2022年7月30日 手取川ダム・手取川第一発電所見学会
全国各地のダムが一斉に見学会等のイベントを実施する『森と湖に親しむ旬間』、しかしながらコロナ禍のためこの2年はほぼ休止状態となっていました。
ようやく世の中が正常化に向かい始めた今年、多くのダムでイベント再開の動きが出てきました。
日時は7月30日、午前と午後の部それぞれ定員20名ということでちょっと早めの9時過ぎに手取川ダム左岸ダムサイトのダムPR広場に到着。
その前に、普段手取川ダムの下流面を唯一見ることができる国道157号線から。
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午前10時に見学会がスタート
参加者はそれぞれマイカーで右岸のダム管理事務所に向かいます。
正式名称は『国土交通省金沢河川国道事務所手取川ダム支所』。
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国交省の職員さんよりダムについての基本的な説明。
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事務所内にあるダムの模型。
もともと天端や管理事務所は一般に公開させる前提でしたが、天端に通じる管理道路で落石の恐れがあるため、立ち入り制限を設けています。
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次に天端の見学
こちらは主ゲートのローラーゲート。
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予備ゲートはなく、改修や補修、塗装などは水位が低下した時期に行います。
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落差150メートル以上の洪水吐斜水路。
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ダム下では毎秒1立米で河川維持放流が行われています。
もともとこの放流設備はありませんでしたが、維持放流の義務化を受けて2004年(平成16年)に増設されました。
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洪水吐の上流側
維持放流用の取水設備は左手の管理事務所上流の水中にあります。
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堤頂長420メートルの下流面。
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天端幅は12メートル
トラッククレーンが走れる幅が確保されています。
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上流面
奥に発電用取水塔が見えます。
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ダム湖の手取湖
総貯水容量2億3100万立米は全国のロックフィルダム中第4位
北陸では九頭竜ダムに次ぎ第2位。
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左岸天端脇のモニュメント
ダム完成20周年を記念して2000年(平成12年)に設置されました。
銘板は地元選出の当時の森首相の筆です。
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モニュメントの説明版。
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こちらは左岸ダムサイトの竣工記念碑。
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再びマイカーでダム下に移動し、監査廊と放流設備の見学に移ります。
実際にダムを施工したのは電源開発(株)であり、堤体の管理も同社が行っています。
見学会のアテンドも同社の職員さんに交替。
左岸ダム下の監査廊入り口。
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監査廊に入るとすぐに螺旋階段
これは天端へと続く竪坑になります。
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気温は11度、
外気の34度からのギャップが激しい。
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岩盤変位計。
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ドレーンホール。
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地酒が貯蔵中
ほぼ気温と湿度が一定のため、熟成にはぴったりだとか?
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さらに洪水吐の下をくぐるため階段が下りてゆきますが、見学はここまで。
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つづいてダム下の見学
真下から見上げると超広角でもフレームに収まらない。
昭和50年代前半のダムですが、同時期のロックフィルダムに比べるとかなりきれいに成型されています。
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洪水吐斜水路
超広角でデフォルメされていますが、実際はかなりの高度差を実感できます。
斜水路手前側に小水力発電所が増設される予定。
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すでに小水力発電所向けの分水バルブが設置されています。
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奥のトンネルは仮排水路。
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アングルを変えてもう一度斜水路。
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最後は電源開発(株)手取川第一発電所へ
もりみずのイベントでこの発電所が公開されるのは初めてだそうです。
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玄関先のプレート。
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いよいよ発電所内に。
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天井には住友重機製クレーン
最大240トンまで釣り上げ可能。
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電源開発職員さんによる説明。
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富士電機製発電機が2基並びます。
それぞれ最大12万9000キロワットの発電能力をち、認可出力は合わせて25万キロワット。
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発電機の銘板。
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当発電所の認可最大出力25万キロワットは石川県及び手取川水系の水力発電所最大を誇ります。
常時発電は3万キロワットで、主に電力需要ひっ迫時を中心にピーク発電に近い運用が行われ、ちょうど昼前の見学時は運転休止中でソーラーの出力が落ちる夕刻から運転に備えていました。
発電所と逆調整池の発電事業者が異なるのは非常に珍しいケースです。
約2時間の見学会でしたがあっという間に終了、疑問点などはできるだけ質問したつもりでしたが、振り返ると聞き洩らしたことも多々あり後悔しきり。
でも見学会はやっぱり楽しい。