ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

六ヶ村ダム

2022-12-12 20:08:09 | 秋田県
2022年10月25日 六ヶ村ダム

六ヶ村ダムは秋田県由利本荘市赤田の子吉川水系赤田川左支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
起源は江戸中期宝暦年間(1751年~1763年)まで遡り、亀田藩主の命により藩の普請として築造され、六つの集落に灌漑用水を供給することから六ヶ村溜池と命名されました。
その後数度の改修が行われたのち、1941年(昭和16年)より大規模な嵩上げ改修事業が着手され1952年(昭和27年)に同事業は竣工、貯水容量150万立米を超える東北地方屈指の灌漑用溜池となりました。
ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
しかし戦時中の物資不足の中での事業だったため老朽化が著しく、改めて県営ため池等整備事業六ヶ村地区が着手され1969年(昭和44年)に竣工し現在に至っています。
管理は内越土地改良区が行い約430ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
なお六ヶ村溜池の自己流域は12.7平方キロ中1.7平方キロにすぎず、その大半を赤田川からの導水に依っています。

堤高は17.6メートルに留まりますが、250メートル以上の長い堤体はかなり下流から視認できます。


市道が堤体を斜行して登ります。


左岸ダム下の底樋門。


右岸ダムサイトに建つ説明板。
江戸中期を起源とする溜池ならでは。


天端は規制がなく車での進入も可能、と言っても対岸で行き止まりですが
貯水池側に柵が続きます。


左岸の管理事務所を兼ねる取水設備機械室。


灌漑期が終わり水が抜かれた貯水池
総貯水容量179万立米と灌漑用溜池としては東北屈指のスケール。


多段式の斜樋
灌漑期が終わり水が抜かれており、流入水は土砂吐からそのまま放流されています。


上流面は石積護岸
基部にも石積の跡が残ります。
左手のレールはインクラインですが、今は使われてないようです。

左岸の越流式洪水吐には鋼製起伏ゲート(フラップゲート)があります。


洪水吐導流部。

赤田川からの導水部も見たかったのですが、右岸には養豚場があり立入禁止の警告板があったため断念しました。

0366 六ヶ村ダム(1916)
ため池コード
秋田県由利本荘市赤田
子吉川水系赤田川左支流
17.6メートル
256.9メートル
1790千㎥/1790千㎥
内越土地改良区
1952年


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