ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

岩船ダム

2023-08-28 17:08:00 | 新潟県
2016年6月11日 岩船ダム
2023年7月23日
 
岩船ダムは新潟県岩船郡関川村片貝の一級河川荒川本流にある荒川水力電気(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
高度成長時期に入り、当時アルミ精錬国内最大手だった日本軽金属(株)は新潟工場向けの電力を賄うために、1960年(昭和35年)に東北電力(株)との合弁で荒川水力電気を設立します。
同社によって翌1961年(昭和36年)に建設されたのが岩船ダムで、ダム直下の岩船発電所で最大1万1500キロワットのダム式発電を行っています。
その後、同社は建設省(現国交省)による大石ダム建設事業に事業参加し、1978年(昭和53年)に大石発電所(最大出力1万900キロワット)が稼働、現在は合計2万2400キロワットの発電能力を有しています。
岩船ダムには2016年6月に初訪、2023年7月に再訪しました。
掲載写真にはそれぞれ撮影日時を記載しています。
 
国道113号荒谷トンネル手前から
ローラーゲート4門を装備していますが、下流からはこれが精いっぱい。
初訪時左右で異なっていたピアの高さが統一されています。
(2023年7月23日)


ダムへはJR米坂線の踏切を渡り旧道を進みますが・・・
2022年の令和4年8月豪雨により米坂線は各所で寸断され未だ運休状態、線路もさび付いたまま。
もともと運行本数も少なくこのまま廃線になる公算大です。
(2023年7月23日)


右手の青い屋根が岩船発電所建屋
最大1万1500キロワットのダム式発電を行います。
(2023年7月23日)


当然のことながらダムや発電所は立ち入り禁止、フェンス越しの見学となります。
荒川水力電気株式会社の表札。
(2023年7月23日)


こちらは初訪時の写真
当時は左岸2門と右岸2門でピアの高さが異なっていました。
(2016年6月11日)


水利使用標識。
(2023年7月23日)


左岸の取水ゲート
左奥は管理事務所。
(2023年7月23日)


最大毎秒65立米の取水を行います。
(2023年7月23日)


国道113号から上流面を遠望できます。
(2016年6月11日)

ズームアップ。
左右のゲートピアの形状が異なり右岸2門は鉄骨トラス製のピアでした。
1枚目写真でわかるように今は高さも形状も統一されています。
(2016年6月11日)

(追記)
岩船ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0748 岩船ダム(0443)
新潟県岩船郡関川村片貝
荒川水系荒川
30.2メートル
92.6メートル
5875千㎥/1072千㎥
荒川水力電気(株)
1961年
◎治水協定が締結されたダム


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
tibinekoさま (まっち)
2023-08-28 19:54:58
件の只見線は去年県の補助の下復旧しました。
財政に余裕がない昨今、個人的には運輸実績のないローカル線についてはどんどん廃止し、もっと柔軟な運用ができるバス運行などに切り替えるのが妥当だと思っています。
東日本震災で被災した鉄道路線の一部はレールバスの運行に変更されていますが、需要に合わせてこまめに運行ができ、停車する停留場もはるかに多いレールバスの方が便利という声が大半です。
只見線は確かに観光客や撮り鉄にとっては人気の路線でしょうが、一日にたかが数本、1列車数人程度の乗客のために県が50億以上の資金を投下するのは違和感しか感じません。
しかも同時に並行する国道もバイパスを建設して改良している。
地元民がほとんど使わないのに、いざ廃止となると自治体は声を挙げて反対する。
駅舎にある署名嘆願だってその多くは鉄道ファンによるもので、奴らはノスタルジーはあっても経営のことなんて関知しない。
冷たいようですが只見線への税金投入による復旧は悪しき前例という感が強くあります。
返信する
錆びた線路 (tibineko)
2023-08-28 19:00:35
2015年の福島車泊旅で、只見線の会津川口. ~只見間3箇所の橋りょうが流失する被害があり、復旧されないままの橋梁を実際に目にしました。
その時も雨の中で、薄暗い水の上にちぎれた橋梁を見た時は、何かのオブジェかと思ったほどです。
その後は、目に入る線路のどれもが草に覆われて・・
立ち寄った駅舎の復旧嘆願の署名を見た時は、胸が痛みました。
赤錆びた線路に触手を伸ばす草を見ていて、8年前の光景が蘇りました。
返信する

コメントを投稿