ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

熊野川ダム(再)

2016-09-26 00:02:40 | 富山県
2016年9月17日 熊野川ダム(再)
 
熊野川ダムは富山市の神通川右支流の熊野川にある富山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
常願寺川と神通川の間を縫って富山市街南部を貫流して神通川に合流する熊野川は古くから灌漑用の水源として利用される一方で、たびたび流域に洪水被害をもたらしてきました。
これに対処するために富山県は建設省(現国交省)の補助を受け多目的ダム建設に着手、1984年(昭和59年)に熊野川の洪水調節のほか、既得取水権への補給と河川流量の維持、上水道用水の供給、北陸電力子会社の日本海発電(株)熊野川発電所(最大出力7000キロワット)の発電を目的として熊野川ダムが竣工しました。
しかし、その後の利水需要の低迷を受け上水道用水容量は一度も使われることなく推移、これに対処するために常用洪水吐の位置を下げ上水道用水容量を多尿量に転用する再開発が2017年(平成29年)に竣工しました。
これによりダムの有効貯水容量は7600万立米から6600万立米に減じ、目的は洪水調節、不特定利水、発電以変更されました。
 
熊野川に沿って県道184号線を南下すると熊野川ダムが見えてきます。
常用洪水吐の越流高を2.9メートル下げる再開発が行われたため、オリフィスゲートの周りだけコンクリートが白くなっています。
 
 
 
上流面
堤体中央に発電所への取水設備、右岸にインクラインがあります。
こちらもオリフィス周りだけ、コンクリートが白くなっています。
 
左岸から俯瞰
手前は管理事務所、対岸にプラント跡が見えます。
 
減勢工。
 
ダム右岸には砂防堰堤がつくられ山留が行われています。
 
ダム湖
上流の山は北アルプス立山連峰へ続きます。
 
右岸から俯瞰。
 
◎追記
熊野川ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0865 熊野川ダム(元)
左岸 富山県富山市手出
右岸     同市赤倉
神通川水系熊野川
FNWP
89メートル
220メートル
9100千㎥/7600千㎥
富山県土木部
1984年
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3699 熊野川ダム(再)(0563)
左岸 富山県富山市手出
右岸     同市赤倉
神通川水系熊野川
FNP
89メートル
220メートル
9100千㎥/6600千㎥
富山県土木部
2017年再開発竣工
◎治水協定が締結されたダム


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