2022年11月22日 大久保溜池
大久保溜池は熊本県球磨郡球磨村三ヶ浦の一級河川球磨川水系鵜川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
現地説明板に溜池建設の経緯が詳しく書かれており、当地の開拓を企図した福岡県人の権藤猿三郎なる人物を開拓事業者として1912年(明治45年)に築造が着手され、1914年(大正3年)に完成しました。
現在は受益者で組織される大久保水利組合が管理し約8ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
今回は人吉から大久保溜池を目指しましたが、2020年(令和2年)7月豪雨いわゆる球磨川水害により橋が多数落橋したためかなりの遠回りを余儀なくされます。
またグーグルのルート案内でダム至近まで車でアプローチできますが、最後の100メートルほどは山道歩きとなります。
山道に入るとすぐに溜池左岸に到着。
あいにく深い霧が立ち込め、視界は数メートルほど。
天端も下流面もきれいに刈りこんであり、今も貴重な水源であることが伺えます。
上流面はコンクリートで護岸。
貯水池はほとんど見えません。
下流面。
堤体脇の踏跡を降りてみます。
便覧、ため池データベースともに堤高は15メートル。
写真ではわかりづらいんですが、踏み跡中ほどに取水設備からのパイプが露出しています。
天端に戻ります
右岸の洪水吐。
こちらは洪水吐導流部
茂みの先は自然の岩盤になっています。
右岸から洪水吐越しの堤体。
池栓
この写真もわかりづらいのですが、写真中ほど左側に金属性の鎖と池栓が見えます。
大久保溜池の説明板。
このクラスの溜池としては丁寧な説明板です。
残念ながら深い霧に閉ざされ、池の全貌を見ることはできませんでした。
一方で池に至る道中各所で水害の傷跡が多数残っています。
いち早い球磨川流域の復興を願うばかりです。
2655 大久保溜池(1957)
105千㎥/105千㎥
大久保農業組合
1914年
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