2015年12月05日 二瀬ダム
二瀬ダムは埼玉県秩父市大滝の一級河川荒川本流上流部にある国交省関東地方整備局が管理する重力式アーチダムです
荒川はその名が示すように古来よりの暴れ川で、家康による江戸開府以来その治水は施政者の至上命題となっていました。
終戦直後の1947年(昭和22年)に襲来したカスリン台風により関東各地で滅的被害が発生、これを契機に主要河川で建設省直轄事業による多目的ダム建設を軸とした河川総合開発が企図されます。
荒川においては『荒川総合開発事業』が採択され、その中核施設として1961年(昭和36年)に竣工したのが二瀬ダムです。
二瀬ダムは建設省(現国交省)が直轄事業で建設した特定多目的ダムで、ダムの型式は現在日本で10基しかない重力式アーチを採用し、洪水期(7月1日~9月30日)での最大700立米/秒の洪水調節、荒川下流域約8500ヘクタールの農地への不特定灌漑用水(既得灌漑用水)への補給、東京発電(株)二瀬発電所(2008年に埼玉県企業局から移管)での最大5200キロワットのダム式発電を目的としています。
その後、1974年(昭和49年)の『利根川・荒川水資源基本計画水』により荒川水系での河川開発は水資源開発公団(現水資源機構)に移管され、1998年(平成10年)に浦山ダム、2007年(平成19年)に滝沢ダムが完成しました。
現在は荒川上流ダム群として、洪水時には3ダム合計最大3140立米/秒の洪水調節を行います。
また3ダムともに日本ダム協会により日本100ダムに選ばれています。
秩父市街から国道140号線を西進、道の駅『大滝温泉』の先で三峰山方面に向かうと二瀬ダムのダムサイトに到着します。
左岸展望台から
天端は三峰山に向かう県道278号線が通っており、信号による交互通行になっています。
ゲートの補修工事が行われています。
天端左岸は国道と県道の交差点。
ゲート。
ダム下流面。
クレストはラジアルゲートが4門
改修によりピカピカの緑色。
洪水吐導流部は重力式アーチ特有のジャンプ台式になっていますが、逆光のためいい写真が撮れませんでした。
二瀬ダムのダムカード。
秩父4ダムカードでもらえる二瀬ダムの特製カード。
今回はゲートの補修工事中ということで交通量も多く天端を歩くのは自粛しました。
ダムの特徴であるジャンプ台式の減勢工をうまく撮影できなかったので工事が終了したら改めて訪問したいと思います。
追記
二瀬ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
0637 二瀬ダム(0094)
埼玉県秩父市大滝
荒川水系荒川
FNP
GA
95メートル
288.5メートル
26900千㎥/21800千㎥
国交省関東地方整備局
1961年
◎治水協定が締結されたダム
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