ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

船津ダム

2023-01-30 17:07:13 | 熊本県
2022年11月21日 船津ダム

船津ダムは左岸が熊本県下益城郡美里町清水、右岸が同町豊富の一級河川緑川本流にある熊本県企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1964年(昭和39年)に建設省(現国交省)直轄事業として緑川総合開発事業が着手されますが、熊本県企業局は同事業に発電事業者として参加し、緑川ダムと同じ1970年に船津ダム・緑川第1~第2発電所が竣工しました。
船津ダムは緑川第1発電所(最大出力3万1700キロワット)の出力調整による水位変動を緩和するための逆調整池に加え、緑川第2発電所(最大出力6800キロワット)でのダム式発電を目的としています。
さらに2001年(平成13年)には河川維持放流を利用した小水力発電を行う緑川第3ダム(最大540キロワット)が完成しました。

下流の国道445号線から
ゲート5門中4門だけが見えます。


ダム直下から全てのゲートが見えました。
右岸(向かって一番左)のゲートにはフラッシュボードがついています。


右岸から
右手は緑川第2発電所。


堤体右岸に発電用取水ゲートがあります。
クレーンは予備ゲート運搬用
左奥は管理事務所。


右岸ダムサイトの斜面に残るプラント遺構。


上流から見た取水口
ピアにはクレーンのレールが伸びています。


天端から
右手は第2発電所、さらに左手の小さな建屋が第3発電所。


ゲートは1門だけ開放中。


フラッシュボード付きゲートを真上から。


左岸から
天端は徒歩のみ開放されています。


ダムの上流の道路沿いには分割式予備ゲートが置かれています。


ダム下流にある霊台橋
江戸時代末期の石橋で国の重要文化財。
このほか美里町には通潤橋など多くの石造建造物があります。


(追記)
船津ダムは洪水調節容量のない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。

2994 船津ダム(1956)
左岸 熊本県下益城郡美里町清水
右岸         同町豊富
緑川水系緑川
25.5メートル
175メートル
2495千㎥/1070千㎥
熊本県企業局
1970年
◎治水協定が締結されたダム


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