2018年3月21日 長柄ダム(元)
長柄ダム(元)は香川県綾歌郡綾川町東分の綾川本流上流部にある香川県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
1935年(昭和10年)に香川県は河水統制事業による最初のダム事業として長柄ダム建設事業に着手しますが戦争激化により中断、戦後1949年(昭和24年)に国の補助を得て事業が再開され、香川県土木部所管ダムとしては内場ダムに次ぐ二番目のダムとして1952年(昭和27年)に竣工しました。
長柄ダムは1989年(平成2年)に竣工した田万ダムと連携した綾川水系の洪水調節、既得取水権としての灌漑用水の補給と安定した河川流量の維持を目的としています。
ダムの容量は不特定利水容量が大きく、主として既得取水権としての灌漑用水の安定した補給が主目的と言えます。
1995年(平成7年)に綾川ダム群再開発事業として長柄ダムと田万ダムを導水トンネルで結ぶ計画が採択されますが、その後の検証により長柄ダムの単独再開発に変更されました。
そして2018年(平成30年)に綾川水系河川性に計画が変更され、2022年(令和4年)3月に長柄ダム再開発事業の全体計画が策定されました。
ダム下流は小さな公園になっていますが、ダム直下まで行くことはできず、掲載した写真が精一杯。
クレストにラジアルゲート2門を装備、右手の白い建屋は利水放流設備を兼ねた低水位放流設備です。
香川県唯一のラジアルゲート
現在計画中の嵩上げが実施されると自然調節方式に変更されるため香川県のダムからはラジアルゲートが消えることになります。
右岸から。
天端は車両通行可能
円蓋のついた親柱は明らかに戦前のデザイン。
苔生した導流面と減勢工のエンドシル。
ダム湖の長柄湖は総貯水容量421万立米。
嵩上げ再開発で1020万立米と2倍以上になる予定です。
正面は管理事務所。
上流から
折からの雨で水位がかなり上がっています。
取水設備は重力式ダムとしては珍しい傾斜式シリンダーゲート。
六角形の建屋がオールドダムの雰囲気にマッチしています。
香川県営ダムではよくみられる立派な竣工記念碑。
1995年(平成7年)に再開発事業が採択されましたが、民主党政権の成立などもあり現在のところ事業はほとんど進捗していません。
2166 長柄ダム(元)(1255)
香川県綾歌郡綾川町東分
綾川水系綾川
FN
G
30メートル
124メートル
4210千㎥/4110千㎥
香川県土木部
1952年
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3331 長柄ダム(再)
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