクレスト放流していたようです。
 
天端。
 
下流面。
手前の金属カバーの中は電気ケーブルのようです。
 
減勢工と放流設備
ちょうど田植え時期ということで勢いよく放流されています。
 
総貯水容量121万立米のダム湖。
 
右岸から上流面。
 
(追記)
稗原ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1760 稗原ダム(1626)
左岸 島根県出雲市野尻町
右岸 島根県雲南市三刀屋町根波別所
斐伊川水系稗原川
47.3メートル
117メートル
1210㎥/1019千㎥
出雲市
2004年
◎治水協定が締結されたダム