2015年12月09日 坂本ダム(再)
2018年11月25日
坂本ダム(再)は群馬県安中市松井田町の利根川水系碓氷川にある群馬県県土整備部が管理する不特定利水目的の重力式コンクリートダムです。
もともとは建設省所管の砂防ダムとして1958年(昭和33年)に竣工し、1981年(昭和56年)に河川管理施設として群馬県に移管されました。
その後碓氷川を水源としていた碓氷上水道企業団などの水利権者から河川流量の安定化を求める要望が強まり、群馬県は坂本ダム再開発事業に着手、1994年(平成6年)に同事業が竣工しました。
坂本ダム(再)は碓氷川の安定した河川流量の維持および既得取水権としての上水道用水・灌漑用水への安定した補給を目的としています。
不特定利水単独目的の県営ダムは珍しく、全国でもここと島根県の笹倉ダム(再)くらいしか思い浮かびません。
ダム建設当時から環境に配慮した『シビックデザインダム』に指定され、天端は近接する旧信越線鉄道施設をモチーフにしたデザインとなっているほか、堤体や副ダムは化粧型枠を使った石張風となっています。
またダム再開発に合わせてダム湖である妙義湖の環境整備も進められ、駐車場、トイレおよび湖畔を巡る一周1.2キロの遊歩道が整備され、今では安中市の観光名所の一つとなっています。
安中市横川から国道18号旧道に入り、霧積温泉へ向かう県道56号を分けるとすぐに左手に碓氷湖の標識が現れます。
これに従って左折すると碓氷湖畔に到着です。
まずはダム下に下りてみます。
クレストに自由越流式洪水吐が3門あり、転波越流しています。
クレストをズームアップ
旧信越線のトラス橋をモチーフにしたデザイン。
(2018年11月25日)
左岸から下流面
(2018年11月25日)
上流面
手前に斜樋があり河川維持放流用水を取水しています。
(2018年11月25日)
管理事務所はロッジ風
これもシビックデザインの一環。
減勢工と副ダム
側壁や副ダムは化粧型枠による石積み風
左手に放流ゲートがあり河川維持放流が行われています。
(2018年11月25日)
ダム湖(碓氷湖)は総貯水容量77万8000立米。
湖畔を一周する遊歩道が整備され、上流にはめがね橋をモチーフにした橋が架けられています。
(2018年11月25日)
右岸から
(2018年11月25日)
堤体も化粧型枠を使った石積風です。
こうやって見ると鉄道の鉄橋と見紛うようです。
ダム湖上流から遠望
(2018年11月25日)
せっかく来たので本物のめがね橋も見学。
追記
坂本ダム(再)には洪水調節容量が配分されていませんが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
3074 坂本ダム(再)(0106)
群馬県安中市松井田町坂本
利根川水系碓氷川
N
G
36.3メートル
85メートル
778千㎥/500千㎥
群馬県県土整備部
1994年
◎治水協定が締結されたダム
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