ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

真締川ダム

2017-08-01 01:57:35 | 山口県
2017年7月19日 真締川ダム
 
真締川ダムは山口県宇部市の真締川上流部、支流の戸石川との合流地点に建設された山口県営の治水目的のアースダムです。
宇部市男山に源を発し宇部市内を南北に流下して周防灘に注ぐ真締川は延長8.3キロの二級河川ですが、疎通能力が低く豪雨のたびに市街に洪水被害をもたしました。一方流域の農家にとっては貴重な水源になっていますが、少雨の際には渇水被害が頻発し抜本的な治水対策が求められました。
そこで山口県は真締川水系河川整備計画を策定し2009年(平成21年)に竣工したのが真締川ダムです。
真締川ダムは真締川の洪水調節、既得取水権として灌漑用水への補給と安定した河川流量の保持を目的としています。また全国的に見ても数少ない防災目的のアースフィルダムとなっています。
 
国道490号線白石交差点から市道を西進すると真締川ダムの標識が現れ、これに従って右折すると真締川ダムに到着します。
ダムの東には『宇部かま』の工場と直販所がありこれが目印となります。
ダムは真締川と支流の戸石川の合流地点に建設され堤体中央の洪水吐を中心に東西に堤体が伸びています。
ダム便覧では堤頂長354.5メートルの一つのダムとしていますが、フィルダムの中央に洪水吐を設置するのは掟破りのはず?
厳密には東の真締川を堰き止める堰堤(地図の赤線部分)と西側の戸石川を堰き止める堰堤(地図の青の部分)の2基のアースダムによって形成されていると見るほうが妥当な気がするのですが・・・。
 
『宇部かま』直販所の向かい側、ダム左岸に管理事務所と駐車場があります。
ダムの案内図
ここでは真締川側と戸石川側の2基の堤体を分けて掲載しています。
 
左岸から見たダム湖(未来湖)、総貯水容量は84万2000立米とダムとしてはさほど大きくはありません
右手の橋脚は山陽自動車道です。
 
上流面はロック材が敷かれています
奥は洪水吐と取水塔。
 
きれいに整備された天端。
 
洪水吐
両側が非常用洪水吐、奥の切れ込みの穴が常用洪水吐になるようです。
 
減勢工
副ダムの先で真締川と戸石川が分流されます。
 
下流から洪水吐を見上げると。
 
真締川側(東側)の堰堤
上部には石が葺かれぱっと見ロックフィルダムのようです。
 
戸石川側(西側)の堰堤。
 
洪水吐と取水塔。
 
右岸から上流面。
 
見た目はロックなのに実は日本では数少ない防災専用のアースフィルダム。
それ以上にやはり洪水吐を挟んだ堤体を一つのダムと見るか?2基の別々のダムと見るか?
個人的には後者の方なんですがいかに?
 
3176 真締川ダム(1093
山口県宇部市川上
北緯33度59分36秒,東経131度16分13秒
真締川水系真締川
FN
21.9メートル
354.5メートル
842千㎥/760千㎥
山口県土木建築部
2008年


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