ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

東第2ダム

2024-04-18 08:00:00 | 千葉県
2017年2月 4日 東第2ダム
2024年2月27日
 
東第2ダムは千葉県いすみ市山田の夷隅川水系奥山田川にあるいすみ市水道課が管理する上水目的のアースフィルダムです。
旧大原町では1972年(昭和47年)に水道事業が認可され、その水源として1976年(昭和51年)に東ダム が完成し計画給水人口9080人として水道事業が開始されました。
その後の水道需要増加を受けた第1次拡張事業により1984年(昭和59年)に竣工したのが東第2ダムで、計画給水人口は12670人に拡大しました。
さらに1992年(平成4年)の第2次拡張事業により南房総広域水道企業団からの受水が開始され計画給水人口は2万650人まで増加しました。
2005年(平成17年)の3町合併によるいすみ市誕生に合わせて水道事業も統合され、現在はいすみ市水道課が管理を行っています。
2025年(令和7年)4月に 夷隅地域2市2町の水道事業統合が予定されており、当ダムや浄水場の運営は新たに設立される水道企業団が引き継ぐ予定です。

いすみ市水道課が管理する山田浄水場及び隣接する東ダム・東第2ダム、音羽浄水場及び岬ダムはいずれも関係者以外立入り禁止となっています。
再訪時は事前にいすみ市水道課に取材申請を行い、職員様同行による施設見学が叶いました。
掲載写真はすべて立入り禁止エリアのものとなります。
今回の見学は特例であり一般個人の見学については対応されておりません。
その点、強くご理解いただきたいと思います。
掲載写真はすべて再訪時のものです。

山田浄水場から 
奥が東第2ダム、右手が東ダム。

 
東ダム天端から
手前は汚泥(フロック)濃縮槽と天日乾燥床。


左岸ダム下の洪水吐減勢部から
手前のコンクリート内に山田浄水場への水管があります。
隣の鉄管は水位低下放流用。


ズームアップします。  


右岸から
堤体は犬走を挟んで2段
堤高21メートル、堤頂長115メートル
堤体の草刈はシルバーに委託
奥を洪水吐斜水路が流下します。

 
総貯水容量は20万1000立米
ダム便覧では流域面積4.4平方キロのうち大半の4平方キロが間接流域となっています。
完成当初は流域外からの揚水があったようですが、今はすべて自己流域での集水となっておりこれは誤りです。


左岸の横越流式洪水吐
左奥は取水塔。


天端からの眺め
ダムの左手から洪水吐斜水路が伸び、天日乾燥床の手前が減勢工になります。

 
東ダムと異なり天端はきれいに舗装されています。


洪水吐越しの上流面
東ダム同様ロック材で護岸されています。

 
横越流式洪水吐。


上流面にあるインクライン
こちらも東ダム同様今は使われていません。

 
取水塔への管理橋。


取水口は4段の多段式でハンドルが4基。
浄水場への取水は東ダムと交互に行い、取水操作は職員さんがここで手動で行います。


こちらは土砂吐ゲートへの階段。
ダム完成以来ほとんど使われておらず、今は操作できないだろうとのこと。

 
山田浄水場では日量4000立米の水を浄水・配水しており、そのすべては東ダムおよび東第2ダムから取水しています。
いすみ市全体では排水量の約5割を南房総広域水道企業団から受水していますが、山田浄水場に関しては自己水源からの取水で賄っています。
最後に特別のご配慮で見学要請に応じていただいたいすみ市水道課および職員様には厚く御礼申し上げます。
 
0685 東第2ダム(0830)
千葉県いすみ市山田
夷隅川水系奥山田川
21メートル
115メートル
201千㎥/185千㎥
いすみ市水道課
1984年


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