ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

二の沢ダム

2019-10-27 11:58:21 | 北海道
2019年10月18日 二の沢ダム
 
二の沢ダムは北海道岩見沢市栗沢町茂世丑の石狩川水系茂世丑川支流二の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
二の沢ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧には北海道の事業で1923年(大正12年)着工、1925年(大正14年)竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地32.73ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
二の沢ダム天端への道は関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
 
道道30号の茂世丑郵便局手前を東に折れ二の沢川沿いのダートの隘路を辿ると二の沢ダムに到着します。
下流面
この時期の北海道の溜池は上下流面の草刈りが済んでいるところが多いのですが、ここはまだのようです。
 
堤体直下の底樋樋門。
 
右岸の洪水吐導流部
堤体に沿ってゆるやかにカーブを描いています。
 
右岸洪水吐
洪水吐のコンクリートはまだ白く、最近改修が行われたようです。
 
水利使用標識。
 
上流面
基部はコンクリートで護岸。
 
左岸にある多孔式斜樋。
 
総貯水容量は30万4000立米。
北海道では灌漑期が終わると水が抜かれる池が多いのですが、ここはまだ水が残っています。
 
天端から
右岸の洪水吐からの導流部と左岸の底樋からの水路がダム下で合流、そのまま二の沢川を流下します。
 
天端
轍が残っています。
 
北海道の他の溜池に比べると上下流面ともにちょっと荒れ気味で貯水池に水も残ったままです。
草刈りや水抜きはこれから行われるのでしょうか?
 
(追記)
二の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

3355 二の沢ダム(1516) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町茂世丑
石狩川水系二の沢川
18.4メートル
125.1メートル
304千㎥/270千㎥
北海土地改良区
1925年
◎治水協定が締結されたダム


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