ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

芹川ダム

2022-12-30 22:17:34 | 大分県
2022年11月18日 芹川ダム

芹川ダムは左岸が大分県竹田市直入町下田北、右岸が大分市今市の一級河川大分川水系芹川にある大分県土木建築部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1953年(昭和28年)に大分県としては2例目となる河川総合開発事業により着工され、1956年(昭和31年)に竣工しました。
芹川ダムは建設省(現国交省)の補助を受けた補助多目的ダムで、芹川及び下流の大分川の洪水調節、芹川下流域および旧挾間町約2500ヘクタールへの灌漑用水の供給、大分県企業局芹川第1~第3発電所での計2万3800キロワットの水力発電を目的としています。 

県道30号庄内久住線から芹川ダムの表示に従い南に折れると、ダムの左岸に到着します。
苔が生えた堤体は竣工から60年以上の時間経過を醸し出します。


上流面
手前は水位計。


ゲートピアのコンクリートは白く、近年改修があったようです。


左岸の繋留設備。


左岸高台にプラント遺構が残り展望台になっています
右下の扉は監査廊入り口。


展望台から俯瞰
右手は管理事務所
貯水池は総貯水容量2750万立米と補助多目的ダムとしては結構なサイズ。


左岸の発電用取水口
芹川ダムには灌漑容量、発電容量がそれぞれ配分されていますが、灌漑期には発電所経由で灌漑用水の供給が行われます。


ダムサイトからダム下に下りる山道があります。
入り口にチェーンが掛かっていますが『立入注意』の警告のみ。
管理事務所で確認すると、立ち入ってほしくはないが立ち入り禁止ではないとのこと。
と言うことでダム下へ、正直足元は悪いです。
堤高52.2メートルを見上げます
放流設備はクレストローラーゲート3門のみ。


天端から減勢工を見下ろします。


取水された水の一部を維持放流として戻しています。
ダム一帯は阿蘇火砕流による凝灰岩で形成され、滝の手前には柱状節理が。


右岸から下流面。


天端は車両通行可能
左手が管理事務所。

芹川ダムだけでは大分川の洪水調節は不十分でしたが、2020年(令和2年)のななせダム 完成により大分川府内大橋地点では最大毎秒700立米の洪水調節が可能となり、大分川の治水能力は大きく向上しました。

(追記)
芹川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2752 芹川ダム(1932)
左岸 大分県竹田市直入町下田北
右岸 大分県大分市今市
大分川水系芹川
FAP
52.2メートル
193メートル
27500千㎥/22300千㎥
大分県土木建築部
1956年
◎治水協定が締結されたダム


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