2016年6月4日 双六ダム
双六ダムは岐阜県高山市上宝町金木戸の神通川水系双六川にある富山共同自家発電(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
富山県は主要河川がいずれも北アルプスを水源とした急流河川となっており、戦前よりその包蔵電力を糧に大量の電力を消費するアルミ精錬事業者が集積していました。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により、新たに北陸電力が誕生し積極的な電源開発を進めますが、同社だけでは朝鮮戦争特需で事業が急拡大するアルミ事業者の電力需要に答えることが困難でした。
そこで1952年(昭和27年)に北陸電力と富山県内のアルミ電解電炉事業者11社の共同出資により設立されたのが富山共同自家発電(株)です。
同社は神通川水系高原川と右支流双六川の水利権を獲得して1954年(昭和29年)に見座および葛山の2基の発電所を建設しました。
双六ダムは見座発電所の取水ダム兼調整池として1953(昭和28年)に竣工し、ここで取水された水は見座発電所に送られ高原川からの水を合わせて最大2万5500キロワットの水路式発電に供用されています。
その後の電力需要好転により富山共同自家発電の出資企業は4社に減りましたが、現在も日産化学(株)、昭和電工セラミックス(株)、JFEマテリアル(株)への電力供給を続けています。
高原川沿いの国道471号から双六川に沿って北上し、金木戸林道に入るとしばらくして右手に双六ダムが見えてきます。
ローラーゲート4門の小さなダムですがビンテージ感に満ち溢れています。
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左岸の導流壁からは骨材やコンクリートの成分が染み出しています。
シュート部分は水との闘いが激しいのか?たぶん何度も改修されてるんでしょうね?
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ゲートビアの上に管理橋があります。
コンクリートの支柱や高欄はいかにも昭和20年代のダムというデザインです。
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上流から
とにかく水がきれいです。
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対岸に取水口があります。
古いダムですが管理事務所だけは新しい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/66/973d4a6b6772a903a621f01962a3bdbe.jpg)
(追記)
双六ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
1079 双六ダム(0436)
岐阜県高山市上宝町金木戸
神通川水系双六川
P
G
19メートル
53.3メートル
0千㎥/0千㎥
富山共同自家発電(株)
1953年
◎治水協定が締結されたダム
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